47歳で専業主婦から再びキャリアの世界に飛び込んだ薄井シンシアさん(64歳)は、紆余曲折を経てキャリアを再構築。現在は外資系企業に就職し、営業サポートとして働いています。常に強気で前向きなシンシアさんに「挫折」の経験はあるのでしょうか? シンシアさんに「挫折した経験」を聞いてみました。
* * *
邪魔が入ったら変更し続けてゴールにたどり着けばいい
私が挫折したこと? うーーん、私は、あまり挫折にこだわらない性格かもしれないね。頭の隅に残らないぐらいの挫折しか無いと思う。
周りから見れば挫折しているように見えるかもしれないけど、私は経験から学んだことを次につなげているから、挫折じゃない。だから「挫折はあるか?」と質問されてもエピソードが出てこなくて困ります。
例えば、企画を進めているときに上司からダメ出しをされて、ストップしたとするでしょう? 私は「ダメだ」と言われたら、はじめに出した企画にこだわらず、すぐに変更しちゃうタイプ。邪魔が入ったかどうかなんて思い出せないぐらい計画を変更する。変更して、どうにかゴールにたどり着くんですよ。
挫折は正面から受け止めたら、もう過去に
ホテルの副総支配人から、大手飲料メーカーの東京五輪のホスピタリティ責任者になったときは、すべての準備をしたところで五輪が延期になりました。新型コロナの影響で、結局、私のポストは消えて「はい、終わり」。だからなんなんですか? 私にとっては、もう過去の話なんですよ。正面から事実を受け止めて、おしまい。
確かに、ものすごく準備したイベントが延期になったけれど、そのお陰で、私はスポーツというものを知ることができました。スポーツはこうやって競技をするんだ。こういうシステムで決勝戦に進むんだ、と学びました。知識を手に入れたんだから、この経験は挫折に入らないかもしれません。そう考えるから立ち直りも早いんですよ。
今にフォーカスすればするほど幸せになれる
この間、何かで読んだのですが、人間というのは現在にフォーカスすればするほど幸せなんです。今に生きる。先を考えないし、後も考えず、今に生きる。目の前のことを一生懸命に考えるのが一番いいのかもしれません。
もちろん一緒に働いていた人の中に、簡単には切り替えられない人もいたかもしれない。でも私には関係ない。そういうときは「次を考えよう」「今しか見ず、目の前のことを完璧にやろう」と声を掛けます。