この年末年始は、久しぶりに帰省や旅先で過ごす計画をしている人も多いようです。そこで、「暦の関係からお休みも短く、交通機関の混雑が心配」という旅行ジャーナリストの村田和子さんに、新幹線など鉄道を中心に、今からできる密を避けお得に移動するノウハウを解説してもらいました。（※本記事は12月13日現在の状況をもとに解説しています。最新の状況はご自身で確認してください）
この年末年始は6連休。休みが短く移動が集中する傾向に
コロナで「交通機関はガラガラ」という状況は、10月の緊急事態宣言の解除を機に変わりつつあります。混雑する日には満席となる新幹線も出てくるほどなので、年末年始に移動されるかたはしっかりと情報収集されることをおすすめします。
年末年始の交通機関の混雑は、暦に大きく左右されますが、今回は2021年12月29日（水）～2022年1月3日（月）の6連休が基本となります。お休みが短く土日とつなげることも難しい日並びで、例年、移動が集中する傾向にあります。
加えて昨年は、コロナ拡大で帰省や旅行を控えたかたも多く、久しぶりに「帰省」や「旅行」への動きも想定され、コロナ前まではいかずとも交通機関の混雑が予想されます。
新幹線の予約状況をみると、下り29日・30日、上り2日・3日がピーク
JRサイバーステーション(https://www.jr.cyberstation.ne.jp/index.html）で新幹線の予約状況をみたところ、下りの12月29日、30日、上りの1月2日、3日は、日中の良い時間帯を中心に満席となっている状況です（12月13日現在）。
例えば東海道・山陽新幹線の東京-博多間では、グリーン車、および早朝や終電に近い列車には空席がありますが、日中の時間帯の普通車は、ほぼ満席。東北新幹線の東京-新青森間については、日中はグリーン車も満席が多く、早朝や終電間際の一部列車にわずかに空席がみつけられる程度です。利用を予定しているかたは早めに状況を確認し、手配されるといいでしょう。
今から予約をするならピークを避ける！早めに帰省もおすすめ
今から予約をするなら、ピークから日にちや時間をずらすことが重要です。具体的には大晦日（12月31日）と元日（1月1日）は移動する人は少なく例年新幹線も空いています。
「早めに帰省して年内に戻る」「新年の挨拶をしたら元日に戻る」なども検討するといいでしょう。時間帯については、年末は遅い時間帯、年始は早朝の時間帯が、比較的穴場で空席がみつけられることが多くあります。
また、毎年各JRでは予約状況を12月半ばに発表します。その際に混雑が見込まれる日時には列車の増発が発表されることもあるので、チェックされるといいでしょう。
他にも、年末年始にこだわらないなら、お得なきっぷを活用して密を避けたクリスマス帰省や旅行を楽しむのもいいのでは？
JR西日本では、JR西日本全線と智頭急行線の自由席（新幹線・特急・普通列車）とJR西日本宮島フェリーが乗り放題となる「どこでもきっぷ」を発売。普通車指定席も6回まで利用でき、3日有効で大人2万2000円、こども1万1000円とお得です。ただし利用は2021年12月26日まで、発売は利用開始の7日前までとなっており、ご利用のかたはお急ぎください。
※他にも2日間用のきっぷやエリアが関西のみのきっぷもあります。
https://www.jr-odekake.net/navi/dokodemo-kippu/
子ども連れで新幹線を利用するならファミリー向けサービスもチェック
東海と山陽新幹線について解説します。
東海道新幹線
JR東海ツアーズで発売中の「東海道新幹線～お子さま連れ専用車両」は、一両まるごとお子さま連れ。コロナになり公の場では静かに過ごすことが推奨される中でも、お子さま連れ同士なら気持ちが楽というかたも多いのでは？ 年末年始は「のぞみ」も対象に（※ただし混雑日はすでに完売）。詳細・予約はホームページでご確認ください。
https://recommend.jr-central.co.jp/oyakotabi/fs/
乗車期間が2021年12月19日（日）までと期間が迫っていますが、「エクスプレス予約」個人会員または「スマートEX」会員を対象に、大人と一緒に子どものきっぷを購入することで、子ども料金が返金される「お子様実質無料のキャンペーン」も実施中。対象は「のぞみ」の普通車指定席およびグリーン車で、発駅によって対象の区間が設定されています。
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041579.pdf
山陽新幹線・北陸線
JR西日本では、山陽新幹線および北陸線（一部北陸新幹線）の一部区間で子どもが一律1000円となる「冬休み『お子様 1000 円！』ファミリーきっぷ」を発売しています。
乗車期間は2021 年 12 月20 日（月）～2022年1月10 日（月）（※発売は2022 年1月3日〈月〉まで）
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211125_02_familyticket.pdf
その他の状況は？車は渋滞に注意。飛行機の予約はまだ間に合う!?
コロナ禍で自動車での移動が増加傾向にあり、渋滞が懸念されます。NEXCO各社ではコロナの影響を理由に高速道路の混雑予測を中止しています。最新の渋滞情報はアイハイウェイ(https://ihighway.jp/pcsite/）で提供されていますので、様子をみながら臨機応変に対応をしましょう。また高速道路の休日割引については、2022年1月1日（土）～1月3日（月）までは全国的に対象外となります。ご留意ください。
他にも、宿泊施設からは、駐車場の確保が大変という声も上がっています。お車で泊まる場合は必ず宿へ連絡をしておくのもお忘れなく。
飛行機については、年末年始はまだ時間等を融通すれば予約ができる状況です。ただし利用状況や冬場は天候による欠航などもありえますので、予約後も運行状況には注意を払いましょう。
感染対策を十分にしながらお出かけくださいね。
◆教えてくれたのは：旅行ジャーナリスト・村田和子さん
旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド（R）」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ（日本実業出版社・2018）」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年よりNHKラジオ『Nらじ』月一レギュラー。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/）。旅ブログも行っている（http://www.murata-kazuko.com/）。
●近場の旅が最大7000円お得に！今利用したい「県民割」の活用法と注意点を解説