中国で古くから生薬として使われている冬瓜(とうがん)は、栄養価の高い野菜です。「95%が水分でできている冬瓜はカロリーが低いうえに、ダイエットや美肌などにうれしい栄養がたくさんです」と話す野菜ソムリエプロの福島玲子さんから、冬瓜の詳しい栄養と、おすすめのレシピを教えていただきました。
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女性にうれしい栄養素豊富!冬瓜のうれしい効果
冬瓜はダイエットや健康効果が期待でき、美肌ももたらしてくれる栄養素をたっぷり含んでいます。どんな栄養素を摂ることができるのか、紹介します。
ダイエットにも風邪予防にも効果◎なサポニン
冬瓜の特徴的な栄養素といえばサポニンです。腸の中で糖質と脂肪が合体しないように働き、脂肪の蓄積を抑える効果が期待できます。
さらに、サポニンにはナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活性化する作用もあり、ウイルスや最近から体を守ってくれるので、風邪の予防に役立ちます。
また、食物繊維は特に不溶性食物繊維を多く含んでいます。不溶性食物繊維は水分を吸収して便のかさを増し、腸の運動を促す作用がありますので、こちらもダイエット中に欠かせない栄養素です。
美肌効果のある栄養素もたっぷり!
そして冬瓜には、むくみ解消効果のあるカリウムが豊富です。むくみによって血液の循環が悪化し、老廃物がたまってしまうとニキビなどの肌荒れにつながります。そこで、カリウムを摂ることで肌トラブルを予防することが期待できます。さらにカリウムには、高血圧予防や利尿作用促進の効果もあります。
また、ビタミンCもたっぷり。皮膚や粘膜の健康を保つので、こちらも美肌に効果的です。抗酸化作用によって、老化予防も期待できます。
野菜ソムリエプロおすすめの冬瓜料理
最後に、冬瓜を調理する際の豆知識とおすすめのレシピを紹介します。クセのない味わいの冬瓜は、洋風煮込みにもぴったり。栄養たっぷりの冬瓜を使った温かい料理で、寒い冬を乗り切りましょう。
冬瓜を調理するときの豆知識
煮物やスープなど、幅広いレシピに活用できる冬瓜は、下ごしらえをするときに皮を薄く剥くことがポイントです。こうすると、加熱してもやわらかくなりすぎずに、歯ごたえを残して仕上げることができます。また、冬瓜の青臭さが苦手な場合は、下茹でをすると和らげることができます。4〜5分下茹でをすると、青臭さが和らぐうえに、だしや味付けが染み込みやすくなります。
ちなみに、冬瓜の種は炒っておつまみにでき、ワタは味噌汁の具にして食べることもできます。種は中国では漢方薬で使われていますし、ワタにはビタミンCが豊富で栄養たっぷり。余すことなく調理することをおすすめします。
「冬瓜と鶏肉のトマト煮込み」のレシピ
和風の料理に使われることが多い冬瓜ですが、洋風にアレンジしてもおいしいです。「冬瓜と鶏肉のトマト煮込み」は、寒い季節にぴったりの体が温まるレシピ。仕上げに、ドライハーブのオレガノとバジルを振りかければイタリアン風に仕上がりますので、ぜひ試してみてください。
《材料》(4人分)
鶏もも肉…1枚 冬瓜…1/4個 玉ねぎ…1個 トマト缶…1缶(400ml) ブイヨン…1個 塩・こしょう…適量
《作り方》
【1】鶏肉と冬瓜は一口大に、玉ねぎはくし切りにする。鶏肉は塩・こしょうをふりかけて下味をつけておく。
【2】鶏肉を皮目から鍋に入れ、焦げ目をつけながら加熱する。
【3】【2】に玉ねぎと冬瓜を加えて炒め、火が通ったらトマト缶を加えてやわらかくなるまで煮込む。
【4】ブイヨンと塩・こしょうで味を調えたらできあがり。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ