季節を問わずスーパーに置いてあるもやしは、安価で量があるので、料理のかさ増しができて家計の味方にもなる。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、「もやしは光を当てないきれいな水の中で、1年を通して栽培されている旬のない野菜」。寒い季節に鍋にも使えるもやしについて、選び方と正しい保存の方法を教えてくれました。
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もやしの選び方、注目すべき色など特徴は?
袋詰めされて売られていることが多いもやし。袋越しでもわかるおいしいもやしの選び方を解説します。
袋の上からでもわかる!おいしいもやしの見極め
基本のもやしの選び方は、透き通るような白色で、変色していないものが◎です。ツヤがあるような色味のものが新鮮な証拠です。褐色になっていたり、黒ずんでいたりするものは避けてください。
先端が開いて広がっているものや、袋に水が出ているものはNG。どちらも収穫から時間が経っているサインです。足の早いもやしは、できるだけ新鮮なものを選ぶように心がけましょう。
また、芯が太くて短いものを選びましょう。さらに、固く締まっていると、食感がいいですよ。へなっとしていたり、柔らかくなっていたりするものは古いので避けるようにしましょう。
大豆もやしの選び方
加えて、大豆もやしを選ぶときは、豆がきれいな淡い黄色で、ぷっくりとした状態のものが新鮮です。豆が開いていると、収穫から時間が経っているので避けてくださいね。
冷蔵保存の際はチルドへ!すぐ使えないときの保存法も
もやしは足が早く、1週間以内に傷んでしまうデリケートな野菜です。正しく保存して、できるだけ長くシャキシャキとした食感を保ちましょう。
もやしの保存はチルド室が◎な理由
もやしの一般的な消費期限は、製造日を含めて3日ほど。水分が多く、発芽中の新芽であるため、ほかの野菜と比べて劣化がとても早いです。できるだけ早く調理することをおすすめします。
未開封のもやしを保存する場合、野菜の保存=野菜室と思いがちですが、チルド室がおすすめです。低温の場所が適しており、10℃以下で保存すると劣化を遅らせることができるので、設定温度が高めの野菜室は避けてチルド室に置くのがベストです。
ちなみに、インターネットなどで「もやしの袋に穴を開けて保存すると長持ちする」という豆知識を見かけたことがあるかもしれません。袋に穴を開けると、もやしの水分が抜けやすくなり、色味が茶色になったり、香りも食感も失われやすくなったりします。買ってきたままの状態で保存するときは、袋に穴は開けずそのまま冷蔵庫に入れることをおすすめします。
もやしをすぐに使えないときは…保存法3選
袋を開けてからもやしが残ってしまったときは、水に浸して保存するか、茹でて保存すると期限が少し延びます。浸る程度に水を張った保存容器にもやしを入れ、チルド室に置きましょう。こうすると、発芽する状態と同じ環境になるので、よい状態をキープすることができます。保存容器の水は毎日換えましょう。
茹でて保存するときは、沸騰したお湯にもやしを入れて10〜15秒程度茹で、ザルに上げて冷ましたら、水気をよく切って保存容器に入れて冷蔵庫へ置けばOKです。レンジ加熱する方法も手軽なのでおすすめです。シャキシャキと仕上げたいときは600Wで1分半、しんなりとさせたいときは600Wで3分、レンジ加熱してください。
もやしは冷凍するとシャキシャキとした食感がかなり失われるので、あまりおすすめできません。ただ、どうしても使い切れないときには活用してもよいかと思います。冷凍するときは、もやしを洗って水気をよく切ってから、保存袋に入れて冷凍庫へ。水分が残ると霜になって、おいしさが半減してしまうので水気をよく切りましょう。使うときは鍋や炒めものなど、必ず加熱調理してください。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ