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コミュニケーションの質を左右する“見た目” 大切なのは「もとの顔立ち」や「笑顔」ではなく「TPO顔」を作れるかどうか

コミュニケーションの質を向上させる「顔の動かし方」とは?(Ph/photoAC)
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「初対面の人と打ち解けるのが苦手」「普通にしていても『怒ってるの?』と聞かれる」──コミュニケーションにおけるそんな悩みを持つ人は多いようです。しかし、人間関係を円滑にし、豊かにするのは個人の「話題の豊富さ」や「性格」ばかりではありません。コミュニケーションの質を向上させるための「顔の動かし方」について、表情筋研究家の間々田佳子さんの著書『伝わる顔の動かし方』(光文社)から一部抜粋、再構成して紹介します。

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「感じのいい人」は顔の動かし方が上手

そもそもの話になりますが「コミュニケーションが上手」というと、どんな人をイメージしますか?

「初対面の相手に対しても自然な笑顔で接することができる」「ハキハキと積極的に話しかけられる」「言うべきことをしっかりと言える」「打てば響くような相づちを打てる」「こちらの話を聞いてくれそうな安心感がある」「あとに引きずらない注意の仕方ができる」……といったところでしょうか。

こうした「誰にとってもウケのいい人」「感じのいい人」に共通しているのは、根っからの“陽キャ”な性格でしょうか? そうではありません。実はこれらはすべて「顔の動かし方」に関係しているのです。

間々田佳子さんのビフォーアフター。左は「顔がパンパンだった」という38歳の時
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しっかりと歯の見えるほがらかな微笑み、意志を感じさせる目、とっさでの的確なリアクション……いずれも、顔のもつ表現力を最大限に引き出していますよね。コミュニケーションをとるのがたくみな人は、顔を上手に使うことが、すでに身についているといえます。

全員がトレーニングで習得したわけではないでしょうから、自然にマスターできる環境で育ったのかもしれません。

両親など、周囲に明るい大人が多かったことなども影響するでしょう。でも、もしあなたがこれまで顔の使い方を知らずにきたとしても、表情筋をトレーニングすることで、そのレベルまで引き上げることが可能です。

さらには、自分の顔の使い方だけでなく、相手の表情にも敏感になる──相手の表情から内面を推し量ることができるようになるのです。表情で発信する力と、相手の気持ちを読む力、両方が養われていきます。

コミュニケーションに「無理な笑顔」は必要なし(Ph/photoAC)
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「コミュニケーション=笑顔」という思い込みを捨てる

コミュニケーションの第一歩として、どれだけ表情が重要かをお話ししてきました。同時に強くお伝えしたいのは、コミュニケーション上手=笑顔、ではないということ。

「笑顔は最高のコミュニケーションツール」などといった記事をよく目にしますし、社員教育の現場などでも、まずは笑顔の練習から始める企業は少なくありません。ですから、そう思ってしまうのも無理からぬことです。

私のレッスンに訪れる生徒さんのなかにも「笑顔に自信がなくて……」とおっしゃる方の、なんと多いことか。そういう方々に「無理に笑顔をつくらなくていいんですよ」と話すと、非常に驚かれます。

場面に応じて適切な表情がある(Ph/photoAC)
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でも、よくよく考えてみてください。

あなたの知るコミュニケーション上手な人は、いつもニコニコしているばかりですか? 必要なときにはしっかりと自分の意見を言えたり、場をまとめたりする力をもっているのではないでしょうか。

そして、あなた自身が目指したいのも、臨機応変に対応できる人なのではないでしょうか。大切なのは、「いつも笑顔でいる」ことではなく「状況に応じていちばん的確な表情をつくれる」ことなのです。

その場その場を適当にやり過ごすのではなく、誠実に自分の思いを表情にのせること。そのために、その場にいる自分を俯瞰(ふかん)できること。笑顔はあくまで、コミュニケーション手段のひとつです。けっして最終目標ではありません。

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