冬の“おこもり”生活にあるとうれしいのが、コーヒーメーカーなど手軽にホットドリンクを作れるマシン。最近ではさまざまな機能を搭載したものも増えています。ただ、コーヒー粉を買い続けるとなると、本体代に加え、コストがかかります。家電ライターの田中真紀子さんが、こうしたマシンの最新事情とコスパについて教えてくれました。
コーヒーメーカーはカプセル式が手軽でおすすめ
まず、コーヒーメーカーとひと口に言ってもさまざまな種類があります。今どのようなタイプが人気なのでしょうか。
カプセル式は、より新鮮な風味が味わえる
「数ある種類の中、手軽に淹れたての味を楽しみたいなら、やはり毎回カプセルを入れて使うタイプのコーヒーメーカーがおすすめ。カプセルには挽いてすぐ密封したコーヒー粉がはいっているので、酸化が進んでいない新鮮な風味が味わえます。本体自体は1万円台で購入できるものが多いですが、別途専用のコーヒーカプセルが必要で、定期的に買い続けることになります」(田中さん・以下同)
自宅で挽きたてのコーヒーを飲む方が断然お得!
ではコスパで考えると、都度、外から飲み物を買ってくるのと、自宅でカプセル式コーヒーメーカーを使って挽きたてのコーヒーを飲むのとでは、どちらがお得なのでしょうか?
「どのカプセルを選ぶかによって単価も変わってきますが、1カプセルあたり60~150円程度が相場です。コンビニで買うコーヒーと比べても安い場合が多いうえ、豆から栽培したコーヒーやカフェとコラボしてカフェの味を再現したカプセルも150円前後で購入でき、カフェで買うより安く飲めます。飲む頻度にもよりますが、本体代もいずれペイできると思いますので、テレワークなどで家にいる時間が長いならおすすめ。
紅茶や緑茶のカプセルを用意している機種もあります」
1万円台のカプセル式コーヒーメーカーを使う方が8万円以上お得
実際、コーヒーメーカーを使う方がどのくらいお得になるのか、計算してみましょう。
例えば有名コーヒーチェーン店のドリップコーヒーをショートサイズ(240ml)で買うと350円。1年365日1杯ずつ飲むと12万7750円です。
一方、12杯入り1000円のカプセル(1杯230ml)を買って自宅で飲むと、1カプセル(1杯)83円。1年間365日1杯ずつ飲んでも3万295円。仮に1万円でカプセル式コーヒーメーカーを買ったとしても4万295円で、1年も経たず元が取れる計算です。
もちろんカフェで専門スタッフが淹れるコーヒーとはクオリティが違うかもしれませんが、費用だけで見れば8万7455円もお得。1日2杯以上消費する家庭ならなおさら“買い”です。
お茶挽き器でお茶を飲むメリットとは?
一方、日本茶好きの人には電動お茶挽き器を使うという選択肢も。
「緑茶や玄米茶などの日本茶は急須で淹れる方も多いですが、コーヒーメーカーがグラインダーで豆を挽くように、電動で茶葉を挽いてお茶の味を抽出する機器もあります。
ただ、電動お茶挽き器は、専用で用意しているモデルは少なくなってきました。代わりにミキサーのアタッチメントとして緑茶が挽けるよう、ミルが付属しているものが増えています。グラインダーで緑茶が挽けるものもあります。相場としては、5000~1万円前後が多いです」
カテキンやビタミンCなど、茶葉の栄養を丸ごと摂れる
急須でお茶を淹れる手軽さやおいしさを上回るメリットがあるのか、気になるところですが…。
「お茶挽き器のメリットとして、粉末にした茶葉をお湯に溶かすため、茶葉の栄養を丸ごと摂取できる点、茶殻が出ないので無駄がない、という点が挙げられます。コスパについては、急須で1杯の緑茶を飲むのに必要な茶葉の量は3~4gであるのに対し、電動お茶挽き器で使う粉末茶は0.5g程度ですので、およそ6分の1。よい茶葉を使えば使うほど、コスパの差が開いてきます」
こちらも計算してみると、例えば50g1000円の上煎茶(1gあたり20円)を1杯4g、急須に茶葉を入れて飲む場合、4g×20円で80円。対して、電動お茶挽き器で粉末茶にして飲む場合、1杯0.5g×20円=10円と、8倍もの差があります。
年間にならすと、急須でお茶を淹れる場合1杯4g80円×365日=2万9200円。他方1万円の電動お茶挽き器を買って1杯10円を365日飲めば、本体代込みで1万3650円と、やはりお茶挽き器を買った方が遥かにお得な計算です。
仮に、急須に入れた茶葉を捨てずに3~4杯繰り返し飲んだとしても、お得さ、栄養面ともに電動お茶挽き器の方に軍配が上がります。
では、実際どんなモデルがあるのでしょうか? 田中さんが今注目のカプセル式コーヒーメーカーと電動お茶挽き器を教えてもらいました。