【ビーフカレーVS焼き肉弁当】「野菜たっぷり」がポイント
どちらも牛肉を使った弁当。新陳代謝を活発にする亜鉛が含まれる牛肉は、ダイエット食としてもおすすめだが、部位によっては体重増加につながることも。こってりしビーフカレーは597kcalなのに対し、焼き肉弁当は806kcal。ビーフカレーがカロリー高めだと思った人も多いのでは? 太りにくいのはビーフカレー。
「焼き肉弁当のお肉はカルビが使われていることが多いのですが、カルビはハングル語で『ばら肉』。つまり脂肪の多いお肉メインの高カロリー弁当なのです。ビーフカレーに使われているお肉も一般的にはばら肉ですが、焼き肉弁当に比べれば量は少ない傾向にあります。また、焼き肉弁当のつけ合わせは少量の野菜(キムチやナムル)であることが多いですが、ビーフカレーには野菜がたっぷり。ルーに溶け込んでいるので見た目の野菜感はありませんが、食物繊維をしっかり摂ることができます。脂肪が少なく食物繊維が多いビーフカレーの方が太りにくいと言えます」
さらに、コンビニのビーフカレーが太りにくいのは、ご飯の量もポイント。
「コンビニカレーのご飯の量は200~230gですが、カレー専門店などお店のご飯は300g以上がほとんど。ご飯100gで160kcalですから、ご飯が増えれば体重も増えます。太る要素となる糖質量の見極めはダイエッターの基本。カレーの味はご飯が進みやすいので要注意!」
【春雨スープVSわかめスープ】フコキサンチンと食物繊維が豊富なのは?
春雨スープは70kcalなのに対し、わかめスープは20kcal。どちらもお弁当や丼物との相性がよい。スープなどの汁物を食事始めに飲むと、水分でお腹が膨らむほか、食欲を増進するグレリンの分泌が抑えられるため過食防止にも効果的。低カロリー対決、強いて言えばどちらが好ましいのか? 太らないのはわかめスープ。
「わかめスープはほぼカロリーを気にしなくてよい“最強メニュー”です。その上、わかめには太りにくい体作りをサポートする栄養素が多く含まれ、なかでも脂肪細胞の脂肪を体温として発散してくれるフコキサンチンが豊富。また、食物繊維の含有量も高く、糖質の吸収を緩やかにし食事の満足感を長持ちさせるとともに、腸を整え余分なコレステロールを排出してくれます。特にポッコリお腹の人にはおすすめ」
野菜が少ないお弁当には、野菜たっぷりの具だくさんスープを添えるのが鉄則。お弁当単体よりカロリーは高くなるが、食材が増えることで栄養バランスが整い、代謝が活発になってやせやすくなるという。
コンビニでは、カロリーに一喜一憂せず栄養バランスに注目するのが太りにくいメニュー選びのコツと言えそう。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん
1966年大阪府生まれ。管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。著書に、ベストセラーになった『食べても食べても太らない法』三笠書房《知的生きかた文庫》)がある。https://www.diet-class.com/