
マッチングアプリ(通称マチアプ)は若い人のもの――そんなイメージは過去のもの。いまや50代以上の登録者数が急増中なのだとか。とはいえ、ロマンス詐欺などのリスクも少なくない。この7月にも、マチアプで知り合った70代男性から現金をだまし取った22才の女が逮捕された。安全に楽しめる攻略法をリアルケースとともにレポートする。
シニアのスマホ普及も影響し、登録者が増加
グーグル検索データでは「マッチングアプリ 50代」の検索数は2023年頃にピークを迎えた後も高い水準を維持し、「60代」は現在も右肩上がりで増加していると、Webメディア『マッチングアプリ大学』編集長の白崎萌さんは言う。さらに、総務省の調査(総務省「令和7年通信利用動向調査」)によると、スマートフォンの保有率は60代で約9.5割、75才以上でも7割を超える。
「スマートフォンを使いこなすシニアが増え、70代のマチアプ利用者も珍しくなくなっています。60代にいたっては、ここ数年で利用者が急増。『アプリで出会う』ことへの抵抗感が少なくなってきた印象です」(白崎さん・以下同)
近年のシニア層は、恋人探しだけでなく、一緒に食事を楽しめる友人がほしい、趣味を共有できる仲間と出会いたい、といった目的で利用する人も少なくない。特に女性は目的が多様化しているという。
「結婚を考えている人、恋人や人生のパートナーがほしい人、休日にランチや旅行を楽しめる友達がほしい人など、目的が多様化しています。離婚を経験した人も多い世代なので、『結婚にはこだわらないけれど、ひとりは寂しい』という人の登録が増えています」
一方、男性は恋愛や再婚を前提に活動しているケースが比較的多く、女性との目的の違いからすれ違いが生まれることもあるという。
「女性が『まずは友達から』と思っていても、男性は恋愛や結婚を期待していることがあります。最初に利用目的をしっかり伝えておくことが、ミスマッチを防ぐポイントになります」
40才、50才以上限定アプリが新たに誕生
こうしたニーズを受け、2023年前後から40才以上、50才以上限定のマチアプが相次いで登場した。たとえば、40才以上限定の「ラス恋」、50才以上限定の「Goens」などで、同世代との出会いに特化したほかにはないサービスが人気を集めている。
「20~40代の若い世代との出会いを期待したいなら大手アプリ、同年代との落ち着いた出会いを求めるなら加入に年齢制限があるアプリといった具合に、目的に合わせてアプリを選ぶことが大切です」
ロマンス詐欺などのトラブルは依然ある
マチアプを利用するうえで気をつけたいのが、詐欺などのトラブルだ。警察庁の統計(2025年)によると、マチアプやSNSを入り口にした「SNS型ロマンス詐欺」の認知件数は年間5645件(被害額約546億円)で、40〜60代の被害が全体の約7割を占める。
「プロフィール写真がAI生成っぽい、日本語の文章がおかしいなど、少しでも違和感を覚えたら無理にやり取りを続けず、運営に通報したり、ブロックしたりすることが大切です」
焦らず相手を見極める姿勢が、安全な出会いへの第一歩になる。
【リスクを減らせ!】安全性はココをチェック!アプリの最新サポート体制
トラブルに遭わないためには、サポート体制のあるマチアプを選ぶことが大切。登録する前にチェックしておきたい4つのポイントを紹介する。
身分証明書の登録
ユーザー登録時に運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きで生年月日が明記された公的証明書の提出で本人確認が行われる。こうした登録システムがあるアプリの方が安心。
通報体制がある
勧誘などの不快なメッセージを受け取った際、運営に通報できるか確認を。
24時間監視体制がある
常に人の目やシステムによる監視体制があると、不適切な会員への対応が迅速に行われ、登録者は安心して利用できる。詐欺などの早期発見にもつながる。
インターネット異性紹介事業届出の有無
マチアプの運営には、「インターネット異性紹介事業届出」が必要。会社やサービスのホームページなどで、届出番号が記載されているかどうかをチェック。
50代以上におすすめのマッチングアプリ7
【ラス恋】
登録できるのは40才以上の独身者のみで、恋活、婚活、再婚活など、幅広い目的で利用されている。同世代が多いので価値観やライフスタイルが近く、真剣な出会いを求める人におすすめ。料金は女性完全無料、男性は月額4500円~。
【アンジュ】
30才以上限定。独自の「好み設定」機能では、人柄や価値観、好きなタイプをもとに相性のよい相手を探せる。休日の過ごし方など細かな条件でも検索できるため、内面を重視した出会いにつながりやすい。料金は女性完全無料、男性は月額3600円〜。
【Omiai(オミアイ)】
累計会員数1000万人以上の大手アプリの中で唯一、「身バレ防止機能」が無料。「マイベスト機能」を使って、プロフィールだけでは見えにくかった、価値観やこだわりをランキング形式で伝えられる。料金は女性基本機能無料、男性は月額4400円〜。
【marrish(マリッシュ)】
再婚活を売りにしているため、離婚経験者におすすめ。「貯蓄額」「好きなブランド」「料理の得意度」など、ほかではあまり見かけない詳細なプロフィール項目が設けられ、価値観を重視したマッチングが可能。料金は女性完全無料、男性は月額3800円〜。
【タップル】
旅行やグルメなど、共通の興味で相手を探せるため、メッセージの話題に困りにくい。「おでかけ機能」を利用すれば、気軽に食事などの約束もできる。さまざまな人との交流を楽しみたい人におすすめ。料金は女性基本機能無料、男性は月額3700円〜。
【Pairs(ペアーズ)】
累計会員数2700万人以上と、国内最大級の会員数を誇る。利用者が多いため都市部はもちろん地方でも出会いのチャンスが豊富。共通の趣味や価値観から相手を探せる機能も充実している。料金は女性基本機能無料、男性は月額4100円〜。
記者もトライ!【Goens(ゴエンズ)】
同世代の友達が探せる50才以上限定の注目アプリ
2022年にサービスを開始した50才以上限定のアプリ「Goens」。マチアプ業界では後発ながら、ミドル・シニア世代という、それまでのマチアプではまだ少なかった市場を取り込み、急成長を遂げている。
「私がこのアプリを立ち上げたのは、母を亡くしてひとり暮らしをしていた60代の父が『この2週間、誰とも話していない。レストランに行っても、おいしいと言い合える人がいないのは寂しい』と言っていたからです」
とは、Goens代表取締役社長の廣澤和也さんだ。
「父は再婚したいわけでも、恋愛をしたいわけでもありませんでした。気軽に食事に行ったり、話し相手になってくれたりする異性の“友達”が欲しかったんです。父のようなミドル・シニア世代は多いのではないかと思いました」(廣澤さん・以下同)
既存のマチアプには、若者が多い。そういった人たちとマッチングするのは荷が重いが、50才以上しかいないなら、比較的気兼ねしないですむメリットもあるという。
女性の友人が見つかるのがほかにはない特徴
Goensの特徴は「コミュニティ機能」と呼ばれるアプリ内SNSで、登録者の何気ない「つぶやき」が見られる。そして何より、同性同士でもマッチングできる点だ。特に女性同士は「女子会」などを開催しているのがコミュニティ機能への投稿でもわかる。実際に登録した本誌記者も、同じ推し活をしている女性とマッチングし、登録して1週間で、女子会開催の約束まで取り付けた。料金は女性完全無料、男性は月額5000円〜。
【実用編】大切なのは「信頼」「自然な笑顔」「人柄」
不特定多数の中から、理想の人とマッチングしやすくするための方法を、「Goens」を例に解説する。
【POINT1】身分証明書を登録して信頼度を高める
詐欺だと思われないためにも、身分証明書の登録はおすすめしたい。「Goens」の場合、身分証明書を登録しなくてもアプリ登録はできるが、公的証明書と顔写真を提出し、本人確認が完了しないと、マッチングした相手とメッセージのやり取りができない。
「本人確認が完了した人のプロフィールには信頼の証として緑色のバッジがつきます」(廣澤さん・以下同)
このバッジがついた相手は比較的信用できるという判断もしやすい。

【POINT2】証明写真風はNG!自然な笑顔の写真を載せる
第一印象を決めるプロフィール用の顔写真。載せないとマッチング率が下がる。
「顔写真は、証明写真のような硬い表情や自撮りより、友人や家族と食事を楽しんでいるときのような自然な笑顔の写真がおすすめ。さらに、旅行先や料理など、趣味や価値観がわかる写真を3〜4枚添えると◎」
「過度な加工やスタンプでの顔隠しは、『写真と実物が違うのかも?』という印象を与えてしまいます」

【POINT3】人柄や好みがわかるようプロフィールを書く
顔写真同様、プロフィール文もマッチングには重要。「Goens」はもちろん、たいていのマチアプにはAIがプロフィール文を作成してくれる機能がある。

「苦手な人はAIで土台の文を作り、具体的な内容を付け加えるのがおすすめ。たとえば『趣味は映画鑑賞』だけでなく、『恋愛コメディーが好きで、最近○○を見ました』などと加えると会話のきっかけが生まれやすくなります」(白崎さん)
定期的に更新するとマッチング率が上がる。
こんな話が出たら要注意!あやしい相手を見抜く極意
マチアプには、詐欺や勧誘、既婚者、体目当てなど、悪質なユーザーが紛れている可能性も。見抜き方を伝授。
会う前からLINEに誘導&アプリの退会をすすめる
「ロマンス詐欺や投資勧誘の場合、恋愛トークをしながらLINEでつながれるように持っていきます。マチアプ内は運営の監視があるため、悪質業者は強制退会させられるのを避けるため、なるべく早くターゲットをLINEなどの外部でやり取りできるシチュエーションに持っていきたい。会う前にLINEを聞かれたら要注意」(白崎さん・以下同)
高収入や職業をアピール
「ハイスペックさを必要以上にアピールする人は、社会的な地位を利用して投資を持ちかけるなど、お金にまつわるトラブルが起こる可能性が」
土日に連絡がとれない
「既婚者は家族と過ごす休日に連絡しづらくなる傾向が」
◆教えてくれたのは:Goens代表取締役社長・廣澤和也さん
2022年に50才以上限定のマッチングアプリ「Goens」を立ち上げ、経営全般を担う。
◆教えてくれたのは:「マッチングアプリ大学」編集長・白崎 萌さん
webマーケ&システム開発の株式会社ネクストレベル所属。マッチングアプリ大学・マリピタ・縁結び大学の3媒体の責任者を務める。著書に『100%理想の彼氏を探せる! マッチングアプリのはじめ方』(秀和システム)。
取材・文/土田由佳
※女性セブン2026年7月30日・8月6日号