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「雑談コンプレックス」は今や国民病?苦手を克服するためにコンビニやスーパーでできるとってもシンプルな方法

スーパーのレジ
雑談上手になるためにコンビニやスーパーでできること(Ph/photoAC)
写真5枚

コミュニケーションの悩みとしてよく挙げられる「雑談が苦手」。職種を問わず、多くの人が雑談に苦手意識を持っています。そこで、さまざまな場所でコミュニケーション能力が高まる方法を伝授し、『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(アスコム)を上梓したコミュニケーションコンサルタントのひきたよしあきさんに、雑談の苦手意識を解消する方法と、雑談が苦手な人におすすめの雑談テクニックを教えてもらいました。

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もはや国民病?「雑談コンプレックス」

さまざまな会社で研修の講師を担っているひきたさんによると、コミュニケーションの悩みランキング1位は「雑談が苦手」だそうです。

人と話す機会の多い営業職でも雑談が苦手と感じている人が多く、雑談を苦手だと感じる「雑談コンプレックス」はもはや国民病とも言える存在だといいます。特に、相手との共通点がわからなかったり、心の距離があると感じていたりすると、うまく雑談ができなくなってしまうようです。

「大人も、子どもも同じです。自分と相手との共通点がわからない、心の距離がある、そんな相手を前にすると、何を話してよいのかわからず、沈黙してしまう。こういうことはめずらしいことではありません」(ひきたさん・以下同)

他者に対する心の壁が雑談を苦手にさせる

ひきたさんが、雑談に苦手意識を持っている人にさらに深く話を聞いていくと、自分に自信がないことや、心を開くのが苦手で警戒心が強いこと、会話がうまくいかず失敗するのが怖いといった理由が挙げられたそうです。

「上手く話せない原因は、相手との共通点が見いだせないことだと思っていたけれど、実は一番の理由は自分の心の中にあったということなのです」

心の壁を低くするために有効な「あいさつ」

自信をつけて他者への心の壁を低くするために、ひきたさんがおすすめするのは「あいさつ」。知らない人や利害関係のない人にもあいさつをするのがいいといいます。

「たとえば、コンビニやスーパーのレジの店員さんから商品を受け取ったら、必ず『ありがとう』と言う。外で食事をしたときは、帰り際に『おいしかった。ありがとうございました』と言うクセをつける。たったそれだけです」

「あいさつ」で脳は「雑談ができるモード」に

たかが「あいさつ」と思うかもしれませんが、知らない人や利害関係のない人にあいさつをしているうちに、「相手との関係が深いかどうか」よりも「他人に対しては、そう振る舞うものなのだ」という意識が強まり、他者に対する心の壁がどんどん低くなっていきます。これは脳のしくみに即した、科学的にも実証されている、効果的な「脳のだまし方」だそうです。

「『自分に自信がない』『知らない人に心を開くのが苦手』『失敗が怖い』『恥ずかしい』という心理的な障壁が、あいさつを続けることで、『あ、そんなに気にすることはないんだ』『もっと軽く考えればいいんだ』ということに気が付き、脳を『雑談ができるモード』に変換できるのです」

会話をする2人の女性
あいさつで脳は雑談モードに(Ph/photoAC)
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雑談への苦手意識を作る「雑談罪悪感」

雑談への苦手意識のもう一つの要因が、話しかけてもらっても気の利いた返事ができず、ダメな自分に対するストレスや相手への申し訳なさを感じてしまうこと。

ひきたさんは、この心情のことを「雑談罪悪感」と呼んでいます。そして「雑談罪悪感」が芽生える理由には、「『相手の気持ちを汲み取りすぎてしまう』という背景があるのかもしれません」とひきたさん。

「相手の気持ちを考えることは、決して悪いことではありません。ただ、相手のことを考えすぎると、身動きがとれなくなってしまいます」

雑談では「自分の気持ち」も大切に

自分の気持ちより相手の気持ちを考えすぎると、生まれてしまいやすい雑談罪悪感。雑談罪悪感を解消するには、「私のせいで」「相手に悪い」といった考え方を捨てる必要があります。

「イメージでは、『相手の気持ち>自分の気持ち……×』『相手の気持ち≧自分の気持ち……○』というくらいの感覚でいるのがいいのではと思います」

コミュニケーションは「一期一会」の気持ちで

「相手の気持ち≧自分の気持ち」というイメージを持つためにひきたさんがおすすめするのは、「『一期一会』の気持ちを表明すること」。「今、この瞬間にこの人と会って話すのは、一生に一度のこと」と考えると、その時間が貴重に思え、相手に感謝する気持ちも湧いてきます。

「『今、あなたに会えてよかったと思っています』という気持ちを相手に示す。そして、にっこり笑う。相手の話をよく聞いて、うなずく。これだけで、雑談で人に嫌われないコミュニケーションは十分可能なのです」