寝付きが悪い、眠りが浅い、寝ても疲れが取れにくくなった…。年齢とともにそんな悩みを抱えていませんか？ 骨盤矯正パーソナルトレーナー・整体師としてこれまで1万2000人以上を指導してきたNaokoさんのもとに来る生徒の中には、睡眠に悩む女性がかなりいるそう。そこで、Naokoさんの著書『下腹ぽっこり解消ダイエット』（宝島社）から、快眠に効果が期待できるセルフ整体を紹介。Naokoさんから正しく行うコツも教えてもらいました。
＊ ＊ ＊
仰向けで眠れない悩みのワケ
生徒さんの中に多い悩みが、睡眠に関すること。実は睡眠が浅くなる原因は、寝るときの姿勢にあります。仰向けだと眠りづらいと感じていませんか？ けれど、睡眠導入時の正しい姿勢は仰向けなんです。
なぜ仰向けで寝るのが正しい？
仰向けで眠れない、ということは快眠の状態で寝付くことができない、ということにつながります。仰向けでリラックスして眠れないのは、圧が背中の一部にだけかかっていて、全体に分散されていない状態だからなんです。
つまり、背中の筋肉が、緊張している部分とゆるんでいる部分に極端に分かれてしまっているということ。なので、寝ているときの背中の圧が全体にまんべんなく分散されれば、肩に入りすぎている力や腰への負担が減るはず。そうすれば呼吸も深くなり、快眠できるようになるんです。
うつ伏せでないと眠れない…は危険信号！
仰向けで眠れないと悩む人の中でも、特にうつ伏せでないと眠れないという人はかなり筋力面でもアンバランスになっていたり、衰えていると思われます。寝ているときに寝返りを打ってうつ伏せになるぶんにはかまいませんが、睡眠中にずっとうつ伏せの人は、背骨の重さが内臓や肺にかかってしまって、呼吸がしにくくなり、朝起きたときにかなりしんどいはずです。
だから、背骨の筋力で内臓の重さを支えている状態の仰向けで寝るのが、一番体にとって負担のない、よい姿勢なんです。
深い睡眠を手に入れる「快眠セルフ整体」にチャレンジ
そこで、まずは寝る前にゆっくりと呼吸をして背筋を伸ばし、背中にかかる圧を分散させる快眠セルフ整体で、リラックスした寝姿勢へと体を導きましょう。
行うのはお風呂に入って体がほぐれた後や、寝る前がおすすめ。背中の緊張がほぐれますし、この動きは寝ながらできるので、動いた後にそのまま気持ちよく寝てしまった、という生徒さんの声もよく聞きますよ。リラックスできるところであれば、床にヨガマットを敷いて行っても、ベッドで行ってもOKです。
また、息を吐いて背中をほぐすと、体がリラックスした状態になる副交感神経に切り替わり、入眠がスムーズになります。睡眠の質が上がると、食欲を促進させるホルモンの分泌も抑えられるので、一石二鳥のエクササイズですよ。
快眠セルフ整体のやり方
【1】リラックスして仰向けになり、右腕を上、左腕を横に広げます。頭の後ろと背中は床につけて、肩は上がらないように注意。お腹は床を押すように力を入れましょう。
【2】息を吐きながら、体を「C」の文字にするイメージで、上半身と両脚を左に曲げ、体の右側の体側を伸ばします。かかとは床につけたままスライドし、両脚はそろえておきましょう。その姿勢を1分間キープしながら、3～5回大きく呼吸してください。
【3】【1】～【2】を、左右を入れ替えて同様に行いましょう。
動くときのポイントは？
右手を上げて左側に伸ばしたとき、右側の骨盤が浮きがちなんです。けれどここで腹圧をかけて、右側の骨盤が浮かないように意識することが大切なポイント。吐く息でお腹を押し込むようなイメージですると、きちんと腹圧がかかり反りすぎた腰をなめらかにしたり、過緊張になっている筋肉を伸ばすことができるので、動くときに意識してください。
きちんとポイントを押さえて行えば、いつのまにか腰がラクになっていたり、肩の力も自然と抜けやすくなったりします。寝ているときだけでなく、普段の姿勢もラクになりますよ。
◆教えてくれたのは：骨盤矯正パーソナルトレーナー・Naokoさん
骨盤矯正パーソナルトレーナー。NaokoBodyworks（http://www.naokobodyworks.com/）代表。20代の頃より、肥満をはじめ、肩こり、腰痛、外反母趾など多くの不調に悩まされ、ボディメンテナンスの分野に深く興味を持つ。出産を機にヨガ、ピラティス、整体、エステ手技などを学び、独自のメソッドを開発し、12kgの減量に成功。現在は3人の子供の育児をしながら、1万2000人以上の女性にボディメイクやメンタルケアを行うほか、後継者の育成指導や企業とのタイアップ商品の開発を手がけるなど広く活動中。
https://www.instagram.com/naokobodyworks/
https://www.youtube.com/channel/UCVNfiUMq5MsbNW6AQJDaxJA
TJMOOK『下腹ぽっこり解消ダイエット』（宝島社）
撮影／堂崎正博、構成／イワイユウ