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エアコンやサーキュレーター、10年以上使っても大丈夫?今一度チェックしたい、家電の「設計上の標準使用期間」とは?

寿命の目安となるのが「設計上の標準使用期間」

そしてもう一つのチェックポイントとして、田中さんは「設計上の標準使用期間」を挙げます。これこそ、家電の寿命の目安になる表記だそう。

「設計上の標準使用期間」はどこを見ればわかる?

「家電の中でも、経年劣化に注意すべき家電は『長期使用製品安全表示制度』の対象となっており、『設計上の標準使用期間』と『経年劣化についての注意喚起』等を本体に表示することが義務づけられています。

対象となっているのは、『扇風機』『電気冷房機(エアコン)』『電気洗濯機(洗濯乾燥機は除く)』『換気扇』『ブラウン管テレビ』の5製品。我が家で使っている扇風機にも、『設計上の標準使用期間10年』ほか注意喚起のラベルが貼られていました。

ですから言ってみれば、この年数が、寿命の目安といってもいいかもしれません。もちろん使用頻度によっては、もっと早く寿命が訪れる場合もありますし、期間経過前に故障が起きないというわけではありませんので、期間前でも上記の異常を確認する必要があります。

なおサーキュレーターは、制度ができた2009年当初は、扇風機に分類されていたため表示義務がありました。今はサーキュレーターとして独立したため、正確にいうと表示義務はありません。ただし実際にチェックしてみると、多くのメーカーで引き続き表示しているようです」

「設計上の標準使用期間」とは

そもそも、設計上の標準使用期間とはどういう意味で、通常どれくらいの期間なのでしょうか。

「設計上の標準使用期間とは、電気用品安全法に基づき、『標準使用条件の下で使用した場合に経年劣化により安全上支障なく使用することができるとして設計上設定されたもの』です。扇風機やサーキュレーターは5年から10年、エアコンは10年と定めているものが多いですね」

なお、「標準使用条件」は製品ごとにJISによって定められており、扇風機の場合は次の通り。

【扇風機の標準使用条件】
・運転時間:1日に8時間使用する(延べ時間)
・運転回数:1日5回使用する
・運転日数:1年間に110日使用する
・スイッチ操作回数:1年間に550回スイッチを操作する
・首振り運転の割合:すべて首振り運転を行う

「つまり設計上の標準使用期間が“10年”であっても、使用条件以上に使用した場合、例えば毎日24時間使い続けた場合は、標準使用期間はもっと短くなると考えたほうがいいでしょう。サーキュレーターの場合も同様です」

設計上の標準使用期間は長いものを選ぶべき?

果たして、設計上の標準使用期間は、長い方がいいのか、短い方がいいのか、それともそこは気にせず自分の目的に合う機能を選んだ方がいいのか…。田中さんの考えは?

「個人的な考えですが、標準使用期間が長いものは、それだけ不具合が起こる可能性が少ない設計をしていると考えられます。サーキュレーターの場合は、首振りしないタイプのほうが配線が劣化しにくいですし、負荷がかかりにくい構造を採用している場合もあります。実際は、標準使用期間を過ぎても壊れなければ使用し続ける可能性もあると思いますので、やはり長い方が安心といえるでしょう。

ちなみに、設計上の標準使用期間とは別に、修理の際の部品を保存しておくべき期間(補修用性能部品の保有期間)も定められており、エアコンは9年、扇風機は8年となっています。そのため標準使用期間内に万一故障してしまい、部品の保有期間を過ぎてしまっていると、修理できなくなりますので、あわせてチェックしておくと安心です」

前述のとおり、扇風機やサーキュレーターは、設計上の標準使用期間を5年から10年と定めているものがほとんど。そんな中、期間を「10年」と定めている製品として、次の2点を紹介してくれました。

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