コロナ禍で求められるサービスとは? 観光業では三密回避の施策に加え、訪日旅行者から国内旅行者へターゲットを変更するなかで、ユニークな新しいサービスを打ち出しています。
そんなコロナ禍の旅のトレンドや注目サービスを、旅行ジャーナリストの村田和子さんが紹介。今回は、コロナ禍だからこそ人気の「宿サービス」に注目します。
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「客室で温泉を楽しめる」近場の宿が大人気
コロナで厳しい状況が続く旅行業界ですが、そんな中、人気なのが「客室で温泉が楽しめる宿」。「界 仙石原」(https://j7p.jp/68313)、「ふふ奈良」(https://j7p.jp/71540)のように、客室のお風呂が温泉、しかも露天風呂なら最高です。
「温泉でコロナの不安やストレスを解消したい」というニーズは高いのですが、大浴場はちょっと不安という声もまだまだ多くあります。客室の温泉なら、そんな心配をせず、親しいかたと好きなときに好きなだけ温泉が楽しめるとあって人気に。「最近はチェックイン時間が早く、開始とともに宿に入り、ギリギリまで、おこもりステイを楽しまれるかたが多い」(スタッフ談)と言います。
マイクロツーリズムという近場の旅を推奨する動きもあり、有名な観光地でも「県内や近隣からのお客様が圧倒的に多い」(同)というのもコロナ禍ならではの特徴。交通費がかからない分、宿泊料金は高めでも安全・安心にリラックスできる宿を選択する傾向が強いようです。
コロナ禍のニーズを踏まえ、館内やサービスが設計された宿も誕生
今年7月に和歌山県の白浜椿温泉にオープンしたホテル「XYZ スペチアーレ」(https://xyz-speciale.xyz)も、客室露天風呂があるおこもり系宿の一つ。
姉妹館が、コロナ禍でも海を望む露天風呂が客室にあることで好調だったことを受け、昨年6月より構想がスタートし、コロナ禍のニーズを踏まえ館内やサービスの設計がされています。
バルコニーからは隣の客室はもちろん、人工物が一切目に入らず、海と空の絶景を独り占め。まるでクルーズ船で、大海原を航海しているかのような抜群の開放感。温泉露天風呂はそんなバルコニーの一角に配され、日中は大海原を、夜は明かりを消すと、天気がよければ頭上に見事な天の川が広がります。
宿のある和歌山県、白浜の椿温泉は湯治場としても栄えた地。pHが9.9のアルカリ性の湯は、入るとお肌が潤う美肌の湯というのもうれしいですね。
人から機械へ業務がシフト。スマホが客室の鍵になる!?
ロボットが接客をする「変なホテル」(https://www.hennnahotel.com/)に代表されるように、コロナ前から宿のICTサービスはトレンドとなっていました。運営の効率化というのが主目的でしたが、コロナになり、「非接触」が注目を集め、導入が加速しています。
2021年2月には、プリンスホテルの新ブランド「プリンス スマート イン」(https://www.princehotels.co.jp/psi/)の一号店が恵比寿に開業しました。公式アプリから予約すると、スマートフォンが客室の鍵になるという一歩進んだICTサービスを導入しています。フロントの端末に予約時に得たQRコードをかざすだけで、チェックインは完了し、手元のスマホが鍵に早変わりします。
スマートフォンが客室のキー(スマホキー)となり、チェックアウトはフロントに立ち寄る必要はなし。駅に向かって歩きながら、自分のスマホでチェックアウトができるのは驚きです。
客室には、多言語対応のスマートスピーカー「アレクサ」があり、テレビの電源をつけたりYouTubeへアクセスするなどのモニター操作、さらにはホテルや周辺のサービス案内まで担当してくれます。他の施設でも館内や周辺案内にICTを活用したサービスが増えています。