
4月も終盤にはいり、いよいよ大型連休に。お休みの日は、自宅でおいしいお茶を飲んで疲れを癒したいですね。そんなとき、ボタン1つでお湯をあっという間に適温にしてくれる電気ケトルが1台あると便利ですよね。この電気ケトルが今、機能が進化し、種類も多様化しているそうです。家電ライターの田中真紀子さんに、電気ケトルの種類と選び方を教えてもらいました。
使いたいときに使いたい分だけ沸かせる手軽さが魅力
そもそも、電気ケトルとは、どのような家電製品なのでしょうか。
「電気ケトルはガスを使わず電気でお湯が沸かせる調理家電のひとつです。電源があれば好きな場所で使えて、コーヒー1杯分のお湯なら1分以内と短時間で沸かせます。またケトルにお水を入れれば、スイッチを入れるだけでお湯が沸くので、つきっきりにならなくてもいいのも気軽です。
形状で言えば、従来の電気ポットをイメージする人も多いですが、今は小型の電気ケトルも増えてきています。近年は1~2人世帯が増えていることもあり、大量に沸かしておいておくより、使いたいときに使いたい分だけ沸かせる利便性が支持されるようになったからでしょう」(田中さん・以下同)
電気ケトルを選ぶ際の注意点
では、電気ケトルはどう選ぶとよいでしょうか。
「最近の電気ケトルは、いずれも湯が沸くまでの時間に大きな差異はありません。そこでチェックすべきは、まず容量。少ないもので0.6L前後、多いものでは1.2L程度ありますが、必要量は家族の人数や用途によって異なります。少なすぎると何度も沸かすことになり、大きいものは小回りが効きにくく、コーヒーカップに注ぎにくいなどのデメリットも。また保温機能(1~2時間)がついていれば、沸かし直す必要がありませんし、そもそも湯が冷めにくい魔法瓶構造のタイプもあります。
小さいお子さんがいるなど安全性が気になる方は、熱い蒸気が出にくい蒸気レスタイプ、転倒してもお湯がこぼれない転倒漏れ防止タイプ、常に清潔に保ちたい人は丸洗いできるタイプがいいでしょう」
便利な温度調節機能
また、用途別に電気ケトルを選ぶのもおすすめです。

「まず、何に使うにしてもあると便利なのが、温度調節機能。以前は100℃に沸騰させるだけでしたが、最近は40℃~100℃の間で温度が選べるものも増えています。朝起きて白湯を飲みたいなら40℃、煎茶を入れたいなら70~80℃など、適温はそれぞれ異なるため、飲み物ごとに温度が選べるのは便利です。
デザインがスタイリッシュなコーヒーケトル型の電気ケトルも増えました。注ぎ口が細くて長いため、コーヒーをゆっくりドリップするのに向いています。一方で普段使いには、手早くお湯を入れられる、注ぎ口が広くて短いタイプがおすすめです。
また最近は、小型鍋のような形で、湯沸かしにも鍋にも使えるタイプも登場。丸洗いできるため、インスタントラーメンや一人鍋の際に便利だと注目を集めています」
田中さんのおすすめは、下記の3つです。
【1】 ティファール『カフェ コントロール 1.0L』
おいしいコーヒーを飲みたい人にまずおすすめなのが、こちら。

日本に電気ケトルの利便性を広めたパイオニア、ティファールの最新モデルです。
注ぎ口と温度にこだわりあり!コーヒー好きにおすすめ

「コーヒードリップに適したモデルで、コーヒー粉の上に少しずつゆっくりとお湯を注げるよう、工夫を凝らしています。注ぎ口は、決まった分量だけ注ぎやすい細い形状。注ぎ口の先端は、湯切れのよい角度なのも特徴的です。そしてコーヒー温度は40・60・70・80・85・90・95・100℃での8段階で設定でき、1時間の保温も可能。黒いステンレスボディを採用したスタイリッシュなデザインも魅力です。湯温にこだわりながら、ドリップコーヒーを楽しみたい人に」
【2】タイガー魔法瓶『蒸気レス電気ケトル(温度調節機能つき)PTQ-A100』
本体の転倒や蒸気などによるやけどが心配な人は、安全性に配慮された『蒸気レス電気ケトル(温度調節機能つき)PTQ-A100』がおすすめ。

ペットや高齢者がいる家庭でも安心して使える
「魔法瓶と電気ポットの老舗メーカー、タイガー魔法瓶の電気ケトルPTQ-A100は、きめ細かな使いやすさと、やけどなどを防ぐ安全性が人気。例えば、湯沸かし中に出る蒸気は触れるとやけどするほど熱いですが、蒸気レス機能があるので、安心です。
ケトルが倒れてもお湯もれを最小限に防ぐ機能やふたが開かないようロックがかかる機能も、ペットや小さいお子さんがいるご家庭では心強いでしょう。他にも、カラだき防止、沸騰すると電源が自動的に切れる機能など、7つの安全機能を搭載しており、どんなご家庭でも安心して使えます」

もちろん、湯沸かしと保温の機能も申し分なし。
「1杯分のお湯(約140ml)が業界最速クラスの約45秒で沸騰。本体二重構造により保温能力が高いだけでなく、湯を沸かした後に設定温度を下回ったときは、設定温度まで戻した上で約5分間はヒーターで保温を行ってくれます(※)。50~100の6段階で温度調節ができるのも、飲み物にこだわりたい人にはありがたいですね」
※ダイヤル式温度調節スイッチを50~90の数値に設定したときのみ働く補助機能です。
【3】アイリスオーヤマ『クッキングケトル』
飲み物のほか、「ひとり鍋」やインスタント麺作りなど幅広く活用したい人は、こちらに注目を。

ちょっとした調理にも使える電気ケトル
「間口が広く、調理にも適したクッキングケトルです。湯沸かし機能では、40℃~100℃の10℃刻みで温度が設定でき、よく使う100℃の沸騰はワンボタンで設定できます。小さい鍋として使えるほか、40~70℃は4時間、80~100℃は30分まで設定できるため低温調理も可能。
使用頻度の高い『鍋』『サラダチキン』『インスタント麺』『炊飯』『煮込み』の5つのメニューは自動メニューとして用意されています。1人分のランチを用意したいときとき、料理中にもう1品作りたい時、ほったらかしで料理を済ませたいときなどに活用でき、少人数世帯はもちろん、ファミリー世帯のプラスワンアイテムとしても、もっておくと便利です」



一口に電気ケトルといっても、コーヒーに、何杯もおかわりしたいお茶に、あるいはひとりラーメンなどなど、目的に合わせて選べるほど多様化してきていることがわかりました。あなたはどれを選ぶ?
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://makiko-beautifullife.com
取材・文/桜田容子
●時短調理にも活躍!「1台7役」など進化した「ミキサー」、専門家おすすめの3選