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ドラム式洗濯乾燥機、ヒーター式とヒートポンプ式どっちがいい? 電気代が3倍違うことも

日立グローバルライフソリューションズ『ドラム式洗濯乾燥機 BD-NX120GL』の旧型が洗面台の横にあり、観葉植物がある窓辺
ドラム式の「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」、どちらがいいのか?(写真は”ヒーター式”の日立グローバルライフソリューションズのドラム式洗濯乾燥機)※BD-NX120F、2020年度モデル
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洗濯から乾燥までを自動で行い、干す手間がかからない利便性が人気のドラム式洗濯乾燥機。花粉症や排気ガスなどへの対策で洗濯物を外に干せない人、そもそも外に干したり取り込んだりするのが面倒な人にとって必要不可欠な家電となっています。では、ドラム式洗濯乾燥機はどのように選ぶとよいのでしょうか。ドラム式洗濯乾燥機の乾燥方式の基礎知識から「乾燥」機能に焦点を当てた選び方まで、家電ライターの田中真紀子さんに指南していただきました。

ヒーター式とヒートポンプ式、それぞれのメリット・デメリット

乾燥方式には大別して2種類。ヒーターを使う「ヒーター式」と、ヒーターを使わない「ヒートポンプ式」があります。それぞれのメリット、デメリットは何でしょうか。

「まずヒーター式は、ドライヤーのように温風を吹き出して洗濯物を乾燥させるもので、一部のドラム式のほか、縦型洗濯乾燥機で採用されている方式です。高温風を使うため、衣類が縮んだり傷んだりする可能性があるほか、電気代がヒートポンプ式の3倍近くになる場合もあります。

メリットとしては、本体価格を抑えたものが多い点、そして高温のヒーターによる除菌効果が期待できる点があります。乾燥機能は日常的には使わないけれど、明日までに乾かしたい衣類がある、雨続きで洗濯物が溜まってしまったなど、たまに乾燥機能も使いたいような人には、こちらで事足りるかもしれません」(田中さん・以下同)

本体価格や電気代はどう違うのか?

「ヒートポンプ式は、多くのメーカーがドラム式洗濯乾燥機の上位モデルに採用している乾燥方式。基本的にはヒーターを使わず、空気中の熱を集めて発生させた温風で乾かすため、乾燥時の電気代が抑えられます。また温風も60~65℃とヒーター式に比べて低温のため、衣類が傷んだり、縮んだりしにくいメリットも。

一方で本体価格が高くなるデメリットもありますが、毎回洗濯から乾燥まで行う人はヒートポンプ式を選んだほうが結果的に経済的です」

本体価格の安さや除菌効果を選ぶか、毎月の電気代の安さや衣類の持ちの良さを選ぶか。こうした乾燥方式の違いのほか、以下の乾燥性能もチェックポイントです。

乾きやすさ、スピード、仕上がりが格段にUP

10年くらい前にドラム式洗濯乾燥機を買った人の中には、衣類の乾きが悪く、何度も乾燥させてやっと乾いたという経験を持つ人もいるでしょう。ところが今は、乾燥機能自体の性能が高くなってきていると言います。

「ドラム式洗濯乾燥機の乾燥性能は、まだまだ改良の余地はあるとはいえ、ここ数年で格段に改良されました。まず本体サイズはそのままに、ドラム槽を大きくすることで洗濯物をダイナミックに動かしやすくする、大量の風を当てる、除湿性能を高める、といった進化があります。そのため、乾燥時間を短縮しつつ、シワ伸ばし性能を高めているモデルが多い。

例えば東芝ライフスタイルは、洗濯・乾燥(7kg)まで約97分、日立グローバルソリューションズも同99分のモデルが登場しています。

特に乾燥機のメリットを感じられるのが、タオル乾燥。多くのモデルで、天日干しよりふんわり仕上がります。

逆に潔いと思うのが、『80%』乾燥させるというアイリスオーヤマのドラム式洗濯乾燥機。最後まで完全に乾かさず、あとはハンガー干しすることで、手間は軽減されないものの乾燥時間は大幅に短縮され、乾燥時に起こりがちなシワを回避するという斬新な発想です」

中でも特に乾燥機能が優れているのは、下記2点だと言います。いずれも洗濯容量12kgと大容量モデルです。