秋の味覚の一つといえば、甘みがありほくほくとした食感の栗。栗ごはんやデザートなどが好きな人も多いのではないでしょうか。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「秋ならではの味覚の栗は、甘みが強くおいしいものを見極めるポイントがあります」と話します。その選び方について、保存法とともに教えてもらいました。
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尻の部分が大きくずんぐりとしている栗が◎
秋のイメージの通り、栗の旬は9〜10月。茹でるだけではなく、焼いたり、炊き込みごはんにしたりするのもおいしい果物です。そこで、甘みが詰まった栗を選ぶためのポイントをお伝えします。
ふっくらして尻が大きいものがおすすめ
まずは、ふっくらと丸みがあって、粒が大きい栗を選びましょう。平たい栗の実は両脇を他の実に挟まれて育ったもので、果肉が少ないです。そして、尻(座)の薄茶色の部分が大きいものは、成熟して味がよくのっています。ずっしりとした見た目のものがおいしいです。
果皮にツヤがあるものを選ぶ&虫食いは避けて
果皮がツヤツヤとしているものは、中の実がみずみずしい傾向にあります。栗は収穫から時間が経過すると、水分が減ってツヤがなくなり、果皮もくたびれて甘みがなくなります。また、手に持ったときに重みを感じるものも水分を多く含んでいるといえるでしょう。
そして、栗の大敵の虫食いもチェックを。皮に傷がついていたり、黒っぽく変色していたり、小さな穴があいていると虫食いのサインです。こういったものはなるべく避けましょう。
栗の保存は冷蔵庫が鉄則!チルド室で甘みが増す
長期間保存ができそうに思われがちな栗ですが、常温で置いておくと時間が経つにつれて水分が減って乾燥し、実がパサパサになったり、硬くなったりしやすいです。鮮度が大事な栗の正しい保存の仕方を知っておきましょう。
低温保存で甘みが増える!長期保存ならチルド室へ
栗を買ったあとは、冷蔵庫で保存が鉄則です。ポリ袋に入れてから冷蔵庫にしまい、乾燥を防ぎましょう。皮が濡れているとカビが発生することもあるので、濡れたものは表面の水気を拭き取ってから保存しましょう。
ちなみに、生栗は低温保存すると、でんぷんを分解し、甘い糖に変える働きのアミラーゼという酵素が活発に働くため糖度が高くなります。すぐに食べないときは、冷蔵庫のチルド室に1週間程度置いておけば、甘みがさらに増した栗を味わうことができるんです。
むき栗は冷凍も◎、正しい保存法は?
皮をむき、水に浸して冷蔵する方法もありますが、冷凍保存も可能です。
冷蔵の場合は、毎日水を替えて2〜3日で食べ切りましょう。冷凍するときは、むき栗を1回に使う分量ずつラップで包み、さらにフリーザーバッグへ入れて冷凍室へ。そうすれば、1か月程度保存できます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ