
「金沢は、女性の好きなものがぎゅっと詰まった街」というのは、旅行ジャーナリストの村田和子さん。北陸新幹線が石川県・金沢に開業して8年、外国人観光客にも人気の観光地「金沢」の今行きたいニュースポットや穴場の魅力を紹介します。
* * *
歴史、文化、アート、そしておいしいものとの出会いが楽しめる金沢は大好きな旅先の一つです。比較的コンパクトな中に見どころが多く、観光地にはバスが運行し本数も十分にあるなど、個人で旅するのにはもってこい。1人で、あるいは友達と、いろいろな旅のスタイルが楽しめます。今回は先日訪れた金沢旅から、おすすめホテルや穴場スポットをリポートします。
ホテルが続々!「OMO5 金沢片町 by 星野リゾート」も開業
金沢に到着すると、ホテルの多さに驚きます。コロナ禍にも続々ホテルが開業しており、宿選びも楽しみのひとつになりそうです。 そんな中、ちょっとユニークなこだわりを持つ宿が、昨春開業した「OMO5 金沢片町 by 星野リゾート」。

OMO(おも)のコンセプトは、「テンション上がる『街ナカ』



金沢の老舗監修の「体験」でご近所を楽しむ
ユニークなのが、ホテルから徒歩圏内の街を深堀りする「Go‐KINJO(ごーきんじょ)」という、体験や案内などのサービス。例えば館内のラウンジで夕方に催されるのが、「いいじな棒茶の飲み比べ体験」です。
「いいじな」とは、金沢の方言で「素敵な」の意味。老舗茶店「野田屋茶店」が監修したプログラムでは、お茶の歴史やおいしい淹れ方などのレクチャーを受けながら、色や香りの異なる淹れたてのお茶の飲み比べが楽しめます。(宿泊者は無料)


「生らくがん作り体験」は、老舗和菓子店「落雁 諸江屋」が監修したプログラム。見るのとやるのとでは大違いで結構難しいのですが、型がきれいに抜けたときの達成感は格別です。出来上がった「生らくがん」は、棒茶とともにカフェで食します。

金沢21世紀美術館は、ガイドの案内付きで楽しみ倍増
また私のイチオシは、朝に開催される「金沢21世紀美術館お散歩ツアー」。金沢21世紀美術館の無料エリアを舞台に、作品や建物の裏話や歴史、穴場なスポットなどをご近所ガイド「OMOレンジャー」が案内してくれます。私は金沢21世紀美術館へは何度も訪れていますが発見が多く、初めてのかたはもちろん、リピーターのかたにもおすすめです。(宿泊者限定・参加費無料)



食は地元御用達の穴場スポットへ
ホテルのある片町一帯は、地元の人御用達の飲食店が多い地域。「金沢片町味わいまっし散歩」は、ガイドブックにはない地元だから知るお店などをOMOレンジャーが案内。いつもと違う視点で金沢の街を楽しみ味わえます。(宿泊者限定・参加費無料)

「OMOレンジャー」が実際に足であせいだガイドブックにはない食の情報が満載のご近所マップも役立ちます。

私が訪れたのは、ホテルから歩いて行ける割烹「志げ野」。大将と息子さんがカウンターに立ち、北陸の美味の数々を手ごろな価格でいただける、地元の方御用達の割烹です。おすすめは旬のお刺身、骨までやわらかいブリ大根。訪れた1月末には、白子やかきも絶品でした。



■OMO5 金沢片町 by 星野リゾート https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5kanazawakatamachi/
■割烹 志げ野 https://shigeno.owst.jp/
隈研吾氏デザインの素敵空間でランチやカフェを~兼六園茶屋 見城亭
1913(大正2)年に、兼六園の桂坂口近くに創業した見城亭が、2019年11月に隈研吾氏のデザインでリニューアルオープン。建物を補強し元の建材も再利用したという建物は、新しい中にも歴史を感じる、黒を基調とした落ち着いた雰囲気です。

夜は4名からの予約制ですが、ランチやティータイムは気軽に利用OK。金沢城・石川門を臨む素敵な空間と目にも華やかで美味な食のコラボが楽しめます。


■兼六園茶屋 見城亭 (kenrokuen.jp) https://www.kenrokuen.jp/index.html
お土産のイチオシ~にし茶屋街 甘納豆 かわむら
金沢駅には大きなお土産屋さんがあり、金沢の多くの銘菓が手に入りますが、「甘納豆 かわむら」は、にし茶屋街の本店でしか買えません。わざわざ足を延ばして求めるファンが多い名店です。
素材にこだわり、漂白剤・着色料・保存料を使用しない「甘納豆」は、体に優しく上品な甘みで一度食べたら忘れられないおいしさ。パッケージもかわいらしく、大人の女性の旅土産にはぴったりです。




■甘納豆 かわむら https://mame-kawamura.com/
北陸新幹線が来年、福井県の敦賀まで伸びるとあって、北陸の各都市はさまざまに進化中です。金沢も歴史・文化・伝統に加えあたらしい魅力も楽しめます。できれば2泊以上の滞在がおすすめです。
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを
●知らないと損する!神戸空港は「コスパ抜群」「ユニークな就航先」「大阪・京都へも便利」など魅力満載