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橋幸夫さん、認知症が発症しても案じ続けていた「絶縁状態の長女」と「消えた長男」 “マンション売却”は相続の煩わしさを軽減するためだったのか

9月4日に亡くなった橋幸夫さん
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東京・文京区にある傳通院は、江戸三十三観音札所の1つに数えられる由緒正しい寺院だ。その敷地内の一角に、比較的新しい墓がある。そこは、9月4日に亡くなった橋幸夫さん(享年82)が、いまから5年ほど前に建立したものだ。

「傳通院は橋さん一家の菩提寺で、橋さんが作ったお墓には、両親や兄姉の遺骨が納められています。“自分も近い将来入ることになる”。そんな思いもあって、新しくしたそうです」(音楽関係者)

毎年の大晦日の夜には、「除夜の鐘イベント」に登場し、参拝客の前に立って挨拶した。お堂に登場した橋さんは、「私の親も傳通院さんのお墓にお世話になっております。兄もこちらのお墓に」と元気そうな声で話したこともあった。通夜・告別式も同地で営まれ、喪主は妻の真由美さんが務めた。

「祭壇は、橋さんがこよなく愛し、自らも描いていた雄大な富士山をイメージし、その中央に、今年2月に撮影した橋さんらしい姿の遺影が置かれました」(前出・音楽関係者)

橋さんの所属事務所「夢グループ」の石田重廣社長が話す。

「最近の芸能界では、密葬や家族葬の形で静かに葬儀を終えた後に、後日お別れの会をすることが多いですね。しかし、橋さんは生前“自分の葬儀はオープンな形で、堂々とやってほしい”と言っていました。その気持ちに応えるために、報道陣にも公開し、ファンからの弔問も受け付ける形にしました」

昨年12月に「中等度のアルツハイマー型認知症」と診断され、今年5月に夢グループが橋さんの病を公表していた。それでも橋さんは歌い続けることにこだわり、5月21日には神奈川県で、5月31日には兵庫県でステージに立った。

「ただその公演後、帰宅してコンサートの荷物を運ぼうと台車に手をかけたとき、突然左手に力が入らなくなってしまったようです。救急車で病院に搬送後、『一過性脳虚血発作』と診断され、緊急入院していました」(前出・音楽関係者)

6月8日に退院し、11日の滋賀公演で復帰したが、その数日後に再び入院。それから3か月後に、最期は妻に見守られながら肺炎のためこの世を去った。

橋さんは、1960年7月に17才で『潮来笠』でデビュー。爆発的なヒットとなり、日本レコード大賞新人賞を受賞、同年のNHK紅白歌合戦にも初出場を果たした。1962年には、吉永小百合とのデュエット曲『いつでも夢を』が発売され、1か月で30万枚という驚異的な記録を打ち立て、日本レコード大賞を受賞した。舟木一夫(80才)、西郷輝彦さん(2022年没、享年75)とともに「御三家」として昭和歌謡界の黄金期を築いた。

自身の還暦を祝う会で、マイクを手に歌う橋。
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プライベートでは、客室乗務員だった女性と1971年に1度目の結婚。2人の子供にも恵まれ、結婚30年を記念して共著を出すなど、おしどり夫婦として知られたが、2017年末に離婚した。

「47年連れ添った糟糠の妻で、橋さんの親の介護をして看取ってくれた前夫人には、数億円ともいわれる所有する都内貸しスタジオや自宅の入るビルを財産分与しました。本人同士でしっかり話し合った上での円満離婚だったそうです」(芸能関係者)

離婚後間もなく、18才年下の真由美さんと再婚したのだが、これが橋さんと子供との関係に変化をもたらした。

「介護職として働いていた長女は、再婚した橋さんへの複雑な思いがあったようで、以降絶縁状態になってしまったようです」(前出・芸能関係者)

また、かつて俳優として活動し、『踊る大捜査線』(フジテレビ系)や『サラリーマン金太郎』(TBS系)などに出演経験のある長男は、2000年代中盤以降は目立った活動はなく、芸能界から“消えた”状態だ。

「橋さんは、認知症が発症してからも、2人の子供のことを案じ続けていました。息子さんは、ひっそりと芸能界から離れて橋さんが前夫人に分与したビルを中心に不動産業をやっているようで、2023年の引退コンサートにも足を運んだようです」(前出・芸能関係者)

周囲が気を揉むのが橋さんの“死後の整理”だ。相続の権利は、真由美さんと、2人の子供たちにある。

「離婚の際に、しっかり財産分与まで行うほど、橋さんはお金についてはきちっとした人でした。晩年、橋さんは真由美さんと一緒に熱海にあるマンションで暮らしていました。マンション内の別部屋を、衣装部屋として個人事務所名義で所有していましたが、この4月に売却しています。もしかしたら現金化することで、相続の煩わしさを軽減する目的だったのか……残る妻や子供たちを思っての行動だったのでしょう」(前出・芸能関係者)

天国から、橋さんは大事な人のことを思い続けている。

※女性セブン2025年9月25日・10月2日号

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