
皇后雅子さまのファッションアイコンのひとつでもある“帽子”。冬は帽子をかぶられることが多く、これまでもさまざまなタイプの帽子を披露されてきました。そこで、雅子さまのこれまでの冬の帽子ファッションをプレイバック。季節感満載の素材や色にも注目です。
帽子やスカーフで女性らしさを加算したパンツスーツスタイル
1995年12月、日本の各国駐在大使を招いて、伝統的な鴨猟を行う恒例行事に参加された雅子さま。パンツスーツのマニッシュなスタイルに帽子とスカーフのアクセントでエレガントな着こなしに。


パンツスーツはマニッシュな要素が強いのに対し、スカーフや丸みのある帽子を合わせることで、女性らしさをプラス。色合わせも、スーツのグレーに対して、スカーフや帽子の白いカラーが抜け感を出しています。帽子やスカーフのように顔周りに身につけるアイテムを明るいカラーにすることで、全体的にも明るい印象に。また、視線が上になり、スタイルアップにもつながります。
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ビビッドな赤コートに締め色の黒のベレー帽を合わせてスタイリッシュに
1997年2月、秋田県鹿角市・鹿角観光ふるさと館「あんとらあ」を訪問された際は、鮮やかな赤のダブルボタンのチェスターフィールドコートに黒のベレー帽と黒のブーツを合わせたスタイリッシュなコーディネートでした。


主役となるデザインがおしゃれな赤のコートのポケットやボタンの黒を拾って、帽子やブーツも黒に。ベレー帽や低めのヒールのブーツを合わせることで、よりコンサバ感をセーブできスタイリッシュな印象です。ベレー帽はこの頃の雅子さまがよくお召しになっていたアイテム。ベレー帽はかぶるだけでおしゃれ度が増すアイテムです。また、全体を赤×黒の2色に抑えることで、赤というインパクトの強いカラーも落ち着いた雰囲気にまとまっています。
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お気に入りカラーのロイヤルブルーのロングコートに黒ブーツがドレッシー
1998年2月、長野五輪で、アイスホッケーの試合を観戦された際は、ロイヤルブルーのコートに黒のブーツをお召しでした。


雅子さまのお気に入りカラーであるロイヤルブルーのダブルボタンのロングコートに、シンプルな黒のロングブーツを合わせたおしゃれなコーディネート。さらに、ベルベット素材の帽子を合わせることでおしゃれ度を底上げしています。小物は黒でまとめて落ち着いた雰囲気に仕上げつつも、帽子のベルボット素材や時折ちらりと見える手袋のファーなど異素材を入れることで、変化を出しているのもポイントです。
カジュアルなダウンコートも白とファーで可憐さとエレガントさを演出
1998年2月、長野五輪で、ジャンプノーマルヒルを観戦される天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。カジュアルな白のロングのダウンコートに同じく白のファーの帽子をお召しでした。

カジュアル感が強いダウンコートも白×ロング丈でエレガントな印象に。さらにボリュームのあるファーの帽子が可憐な雰囲気をプラスしています。パールのイヤリングも加わることで、カジュアル感が軽減され華やかさも加算。女性らしいダウンコートスタイルに仕上がります。
ロイヤルブルーのチェスターコートに黒小物を合わせたツートーンコーデ
1999年2月、雅子さまは、北海道小樽市で冬季国体のスキー競技をご観戦。1997年2月の秋田県ご訪問の際に着られていた赤のチェスターコートの色違いのデザインのような、ロイヤルブルー×黒のチェスターコートに黒の帽子をお召しでした。

ロイヤルブルーベースに襟とカフスとボタンが黒のバイカラーのチェスターコートに、黒のブーツや帽子を合わせたツートーンコーデ。帽子はつばがアシンメトリーなデザインで洗練された印象です。バッグや靴、ボトム、帽子と黒でそろえられ、鮮やかなブルーが引き立っています。
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白のスタンドカラーのコートに同トーンの帽子を合わせた洗練スタイル
2008年1月、長野県で行われた冬季国体開会式に出席された天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。スタンドカラーのロングコートに、ベージュのリボンがエレガントなハットをかぶられていました。



エレガントできれいめな立ち襟のデザインのコートは、オフホワイトで優しい印象。同じ色の帽子はベージュのリボンがさりげなく華やかさをプラスしています。ロングコートに同色の帽子を被ることで、さらに縦に面積がプラスされ、スタイルアップが叶っています。コートがたっぷりと大きめのデザインなのに対して、タイト目のブーツや小ぶりなバッグでメリハリもバッチリ。オフホワイト、ベージュ、ブラウンと、同系色でまとめた気品たっぷりのワントーンコーディネートでした。
ドレス感のあるブルーのコートに同じバイカラーの帽子でロイヤルムード満点
2016年1月、上皇上皇后両陛下(当時は天皇皇后両陛下)のフィリピンご訪問に際し、羽田空港にてお見送りをされる際は、ロイヤルブルーのコートと帽子をお召しになった雅子さま。



袖や襟などに黒のベルベットがあしらわれた、ロイヤルブルーのチェスターコートはAラインでエレガントなシルエット。そこに同色の帽子をプラスすることで、特別感のあるコーディネートに仕上がっています。靴やバッグなど小物はコートの色を拾って、締めカラーの黒を合わせることで、大人の落ち着いた雰囲気もプラスしたツートーンコーディネートでした。
ボリュームのあるグリーンのコートにコンパクトな帽子が好バランス
ベトナム、タイを訪問される上皇上皇后両陛下(当時は天皇皇后両陛下)を、お見送りされる雅子さまは、優雅なラインのモスグリーンのロングコートに同色の帽子をお召しでした。



丸い襟が女性らしいグリーンのコートはワイド感のあるエレガントなデザイン。丸い襟にリンクするように丸みのあるコンパクトな帽子が可憐さをプラスしています。帽子含めクラッチバッグやパンプスなど小物ミニマムで、色も黒を入れることでメリハリ感のあるコーディネートに。オーバーサイズ気味のロングコートにコンパクトな帽子やバッグ、華奢なアクセサリーを合わせることで好バランスにまとまっています。
ボルドーカラーのシンプルなスーツにつば広帽子でエレガントさを底上げ
2017年12月、平成29年度「障害者週間」関係表彰式にご出席の際は、帽子も含めお気に入りカラーのひとつであるボルドーカラーでまとめられた雅子さま。



襟元がコンパクトで女性らしいシンプルなデザインのボルドー色のスーツに、同色の帽子をプラスしたスタイル。シンプルなスーツに対して、つばが広めの帽子が、優雅で上品なオーラを演出しています。アクセサリーには、白のパールを添え、抜け感も上品さもバッチリ。帽子の太めのリボンもエレガントさを強調しています。

防寒対策にとダウンコートを着る機会の増える冬。そこで、上品な着こなしが素敵な皇后雅子さまのダウンコートファッションをチェック。カジュアル度の高いダウンコートを上品に着こなすポイントをスタイリストの横山麻里さんとともに振り返ります。
ダウンコートは引き締めカラーの服に合わせると品よくきれいめに
「まずは、引き締めカラーの洋服を合わせる。これだけで落ち着き感が出て品よくまとまります。モノトーンコーディネートや、ワントーンコーディネートは特におすすめです。カラーがシンプルなぶん、ファーやスウェードなど、異素材を取り入れると、おしゃれ度が増します。
あとは、キレイめのアクセサリーを合わせたり、バッグは小さめにしたりすると、カジュアル度が抑えられ、女性らしくまとまります。小物は大人っぽい素材を合わせると上品ですね。例えば、ファー小物や、パール、ゴールドのアクセサリーなど。ダウンコートのカジュアル度が高いので、リュックやキャンバス素材のバッグではなく、レザーやファー素材のバッグなど小物を合わせるとエレガントさもまとえます。
ショート丈のダウンコートはアクティブなイメージが強くなるので、ミドル丈~ロング丈をセレクトすると品よく大人っぽく着こなせます」(横山さん・以下同)
鮮やかなパープルのカジュアルコートを主役に黒小物で上品スタイルに
1998年3月、長野パラリンピックの競技をご観戦の際は、明るいパープルのカジュアルなダウンコートをお召しでした。




「パープルのダウンコートを主役に、他は黒で統一され、スタイリッシュな印象のコーディネートです。パンツをブーツインすることで、縦長効果が強調され、ボリュームのあるトップスに視線が行きます。小物は黒で統一しつつも、光沢感のあるブーツやバッグのパイピングで、さりげなくコーディネートにアクセントをつけていておしゃれ。きれいめのワンハンドルバッグをセレクトすることで、全体のカジュアル度が抑えられています。また、カチューシャやパールアクセサリーで女性らしさもプラスされていますね」
ボリューミーなダウンコートにきちんと感のあるボトムや小物で大人バランスに
2006年3月にご家族3人で初めて東京ディズニーリゾートを訪れた際には、雅子さまはボリュームたっぷりのダウンジャケットをお召しでした。


「襟元にボリュームのあるダウンコートは、ベージュカラーが上品なたたずまいですね。インナーには白タートルを合わせて、同系色でまとめることで、明るさと柔らかさを加算。きれいめにまとめつつ、ダウンコートのボタンやアクセサリーがゴールドで統一され、リッチで華やかな印象も。ボトムはセンタープレス加工のきれいめパンツを合わせ、気品漂うスタイルになっています」
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シルエットがきれいなダウンコートに上品小物を合わせて洗練スタイルに
2008年1月、冬季国体開会式へのご出席などのため長野県を訪問された天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。雅子さまお気に入りのダウンコートをお召しに。


「ウエストのステッチデザインがポイントのダウンコート。ウエストがシェイプされ、ダウンコートなのにすっきりとした着こなしになっています。ハイネックで防寒しつつも、上半身はインナーのトップスをコートのカラーと合わせることで、バランスよく仕上がっています。
シンプルになりすぎないように、大きめのイヤリングをプラスされ、これがコーディネートのポイントになっています。色で言うと、コートとトップス以外はダークブラウンでまとめ、大人のシックなモノトーンコーディネートに。パンツには、ブーツを合わせ、色をつなげることで、スタイルアップになっています」
シルエットがきれいなダウンコートで上品なモノトーンコーデ
2009年12月、天皇ご一家(当時)で、神奈川県横浜市のこどもの国をご訪問。雅子さまは、ベージュのダウンコートにダークブラウンのパンツ、白のタートルネックというモノトーンコーデでした。


「フードがなく、ミディアム丈のベージュのダウンコートは、きちんと感のある着こなしも、きれいめカジュアルな着こなしにもでき、万能。コートのインナーは白のタートルネックニットで、防寒しつつも、抜け感のある着こなしになっています。冬のダウンスタイルは重くなりがちですが、顔周りに明るいカラーを合わせると、軽やかな印象に。
さらにパールのイヤリングを合わせ、よりきちんと感がプラス。ボトムやバッグはダークブラウンでそろえ、ベージュのコートとのコントラストが強くないので、柔らかく優しい印象です。しゃがんだり、たくさん歩くようなアクティブなシーンでも、きちんと感を保ちつつ、大人の気品を感じさせるコーディネートです」
母娘でリンク、ミディアム丈のダウン×ダークカラーのボトムで上品コーデ
2010年3月、長野のスキーリゾートには、おそろいのコートでお出ましに。ダウンコートはこれまで何度もお召しになってきたお気に入りの1着。愛子さまとも瓜二つのコーディネートでした。


「ミディアム丈のダウンコートに、ダークカラーのボトムを合わせて、Iラインが強調。ダウンコートでもシュッと引き締まって見え、きちんと感があります。また、襟元のハイネックデザインや、ウエストシェイプのシルエットがきれいめな印象に。パンツとブーツのカラーをそろえることでより縦ラインが強調され、スタイルアップにもつながっています。
明るく、上品なカラーのダウンコートは、おそろいで並ぶと、とても穏やかで素敵です。ボリュームのあるダウンコートには、ダークカラーのボトムを合わせると、視線が上にあがるので、バランスよく仕上がります」
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