クレジットカードの返済が毎月一定額となるリボ払い。金欠のときや高額商品を購入するとき、便利に感じる人もいるかもしれません。しかし、生活コスト削減コンサルタントの生方正さんは「リボ払いにはデメリットしかない」と話します。そこで、詳しく話を聞きました。
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リボ払いは毎月固定額の返済
リボ払いとはクレジットカードの支払い方法の一つです。利用額に関係なく翌月の支払いが一定額になる返済方法です。
クレジットカードを保有していると、支払い方法をリボ払いへの切り替えを提案するメールが届いたり、高ポイント還元のキャンペーン勧誘の電話がかかってきた経験がある人もいると思います。しかし、リボ払いの利用は絶対におすすめできません。
リボ払いは13〜15%の高金利
平均的なリボ払いの金利は13〜15%です。それに対して、メガバンクの定期預金に1年間預けて得られる利率は0.002%ほど。つまり、リボ払いを使うということは、定期預金で得られる6500~7500倍の金利をカード会社に支払うことになるのです。
一例として、金利13%のリボ払いで10万円の買い物をして、1万円ずつ返済した場合の手数料をJCBのシミュレーションサイト(https://www.jcb.co.jp/service/payment/pop/shopping-revolving-simulation.html?pram=searchsim)で試算してみましょう。
10か月で返済した場合の手数料の合計額は5796円になります。そこまでの手数料を払ってまで購入する必要がある買い物だったのか…という気持ちになりませんか?
返済額が積み重なっていくのがリボ払いの怖さ
試算では、10万円の買い物に対しての手数料をシミュレーションしましたが、これが毎月のカード利用が10万円の場合だとどうでしょう。
翌月に1万円返済しても元本は19万円となり、手数料の額も増えます。さらにその翌月の元本は28万円…1年後には100万円以上に増えていきます。
つまり、1か月の支払い金額が月の利用金額を超えない限り、返済しなければならない元本が積み上がり、さらに未返済分の金額に利子が加算されるため、総支払い金額はどんどん増加します。
「1年後に100万円返済しよう」という気持ちでリボ払いを選ぶ人はいないため、気づいたときには金額がふくらみ過ぎて返済できなくなり、場合によっては自己破産の道を選ぶしかなくなることもありえるのです。
リボ払いに気づかず利用していないか確認を
高額な手数料を支払うと知っていれば、リボ払いを選択しないでしょう。しかし、クレジットによっては契約時の支払い方法がリボ払いになっているケースがあったり、企業によって「リボ払い」という名称を使っていなかったりする場合があるので注意が必要です。
各社で異なるリボ払いの名称
マイ・ペイすリボ(三井住友カード)や、まるごとスキップリボ(PayPayカード)など、“リボ”とついた名前であれば利用を避けることができますが、支払い名人(JCBカード)やペイフレックス(アメリカン・エキスプレス)、楽Pay(NICOSカード)など、リボ払いだとイメージしづらい名称のものも存在します。また、フリマアプリ「メルカリ」の定額払いもリボ払いに相当します。
リボ払いは直ちに解約
気づかずにリボ払いを利用して、余計な手数料を払っていたということにならないためには、契約時の設定がリボ払いになっていないかをまず確認しましょう。また、リボ払い専用カードもあるので、その場合は契約自体を避けることが大事です。
そして、毎月のクレジットカードの利用明細に目を通し、利用金額と支払い金額の差額がないかチェックしましょう。もし、利用金額よりも支払い金額が低い場合は、リボ払いになっていないか契約状況を確認し、リボ払いになっている場合は直ちに、繰上げ返済の手続きをとりましょう。