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《長嶋茂雄さんが愛した名店》選手とファンの胃袋をつかんだ!“巨人軍の聖地”で選手を見守り続けた女性の作る「おでん」「焼きそば」

在りし日の「グランド小池商店」。長嶋さんはじめ、王貞治さん、定岡正二さん、江川卓さん、原辰徳さん、松井秀喜さんなど多くの選手が集った
在りし日の「グランド小池商店」。長嶋さんはじめ、王貞治さん、定岡正二さん、江川卓さん、原辰徳さん、松井秀喜さんなど多くの選手が集った
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日本でもっとも有名なプロ野球選手であり、レジェンドと称えられた長嶋茂雄さん(享年89)が6月3日、旅立った。引退試合での「巨人軍は永久に不滅です」の言葉通り、読売ジャイアンツ一筋だった野球人生では首位打者6回、ホームラン王2回、打点王5回といくつもの功績を残し、最優秀選手にも5回輝くなど「プレーでファンを魅了する」野球を体現。同時に、その親しみやすい人柄が多くの人に愛された。そんな長嶋さんも通ったのが、「グランド小池商店」。「巨人軍の聖地」で選手を見守り続けた“おばちゃん”の作る「おでん」「焼きそば」が選手とファンの胃袋をつかんだ。

読売ジャイアンツマスコットキャラクター・ジャビット
読売ジャイアンツマスコットキャラクター・ジャビット
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「おばちゃんのお任せがいい!」味が染みたおでんを頰張った

多摩川のほとりにあった多摩川グラウンドは長年、巨人軍の練習場や二軍の試合場所として使用される“聖地”だった。

「聖地」で練習に励む選手たち。ファンとの距離も、いまでは考えられないほど近かった
「聖地」で練習に励む選手たち。ファンとの距離も、いまでは考えられないほど近かった
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そこから500mほど離れた河川敷の近くにあったのが1951年に創業した「グランド小池商店」だ。店を切り盛りする両親と選手たちとともに育った高橋文子さんが語る。

高橋文子さん(中央)(写真提供/読売巨人軍)
高橋文子さん(中央)(写真提供/読売巨人軍)
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「小池商店は最初は燃料屋として始まった店でした。1955年に多摩川グラウンドができたのをきっかけに、タライに氷を入れてラムネを冷やして売り出すようになったんです」。

近隣にはそうした店はほかになく、客がどんどん集まった。そこで始めたのがおでんと焼きそばだ。

「練習終わりの選手も来てくれるようになって、どんどんお客さんが増えていきました。長嶋さんが頼むのはだいたいおでんとファンタグレープ。棒アイスを食べることもありましたね。でも、たいていアイスもファンタも半分で満足されるようで、『おばちゃん、あげるよ!』って(笑い)」(高橋さん・以下同)

店は昨年末に惜しまれつつ閉店した。店にあったたくさんの色紙や写真、サイン入りのバットやボールを高橋さんはどうするべきか迷ったと振り返る。

「球団に相談し、引き取ってもらいました。せっかくならたくさんのかたに見てもらいたいので」

今夏、東京都稲城市のジャイアンツタウンスタジアム内にそれらを飾った再現ブースが完成した。

再現ブースが完成
再現ブースが完成
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「たくさんの貴重なものを頂戴し、そのなかからサインや写真を約100枚、バット23本などを展示しています。無試合などのスタジアムツアーの際に公開し、ファンのみなさんに来ていただきたいと思っています」(読売巨人軍総務本部長・山本広海さん)。

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貴重な写真がズラリ
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バット23本
バット23本
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読売巨人軍総務本部長・山本広海さん「ぜひ遊びに来て下さい」
読売巨人軍総務本部長・山本広海さん「ぜひ遊びに来て下さい」
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高橋さんも「公開されたらぜひ見ていただいて当時を思い出してほしいです」と。

「ジャイアンツタウンスタジアム」

住所: 東京都稲城市矢野口3228番地南山95街区1号

※女性セブン2025年8月14日号