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50代からの靴選び 72歳ドラマスタイリストが教えるポイントとコーデ

ドラマスタイリストの西ゆり子さん
ドラマスタイリストの西ゆり子さん
写真9枚

『あさイチ』(NHK)への出演時に履いていた赤いパンプスが話題になったのをきっかけに、シューズブランド「VEGE」とのコラボアイテムを発表したドラマスタイリストの西ゆり子さん(72歳)。「スタイリストの視点で、大人女性のスタイリングをイメージしながら、『着ることをもっと楽しくする靴』をプロデュースしました」と語る西さんによると、おしゃれ迷子になりがちな50代を迎えたときこそがテンションを上げてファッションを楽しむチャンス。そこで、50代ならではの靴の選び方について教えてもらいました。

50代がおしゃれ迷子になる理由

子育てが手を離れたり、定年が見えてきたりするなどライフスタイルが変わる人の多い50代は第二の人生のスタートとも言われますが、西さんによると、それがおしゃれ迷子になりやすい理由なのだそうです。

棚に並んだ靴
西さんと「VEGE」のコラボアイテム
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「なぜ50代で迷ってしまうかというと、母や妻という役割を一生懸命にこなしてきたり、またキャリアウーマンとしてそつがなくやることを優先したり、自分を二の次にして“お行儀よく”してきた人たちが、『このままでいいのかしら』とふと振り返るときだからです。人生にもファッションにも迷ってしまうんですね。でも、それが第二章の始まりで、新しい自分になれるチャンスだから、落ち込まないでほしい。これからの自分がどんな服を着て、どんな靴を選ぶか、それを楽しむことでまた人生が楽しくなりますよ」(西さん・以下同)

斜め上を見上げる西さん
50歳からのおしゃれについて語る西さん
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50代こそ選ぶべき靴のポイント

西さんがファッションを選ぶ時に一番大事にしてほしいと語るのは、それを身につけたときに自分が“ときめくかどうか”だといいます。

「まだ50歳なのにときめかないと、その先もときめくことができないでしょう? 人生まだまだ長いのに、ときめきがないなんて大変よ。でも、今から20年ときめいたら、70歳の時にはもっと楽しくなっているってわけ。50歳以降は無難なものとか着回しがきく便利なものではなくて、自分は何が好きなのか、どれが好きなのかを考えて、好きなものだけ選ぶのがいいと私は思う」

スニーカーを持つ西さん
「ラインとギザギザしているソールがかわいくない? そこにときめいちゃった」と西さん
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ニコニコと語る西さんからは、まさに、ときめくものを身につけ、楽しい70代を迎えていることが伝わってきます。

自分の好きな色を選ぶ

周りを気にして優等生なファッションを選んできたという人は、色やデザインなど本当に好きなものを我慢してきたこともあるのではないでしょうか。しかし、いきなり服を変えるのはむずかしいもの。そこで、自分らしいファッションに挑戦しようと思ったときに、取り入れやすいのが“靴”なのです。西さんは「足元は自分の視界には入りませんから、慣れない色でもあまり気になりません。まずは、好きな色の靴を履いてみませんか」と言います。

とくに近年は、バーガンディやラベンダーといった、赤やピンク系のカラーが流行っているとのこと。

ラベンダーカラーのサンダル
流行のラベンダーカラーのサンダル
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「ラベンダーは結構どなたも似合います。50代以上のかたも、ぜひ履いてみてください」と西さん。本当はピンク系のカラーが好きだけど今まで選んでこなかったという人の入門編や、まずは足元からカラーアイテムを、と考えている人にぴったりのカラーといえそうです。

並んだサンダル
「Pochi(ポチ)」( 2万350円)※3月21日発売
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また、好きな色を取り入れるポイントとしては、中敷の色で遊ぶというのもひとつ。洋服には選びづらいビタミンカラーも、中敷なら取り入れやすいはずです。

「中敷の色がカラフルだと、靴はそんなに主張しなくても、脱いだときにおしゃれな感じがするでしょう。明るい色で気分がフッと上がりますよ」

履きやすさ、機能性を重視

「20代、30代は足が痛くても我慢して靴を履くけれど、50代になったらダメ」と西さん。

「これからは何が大事かっていうと、快適さ。おしゃれは我慢ではありません。心地よくないもの、機能性に富まないものは、洋服でも靴でも捨てていい。50歳って、その取捨選択をするタイミングでもあるわけなの」

足にフィットすることはもちろん、履いたときのヒールの返りがいいものや滑りづらいものを選ぶことで、歩行中の転倒のリスクも減らすことができるそうです。

スニーカーのヒールを見ている
クッション性と履き心地、グリップ性を兼ね備えたビブラムソールを使用した「Cheerio(チェリオ)」(1万9800円)※3月21日発売
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例えば「VEGE」では、クッション性と履き心地、グリップ性を兼ね備えている登山メーカー「ビブラム」のソールを使用しているそうです。見た目のよさだけでなく、使っている素材もチェックしてみましょう。

スタイルアップには厚底ヒール

安全性や履きやすさを考えるとピンヒールの靴は敬遠しがちになりますが、とはいえ、フラットシューズは疲れやすいし、スタイルアップが叶わないという悩みも…。そこでおすすめなのが、安定した履き心地かつスタイルアップもできる厚底ヒールなのだそうです。

笑顔の西さん
「履いたら“意外!”って思うくらい履きやすい。プラットフォームになっていて砂に埋もれないから、葉山のビーチに遊びに行くときに活躍してくれそう」
写真9枚

ソールにボリュームがあると一見、靴の存在感が強すぎるように感じますが、履いてみると意外と主張しすぎず、洋服にマッチするとのこと。ファッション性もあってスタイルもよく見えるそうです。

「私は冷え性だから夏でもサンダルにソックスを合わせますが、素足が好きな人は裸足でもいいと思うし、ファッションに合わせて遊んでみるといいですよ」

◆スタイリスト・西ゆり子さん

ドラマスタイリストの西ゆり子さん
ドラマスタイリストの西ゆり子さん
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にし・ゆりこ。スタイリスト。テレビ番組におけるスタイリストの草分け的存在で、ドラマスタイリストとしてテレビドラマと映画およそ200作品を手がける。2019年度「日本女性放送者懇談会50周年特別賞」受賞。現在は、一般個人向けに「CoCo Styling Lesson」や、無料でスタイリングの知識を得られる「着る学校」(https://www.stylingschool.org)というコミュニティも展開。近著に『ドラマスタイリスト西ゆり子の 服を変えれば、人生が変わる』(主婦と生活社)。https://www.vege-official.com/

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