健康・医療

《知っておくべき“首と腰”の治療のこと》1円玉程度の傷口を開けて円筒を差し込む「脊椎内視鏡手術」のメリット 一度に3か所の出樹も可能、直後に寝返りも可能

高齢になると、腰や足の痛みを抱える人が増えてくる(写真/PIXTA)
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 人生100年時代に暮らす私たちの生き生きとした老後を妨げるのは、ひざ、股関節、首や腰の痛み。一方、症状や治療法は千差万別だ。あなたに合った診断と治療で、年だからと諦めていた「痛みのない生活」を叶えてくれる病院を名医たちに聞いた。ジャーナリストの鳥集徹氏と本誌『女性セブン』取材班がレポートする。第3回では首と腰の病状について、治療に際して知っておくべきことを紹介する。【全3回の第3回。第1回から読む

【首と腰】1円玉の大きさの傷で背骨手術が可能

 少し歩くと腰や足など下半身のしびれや痛みで動くのがしんどくなり、しばらく休めばまた歩けるようになる。高齢になると、こうした症状を抱える人が増えてくる。これを「間欠性跛行」と呼ぶ。

 この症状がある人は「腰部脊柱管狭窄症」の可能性がある。加齢に伴って背骨のトンネルが狭くなり、そこを通る神経が圧迫されるのが原因だ。

 ほかにも、手足のしびれや痛みを引き起こす病気には、「頸椎症・頸髄症」「椎間板ヘルニア」「後縦靱帯骨化症」「変形すべり症」などがある。

「こうした脊椎変性疾患に対して、骨や靱帯を削ったり、不安定な脊椎を固定したりして神経の圧迫を取り除くのが、私たちが行っている手術です」

 そう話すのは、堀口記念病院脊椎内視鏡手術センター長の河合将紀医師だ。

堀口記念病院脊椎内視鏡手術センター長の河合将紀医師
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「かつては頸(首)や腰を10~15cmも切り開いて手術をしていました。背骨はかなり奥の方にあるので、筋肉を切り裂く必要があり、出血も多かった。

 これに対し、私が取り組んできたのが『脊椎内視鏡手術』です。一円玉程度の傷口を開けて筋肉の隙間から円筒を差し込み、背骨に到達させます。その中に内視鏡カメラや手術器具を挿入し、モニターに映る拡大画像を見ながら手術を進めます。筋肉を痛めませんし、出血もほとんどない。すぐに動いても大丈夫なので、手術直後でもみなさん、寝返りを打っています」

 筒を動かすだけで、一度に最大3か所の病変を手術できるのも、大きなメリットだ。そのため、この手術を手がける病院が増えている。ただし、それ以前に「手術前の診断が重要だ」と河合医師は強調する。

「神経の圧迫があっても症状のないかたが7~8割いるので、MRIなどの画像だけで原因部位を確定するのが難しいのです。的確な診断には画像を読み取る力だけでなく、患者の自覚症状を多角的に把握する力が求められます。

 したがって、いい手術を受けるには、症例数が多いのはもちろん、話をよく聞いてくれて、画像を見ながら的確かつ丁寧に説明してくれる脊椎外科医を選ぶことが大切。いい医師と出会うためにも、いくつか病院を受診してみることをおすすめします」

「頼れる病院」には「頼れる医師」がいる。あなたに合った医師と出会うためにも、「いい医療」を見極める目を身につけてほしい。

名医が選んだ「首と腰」で頼れる病院
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(了。第1回を読む

【プロフィール】
鳥集徹(とりだまり・とおる)/同志社大学大学院修士課程修了(新聞学)。新著『妻を罵るな』が発売中。

女性セブン202625日号