趣味・カルチャー

57歳で大学院に入学、麻生れいみさん「いくつになっても勉強は始められる」

50代になると子育てや仕事が落ち着き、新しいことに挑戦したいという思いも芽生える時期ではないでしょうか。そこでおすすめしたいのは、趣味として勉強をすることだと管理栄養士の麻生れいみさん(57歳)は提案します。麻生さんは趣味が天職につながりました。

コロナ禍だからこそ新しい趣味を始められる

新型コロナウイルスの影響で15年ほど続けていたバレエ教室が閉鎖になり、新しい趣味を探していた麻生さんは、勉強に打ち込むことにしたそうです。

麻生れいみさん 入学式の写真
今年4月に東京医療保健大学の大学院に入学
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「きっかけは『いつも回遊魚のように勉強しているね』と友人に言われたこと。低糖質ダイエットで1年で20kgの減量に成功したことで栄養に興味を持って、44歳で栄養士学校に入学。卒業後は管理栄養士の資格を取るために勉強しました。思い返せば、ずっと勉強していたんです。

学生時代は気づかず勉強をあまりしませんでしたが、知的好奇心が満たされることが勉強の最大の魅力です。成長が実感できて向上心が満たされ、解読できなかったことが分かるようになると達成感があります。緊急事態宣言中は外に出られなかったので、資格教材を注文して学んでいました。知識を得ることが目的なので、資格試験は受けません。近頃は学ぶことでストレス発散をしています」(麻生さん・以下同)

大学院に入学。オンラインと通学で学ぶ

勉強好きが高じて、麻生さんは今年4月に東京医療保健大学の大学院に入学しました。

麻生れいみさんの教科書
緊急事態宣言中は資格教材で学んだ
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「医療栄養学の研究にいそしむことにしました。オンラインと通学のハイブリッドで若い人に刺激をもらっています。大学院には購入しがたい医者向けの高価な医学書も置いてあるので、手軽に読めることができて嬉しいです。

大人になるといくら頑張っても報われなかったり、毎日代わり映えのない生活で成長する機会がなかったりしますね。ところが、勉強は学ぶほど知識が増えて達成感があるので、最高の趣味だと思います。自分と向き合う時間にもなるので意識を高められるし、前進している感覚は精神衛生上にもいいですね」

勉強することによって得られるもの

麻生さんは勉強を始めてから人間関係の悩みがさらに減ったと話します。

「忙しいと、くよくよ悩む時間がなくなりますよね。以前は打ち込むものがなくて、暇を持て余していたのかもしれません」

麻生れいみさん
いくつになっても勉強は始められるという麻生さん
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「ずっと勉強し続けたい」

勉強は非常にコスパがいい趣味だと麻生さんは力説します。

「趣味で収入を得られるようになったり、仕事になることだってあります。私の場合も趣味から管理栄養士になり、それは天職だと思っています。趣味を始めたいけれどお金をかけたくない、自分磨きをしたい、仕事に対する考え方やモチベーションをあげたい、老化防止をしたいという人は、勉強を始めるのはいかがでしょうか。

机に向かって参考書を開くのが苦手な人も、ドラマやテレビを流し見しながら、疑問に思ったことをネットで検索するだけで勉強です。知識が増えますよね。

いくつになっても勉強は始められますし、学ぶ姿勢は大切です。私は半世紀生きてきて振り返ると、無駄なことはなかった、すべてはつながっていて人生は無駄がないと思います。私もまだまだ知らないことばかりですから、ずっと勉強し続けたいです」

趣味を持つことで生きがいが増える

暮らしの中で趣味を持つことは、生きがいが増えることだと麻生さんは言います。

「打ち込める趣味をすぐに見つけられなくてもいいんです。私も始めてみて、やめた趣味がたくさんあります。いろいろと試したからこそ、こうやって楽しめる趣味につながりました。お花を見てきれいだなと思ったら、それを写真に撮ってみる。続ければそれも趣味ですね。小さいことでも、幸せを見つけ出せる力が大切です。

そして、趣味をする時間を持てることは幸せだと気付けるはずです。趣味は自分の探求とご褒美です」

◆この人に聞きました:管理栄養士・麻生れいみさん

管理栄養士・麻生れいみさん
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1964年2月9日生まれ。東京都出身。大手出版会社の編集・ライターを経て、管理栄養士に。東京医療保健大学大学院に在籍、医療栄養学研究に勤しむ。ダイエット指導においては、健康的に20kg減量に成功した経験を基に、これまで約6000人以上を指導。食育栄養インストラクター。全国アスリート臨床栄養協会理事、日本健康食栄協会代表。STUDIO ASO主宰。https://ameblo.jp/reimi-aso/

取材・文/小山内麗香

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