
古今東西、家族関係の悩みはなくならず、とりわけ嫁姑問題は時代が変わってもなお永遠だ。実際の事件を紐解くと、深い憎しみが、一線を越えてしまう悲劇が明らかに──。
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2017年10月17日、静岡県静岡市の山中で腐敗の進んだ女性の遺体が発見された。遺体は6日前に親族から行方不明届が出されていた佐藤富子さん(仮名・62才)。発見時には靴を履いておらず、腰には白いカーテンが巻かれている“奇妙な”状態だった。
「司法解剖の結果、首の骨が一部損傷しており、死因は首を絞められたことによる窒息死と判明。富子さんの失踪後、部屋にあった現金300万円が消えていたことも明らかになりました」(全国紙社会部記者・以下同)
約1か月後の11月26日、事件が動く。富子さんの次女の夫である山田和男(仮名・34才)が死体遺棄の容疑で逮捕されたのだ。
「和男は妻と息子、娘の4人暮らしで、事件直後には3人目の子供が生まれています。同じマンションの住人は和男がよく子供をかわいがっている姿を目撃しており、マンションの役員の仕事もまじめに務めていたと話していて、和男が逮捕されると周囲からは驚きの声が上がりました。
裁判では妻も“強盗殺人をする人ではないと思う”“すごく子煩脳で優しい”“変わらず支えていきたい”と、実の母親の殺害容疑をかけられている夫を“信じたい”様子がうかがえました」
一見善良な男だが、警察は和男の別の顔を暴いていた──。
「警察の捜査で、犯行当日の午前中に和男が富子さんの元を訪れて、借金をして帰っていったことが判明しました。その日、富子さんは知人に“和男がまた金を借りに来た”と連絡しています。富子さんは以前から“和男は金にだらしない”とこぼしており、犯行当日までの富子さんへの借金は24万円だったそうです」
和男はパチンコなどに金をつぎ込み、消費者金融からも借金をしていた。富子さんからは借金できたが、それ以外からまとまった金を借りることができなかったという和男。そこで浮かんだのは、富子さんを殺して現金を奪うという計画だった。富子さん宅を訪ねたのは借金のお願いだけではなく、強盗殺人の下見を兼ねていたとされる。
「その日の午前9時頃、スマホの地図検索機能で富子さんの自宅周辺や遺体遺棄の現場付近を閲覧していた記録が確認されています」
ギャンブルに借金とだらしなさが浮き彫りになった和男。家庭内での素行にも“予兆”はあった。
「知人によると、和男はすぐにカッとなる性格だったそうです。奥さんが、“3人目の子供を歓迎されてない”と周囲に話していたとも報じられています」
強盗殺人と死体遺棄の罪で起訴された和男は「富子さんの自宅にあった現金を盗んだ」「遺体は車で運んだ」と強盗と死体遺棄は認めたものの、「自宅を訪れた際にはすでに亡くなっていた」と殺害については無罪を主張。
しかし、「供述は不自然で信用できない」と一審の判決は無期懲役。最高裁まで争うもすべて棄却された。外面がよかった男の懇願は、誰にも届かなかった。
※年齢は事件当時。
※女性セブン2026年5月7・14日号