まったく同じメニューでも早食いの人は太りやすく、遅い人は痩せている――という研究データが発表された。
ゆっくり食べると、胃から腸にかけての血流がよくなって代謝が上がり、人によっては“1年間で体重1.5kg減”が期待できるという。地味だけど確実。これなら食いしん坊でも続けられるかも。
リバウンド続きの万年ダイエッターにもオススメ
新しい方法が出るたびに試す、千葉県在住の万年ダイエッター山崎咲子さん(仮名・50才)は、自らの体験をこう語る。
「“○○だけ好きなだけ食べていい”というダイエット法は、期間中、我慢した分、あとでいろんなものをドカ食いしちゃうんですよ。わずか1か月で、+7kgのリバウンドをしたこともあります」
かといって、1日3食のうち、1食は健康食品のみを摂るという、「1食置き換えダイエット」はお金がかかる。また、まず野菜から食べてあとは何を食べてもいいという「食べる順番ダイエット」は、最初の野菜を食べるうちにうんざりしてしまう。多くのダイエット法はなにかしらの制約や制限がつきもので、長続きしにくいため、失敗談は尽きない。
そんな人でも、続けられるシンプルなダイエット法が最近、大学などの研究室から続けて発表された。それは、今までとまったく同じ食事内容、同じ量のまま、ただゆっくり噛んで食べるだけで痩せるというダイエット法だ。
「ゆっくり食べる」のダイエット効果がすごい!
発表したのは東京工業大学・林直亨さんらの研究グループ。男性10名が、300Kcalの試験食を食べ物の形状がなくなるまでよく噛んでから飲み込むのと、早食いするのとで、エネルギー消費量を比較した。
実験の結果、早食いチーム(完食まで平均1分43秒)が体重1kgあたり7calのエネルギー消費だったのに対し、よく噛んで食べたチーム(完食まで平均8分17秒)は、180calを消費した。その差、なんと約26倍!
「早食いをする人は食べ過ぎて太る、ということは以前から知られていた事実です。でも、この実験によって、同じ量を食べたとしても、ゆっくり食べる人のほうが体形はスリムなことが実証されました。それは、ゆっくり噛むことによって、胃から腸にかけての血流がよくなり、代謝が上がるからだと考えられます」(林さん。以下「」内同)
スピードよりも“味わって食べる”を心掛けて
林さんによれば、「体重60kgの人が1年間で1.5kgの減量になる可能性がある」のだそう。しかし“ゆっくり、よく噛んで”とひと口に言っても、どのくらいの速さで?
「食べ方というのは、歩行と一緒でその人のくせがあり、実はなかなか直しにくいもの。例えばコンビニのおにぎり1個を食べるにしても、早い人は2分で食べ終え、もっとも遅い人は5分30秒かかりました。一度、ストップウオッチを使って、自分の食べる速さを測って、自分は早いか遅いか、確かめてみて」
もちろん、現実的に考えて、ストップウオッチを片手に食事を摂るのはなんとも興ざめ。でも、それも気持ちの持ち方次第だという。
「海外の記事では、食べるスピードを遅くする、と表現せず、“味わって食べる”という書き方をしています。なにを食べているか、それを強く意識するだけで、食べる速度は見違えるほど遅くなりますまた、なにかをしながら食べると早食いになり、気づかないうちに際限なく食べてしまい、食事の量が増える危険があります。
ですから、ひと口ごとに、なにを食べているか意識して味わって食事をしてみてください。そうすれば食事の時間が長くなって噛む回数も増え、確実にエネルギー消費量が増えます。やがては痩せることにつながるでしょう」
まずは今日の夕食から、お米の一粒一粒の食感を楽しみながら、食べてみる?
※女性セブン2014年8月7日号
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