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【介護秘話】氷川きよし「母が寝たきりで…」と告白 父も病気を抱え、両親の介護と仕事の両立のなか、ファンクラブ会員数激減で身をすり減らす日々 

両親の介護と仕事の両立をする氷川きよし
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母が死んだら歌う気持ちになれないんじゃないかな──かつて母の存在について問われた氷川きよしはこう答えた。氷川の歌手人生の原動力であり続ける母親。しかし、いま、その最愛の人の体に異変が生じていた。

5月に幕を開けた全国ツアーで、切々と『母』というタイトルを冠した楽曲を歌い上げるその表情は、込み上げてくる思いを必死に抑えているようだった。今回のツアーで、氷川きよし+KIINA.(47才)がどの公演でも披露している歌がある。2020年にリリースした『母』という曲で、冒頭はその一節だ。

「子からの視点で永遠の親子愛が描かれていて、氷川さんのお母さんへの思いが伝わってくるので引き込まれます。氷川さんは精力的にツアーをこなす一方で、最近は時折、寂しそうな表情を見せることが気がかりです」(音楽関係者)

2022年末に《自分を見つめなおしリフレッシュする時間を作りたい》と活動を休止した氷川は、2024年4月にデビュー時から所属していた芸能事務所を退所。同年8月に活動を再開すると年の瀬には2年ぶりにNHK紅白歌合戦出場を果たした。

現在は「KIINA.」などの“新芸名”も使いながら休止前と遜色ない活躍を見せている氷川だが、6月4日に行われた全国ツアーの埼玉公演では、日頃見せない一面をさらけだした。

「コンサート終盤、『母』を歌い始める前のMCで『母が寝たきり状態で……』と、その容体が芳しくないことを告白しました。会場の微妙な空気を察したのか、『ごめんね、現実的な話をして』と話を切り上げていましたが、お母さんのことを考えずにはいられない様子が伝わってきました」(前出・音楽関係者)

いつも以上に情緒豊かに『母』を披露したかと思うと、氷川は続いて20年以上憧れ続けてきたという小室哲哉(66才)が作曲したテクノ調の『Party of Monsters』をノリノリで歌唱した。

「コンサートは盛況のうちに終了しましたが、氷川さんにとってお母さんが大事な存在であるというのはファンなら周知の事実です。そんなつらい状況でステージに立ち続けていたなんて、と氷川さんのことを気にかけるファンも多かったようです」(前出・音楽関係者)

自分と母は一卵性双生児

20年以上、演歌界の第一線を歩んできた氷川の原動力は両親の存在だという。福岡で生まれ育った氷川は「歌で勝負したい」と高校卒業を機に上京を決意し、両親はその背中をそっと押した。東京では、平日は朝から晩までアルバイトに明け暮れ、週末に発声のレッスンを受けるという下積み生活が3年半も続いた。

「都内に知り合いはひとりもおらず、お金がないので帰省もできない。孤独に苛まれた彼の支えになったのが、上京する際に『見送りに行ったら泣いてしまうから』と家で別れたお母さんから託された手紙でした」(芸能関係者)

便箋10枚にわたって綴られていたのは、「悪い人に騙されないで」「健康に気をつけて」といった“親の小言”ばかりだったが、そこに母からの愛情を感じたという。ようやく2000年2月に『箱根八里の半次郎』でデビューを果たすと、「演歌界のプリンス」として一気にスターダムにのし上がった。

両親との写真を大切に飾っているようだ(インスタグラムより)
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「ヒット曲を連発して、押しも押されもせぬ地位を確立した氷川さんですが、自分を支えてくれた両親への感謝の思いを忘れることはありませんでした。デビュー3年目の頃には、それまで2Kの部屋に住んでいた両親に新築のマンションをプレゼント。福岡市内の繁華街に近い物件を購入したそうです。

氷川さんは1日に3〜4回も両親に電話をかけていて、今年の母の日には自身のSNSに《母ありてこそ今の自分があります》と投稿するなど、たびたび感謝の思いを綴っています。過去にはインタビューで、“自分と母親は一卵性双生児のように似ている”と表現したこともあったほどです」(前出・芸能関係者)

体調に気がかりな点があるのも、氷川が母を気にかける理由のひとつだという。

「もともとお母さんは体が弱く、氷川さんを妊娠したときも病気を患い出産を止められたそうです。のちに彼女が命がけで自分を出産したことを知った氷川さんは、よりお母さんに対する思いを深めたといいます」(前出・芸能関係者)

両親ともに高齢になり、母は数年前から一気に体の調子を崩した。さらに、父も病気を抱えるようになった。数年前まで帰省は年2回ほどだったが、最近はどんなに忙しくても2か月に1回は両親の元に帰り、身の回りの世話などをしているという。

「お母さんは寝たきり状態になり、生活はままならなくなりました。信頼できる施設が見つかり世話を頼んでいるそうですが、肉親にしか気づけないことはたくさんある。一人っ子の氷川さんは自分がやるしかないと“決死の親孝行”をしているのです」(氷川の知人)

新ファンクラブ設立前夜、都内の中華料理店に向かう氷川(2025年2月)
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両親へのあふれる思いは、歌にもしたためられている。先述の『母』に加え、2022年には、年老いていく父への思いを込めた楽曲『Father』を発表した。

「昨年10月に行われた復帰後初のディナーショーでは、この2曲を歌いながら涙する場面がありました。ただこの頃、ご両親はすでにショーを見るのが叶わない体調だったそうです」(前出・芸能関係者、以下同)

一方、両親の介護だけに集中することはできない事情があるようだ。氷川は旧所属事務所の退所に伴い、事務所が運営していた「氷川きよしファンクラブ」を今年1月31日に終了させ、2月2日に「KIINA’S LAND」という新ファンクラブを立ち上げた。

「ところが申し込み方法は公式ホームページでしか案内されておらず、インターネットに慣れていない高齢のファン層がうまく移行できないためか、会員数が激減しており、頭を悩ませているそうなのです」

6月1日には東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で行われたイベントに出演。音楽プロデューサーの亀田誠治氏が手掛けた新曲『白睡蓮』を初披露した。

「伏せられていますが、実は作詞担当が誰もが知る超大物なんです。この曲は氷川さんの新機軸となるでしょうね。近年の氷川さんは演歌の枠に収まらない活動をしていますが、批判も少なくない。独立後はひとりでやることも増え、精神的にも肉体的にもつらい状況のようです。そんな中、頻繁に故郷に戻って介護も……身をすり減らす日々を送っていますよ」

病床の母を思いながらも進化をし続ける氷川。介護との両立は決して簡単ではないが、氷川ならその障壁を突破していくだろう。

※女性セブン2025年6月26日号

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