飲食店などを展開する株式会社よし川社長の吉川幸枝さんは現在88歳ですが、現役で社長業を務めるなど、今も健康に過ごしています。そんな吉川さんが上梓した『人生は80歳からがおもしろい』(アスコム)では、エスカレーターから転落したのに大きなけががなかったという驚きのエピソードも綴られています。そんな吉川さんの体の秘密や、実践しているストレッチ法を教えてもらいました。
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高齢者の体に必要なのはしなやかさ
歳を重ねると筋力が落ちたり、骨密度が低下したりすることは避けられません。転倒や骨折をきっかけに寝たきりに… なんてことにならないように気をつけている人もいるでしょう。
筋肉をつけること、骨を丈夫にすることはもちろんですが、吉川さんは、体の「しなやかさ」が大事だと話します。
医者も驚く吉川さんの柔軟性
吉川さんはあるとき、デパートのエスカレーターで転倒し、上から下まで転がり落ちてしまったそうです。
「このときばかりは、さすがに『ああ、これはもういかんなあ』って思いました」(吉川さん・以下同)
しかし、救急車で病院に運ばれた吉川さんは、多少の出血や打ち身がありながらも命に別状はなく、それどころか骨折もなく入院の必要もなかったといいます。
「これには、病院の人たちもみな驚いていましたね。お医者さんが言うには、私は骨密度も高いけれど、何より『筋膜』が丈夫らしいの。筋膜というのは筋肉を包んでいる膜で、これが筋肉を守り、筋肉を自由に動かせるよう調整してくれているのだとか」
吉川さんは、筋膜が柔軟だったことで筋肉がしなやかに動き、骨折に至らずに済んだそうです。
体が硬くなる原因は運動不足
吉川さんのように高齢でも体が柔らかい人がいるということは、歳をとると体が硬くなっても仕方ない、というわけではなさそうです。
吉川さんは体の柔軟性を「いか」と「するめ」に例え、120歳まで生きるために、硬くてポキッと折れてしまうするめではなく生のいかのような柔軟性を手に入れましょう、といいます。
「ズバリ、体が硬くなる原因は、『運動不足』だそうです。だから、若い人でも運動しない人は、体がするめになっちゃうわけです」
そこで、88歳の吉川さんが無理なく毎日実践しているストレッチのやり方を1つ教えてもらいました。
吉川さんの寝転がりながらストレッチ
転倒防止のために大事な、ひざの運動。「ひざの上げ下げがしんどい場合は、寝たままやってもいいと思います」と吉川さんはいいます。
【1】あおむけになったまま、右ひざと左ひざを30秒間ずつ、上げ下げする。
【2】自転車を漕ぐように、空中で両足を30秒間グルグル回す
頑張りすぎず、負担をかけすぎずにやることも、継続させるコツ。また、ストレッチは朝よりも、筋肉が温まっている夜がおすすめ。
「私の実体験ですが、筋肉が柔らかくなってくると、なんだか気持ちがよくなって、ストレッチするのが楽しくなってくるんですよ」
◆教えてくれたのは:吉川幸枝さん
よしかわ・さちえ。愛知県出身。株式会社よし川代表取締役社長。歯に衣着せぬトーク力と数々の大きな宝石を身にまとうスタイルで『¥マネーの虎』をはじめ、多くの番組に出演。メディアで人気者になり、「歩く百億円」と呼ばれるように。現在88歳ながら、骨年齢20歳、臓器年齢20代前半、血管年齢子ども、髪ふさふさ、虫歯なしの体で現役社長として活躍している。https://yoshikawa-sachie.co.jp/