
日本はいまだに、先進国の中では女性の社会進出が遅れているといわれる。だが、重責を担いリーダーとなる女性や、男女の差に関係なく働き、お金を稼ぐ女性が少しずつでも、確実に増えているのは揺るぎない事実だ。組織ばかりでなく、未来まで牽引する「女性資産家」を徹底分析した。
自ら起業するのも「当たり前」に
資産家の女性は「企業の重役」ばかりではない。現在、女性投資家や起業家が世代を問わず増加しているのだ。投資を学ぶコミュニティー「きんゆう女子。」を主宰する鈴木万梨子さんが言う。
「特に10代後半〜20代前半の投資意識が高まっており、投資で資金を蓄え、将来の起業や独立起業を目指す人が増えています」
今回、企業価値検索サービス「Ullet(ユーレット)」の協力のもと、200億円以上の資産を保有する女性大株主をランキング化。鈴木さんは「女性大株主には2つのパターンがある」と語る。
「1つは、『企業創業者の家族』です。1位の三木谷晴子氏(楽天グループ創業者・三木谷浩史氏の妻)や9位の家次和子氏(シスメックス会長・家次恒氏の妻)など、創業者の妻や創業者一族の関係者が多くを占めています」

そんな中、新たにもう1つの『起業家型』かつ『インフルエンサー型』の投資家が注目されている。
20位台までは「創業者の家族」が多いのに対し、30位以降に近年少しずつ増えてきているのがこのタイプ。特徴は「40代の若手起業家」であることと、「SNSを活用した事業やPRに長けている」ことだ。
「例えば申真衣氏(保有金額約141億円)は、新卒でゴールドマン・サックス証券に入社し、30代で最年少部長に。その後、カラオケやゲームセンター事業を手がけるGENDAを創業。現在株価を伸ばしている自社株の保有でランクインしています。また社長業と並行して女性ファッション誌のモデルも始めるなど、SNSを駆使したインフルエンサー的発信力も持っています」(鈴木さん)
ビジネスSNS「ウォンテッドリー」の創業者で代表取締役の仲暁子氏(保有金額約103億円)も大株主だ。SNSを介して発信したり、SNSそのものを仕事にしているのが、“次世代の女性大株主”の特徴だといえる。
出世でも、起業でも、投資でも、自ら働いて稼ぐことが、新時代で輝く女性の条件なのかもしれない。

※女性セブン2025年12月25日・2026年1月1日日号