美容

パウダー状の歯磨き粉『MASHIRO』が大ヒット、なぜ歯の汚れが落ちやすいのか?

しゃれたパッケージに入っているのは、パウダー状のハミガキ粉。2020年10月に発売され、話題を呼んでいる商品です。昨今では珍しい形状のハミガキ粉は、ペースト状のものに比べ、どんなメリットがあり、どのように開発されたのでしょうか? 開発担当者に聞きました。

ペースト状に比べ水分が少なく、汚れを取り除きやすい。
「WHITE TONE=健康的な歯の白さ」がテーマの『MASHIRO』。
写真2枚

人気急上昇中! “粉”の歯磨き粉

「ハミガキ粉」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはチューブに入ったペースト状のものだろう。が、昔ながらの“粉”のハミガキ粉が、おしゃれな装いで発売され、いま密かに人気を集めている。

2020年10月、『MASHIRO』を発売したのは、大阪市のメーカー・スモカ歯磨だ。歯科医向け製品の開発も手がける同社が、創業当初から販売してきた赤と緑の2種類のブリキ缶が特徴的な『スモカ缶』といえば、見覚えのある読者もいるかもしれない。

◆90年もの歴史ある粉歯磨き粉の現代版が誕生

なにしろ、『スモカ缶』は90年の長きにわたって、リーズナブルな価格で提供されてきたのだから。ところが残念ながら、それらは惜しまれながらも2019年に製造・販売を終了した。そして、それらを現代版にアップデートし、「WHITE TONE=健康的な歯の白さ」をテーマに開発されたものが『MASHIRO』だ。

もともと、パウダーハミガキ粉は、ペースト状に比べ水分が少なく、汚れを取り除きやすい。加えて『MASHIRO』には、主成分となる清掃剤に超微粒なマイクロシリカを採用。砕けやすく細かい成分で、歯の隅々まできれいに磨くことができる。また、ホワイトニング力が高いピロリン酸Caを配合し、コーヒーや紅茶などによる着色汚れや黄ばみにも効果を発揮する。歯科医向け製品を手がけるスモカ歯磨のノウハウがこの製品にも遺憾なく発揮されている。

パウダーに湿り気があるため飛び散りにくい

そんな同社が『MASHIRO』開発にあたって特に工夫したのはパウダーの湿り気を調整することと、パッケージ―特に内蓋(うちぶた)の構造だった。パウダーは細かく軽いため、乾燥した状態だと、蓋を開けただけで飛び散ってしまう。そのため、パウダーに湿潤性を持たせるアクア処方を開発し、飛び散りにくいだけでなく、ハブラシにつきやすくした。

内蓋は、中央に丸い穴が開いており、外蓋を閉めた状態で上下に数回振ると、穴の周りに2~3回分のパウダーが出てくる仕組み。かつてのスモカ缶のように、容器に直接ハブラシを入れずにすみ、衛生面や使い勝手も向上した。 開発後には、クラウドファンディングを利用したマーケティングが行われた。同社がクラウドファンディングを利用するのは今回が初めて。

「より多くの人に注目してもらう方法として思いついたのがクラウドファンディングでした」と担当者は話す。

◆「汚れ落ちがいままでのものと違う」

結果は大成功。目標金額の1360%の408万240円を達成した。実際に使ったユーザーからは、「本格的に発売されたらリピート購入したい」「汚れ落ちがいままで使っていたものとまったく違う」「パウダーでのハミガキは新鮮」という好評の声が集まった。確かな手応えをもとに、10月20日にインターネット上で販売を開始すると、Amazonのホワイトニング部門の新着ランキングで1位を記録したのだった。

かつてスモカ缶を使っていた70~80代のかたからも問い合わせがあるという。『MASHIRO』のヒットをきっかけに、私たちの身近でパウダーハミガキ粉の存在感が増していきそうだ。

◆DATA

かつての『スモカ缶』の製造・販売終了とともに『MASHIRO』の開発がスタートした。
かつての『スモカ缶』の製造・販売終了とともに『MASHIRO』の開発がスタートした。
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パウダーの色とパッケージは清潔感のあるミントグリーン。1個で約100回使用可能。『MASHIRO』(30g・医薬部外品)1800円(税込)。https://www.smoca.jp/

※女性セブン2021年1月28日号
https://josei7.com/

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