
「高齢者も見ているのに、こんな特集を組むなんて」。5月13日、NHK『あさイチ』の放送内容に、ネットではこんな反響が相次いだ。その回のテーマは「老害と呼ばれたくないあなたへ」というもの。タレントの大久保佳代子(55才)が出演し、番組内で複雑な心境をこう明かした。
「若いスタッフに最近の恋愛事情を聞きがち。聞きたいじゃない。彼氏彼女いるの?とか。でも、もしかして踏み込みすぎかなとか……老害なのかなとか、すごく思います」
同じく出演していた作家の村山由佳さん(61才)や、博多華丸(56才)も口々に自身が「老害化」することへの不安を述べたが、なかでも視聴者の反響が大きかったのは司会の安部みちこアナ(48才)の発言だった。
「安部アナは“自分たちは目上に気を使ってきたのに、いまは年下に気を使わなきゃいけないなんて……”と嘆いてみせた。ネットでは共感の声とともに“なぜこちらばかり矯正する必要があるのか”と番組の方向性に疑義を呈するものも見られました」(全国紙文化部記者)
とはいえ、その安部アナもスタジオ入りする前は周囲に怖がられないように笑顔の練習に励んでおり、視聴者からも多数「老害にならないための工夫」が寄せられていた。老害化を憂える気持ちは高齢者のみならず、その手前の大久保をはじめとするミドル世代にまで広がっているようだ。そんな状況について、『「老害の人」にならないコツ』などの著書がある医学博士の平松類氏が分析する。

「いまは老害の定義が広がって、年長者の不快な言動一般を指すようになりました。現代の40〜60代の方が昔より若々しいにもかかわらず、老害と呼ばれることに気を配らなければいけなくなっています」(平松氏・以下同)
こうした世知辛い世相には大久保も「なぜ昭和の価値観を自分で否定しながら過ごす必要があるのか」と釈然としない様子だった。しかし平松氏いわく、老害と呼ばれる人には年代を問わず共通点があるという。
「中高年のかたを見ていると“自分の考えは正しい”と思って相手に接してしまう人が少なくない。たとえば息子夫婦の子育てについて“離乳食は手作りじゃないと”とか“保育園ならここが”などと口を出す。本人は善意のつもりでも、自分の考えを押しつければ誤解を生みかねません」
時代に合わせ、若者の価値観を尊重し、意見を押しつけない。老害の対義語として近年使われる「老益」と認定されるためには、こんな考え方が必要だという。
「経験や知識が豊富でアドバイスをしてくれる先輩は、若者にとってありがたい存在です。若者に正しくそうしたメリットを感じてもらうには、最低限、現代のコンプライアンスに気を配っておく必要があります。たとえば女性だからと義理の娘だけに家事を頼めば、それが争いの火種になりかねない。自分の考えがいまの基準に合っているのか気をつけることができれば、老害と呼ばれることなく年下とつきあえるはずです」
周囲の目にいたずらに怯えていては、気疲れするばかり。配慮する点さえ押さえれば、自ずと老益になれそうだ。
※女性セブン2026年6月4日号