40代、50代と年を重ねるにつれ、白髪やパサつきなど髪の悩みが増えてくる人は多いでしょう。髪のアンチエイジングケアとしてはトリートメントや頭皮マッサージなどが知られていますが、より本格的に髪をケアしたいなら、家庭で使える専用機器に頼るのもひとつの手。どのようなアイテムがあるのか、美容家電に詳しい家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。
頭皮の血行不良や乾燥が髪の老化をまねく
40代、50代になると、髪にはどのようなエイジングケアが必要になってくるのでしょうか。
「若いうちは放っておいても健やかな髪が生えてきますので、生えてきた髪をしっかりトリートメントするといったケアが中心だったと思います。それが40代になると白髪が気になる、髪が細くなる、うねりが出る、毛量自体が減るといったエイジングサインが現れるようになります。主な原因は、加齢による頭皮の血行不良や乾燥、ホルモンバランスの乱れや毛穴のゆがみなど。これらをきちんとケアすることで、進行を遅らせることができるといわれています。
そこで対策として行いたいのが『頭皮という土壌をしっかり耕す』こと。ブラッシングやマッサージで頭皮を刺激し、頭皮の血行を促すことが基本だといわれています。朝晩のブラッシングはもちろん、シャンプーのときも頭皮をマッサージするように洗い、なるべく早めに髪を地肌から乾かします。また潤いを与えるために頭皮ケアの美容液を使うのもおすすめです」(田中さん・以下同)
超音波振動するブラシや頭皮マッサージャーで頭皮に刺激
ミドルエイジは、こうしたアイテムを少し変えていくのもひとつの方法だと、田中さんは続けます。
「まず、ブラッシング用のブラシには、超音波振動するものがあります。これらは髪のからまりをほぐしやすいと言われていますが、ついでに頭皮にしっかり当てることで、頭皮に刺激を与えてくれます。またシャンプーの際には、頭皮マッサージャーを使うのもいいでしょう。頭皮をしっかりつかんで動かしてくれるものや、毛穴の汚れを取り除きやすくしてくれるものがあります」
ドライヤーは髪を傷めにくい低温タイプを
髪を乾かす際にも、ケアを意識しましょう。
「ドライヤーに関しては、『地肌からしっかり乾かす』ことが基本ですが、高温だと乾燥しやすいため、できれば低温タイプを使うといいですね。最近は低温ながら風圧が強く、地肌に風が届きやすいものが増えています。あとは髪や頭皮が乾燥しすぎないよう、水を含んだイオンを放出するもの、遠赤外線で頭皮をじっくり温めてくれるものもいいでしょう。
ほかには、EMSなどで刺激を与えるEMSブラシ、超音波やLEDで頭皮ケアができる美容家電も続々登場しています。頭皮ケア家電は今、研究が進められているので期待できる分野だと思います」
購入前のチェックポイント
美容家電はお高めのものも少なくありません。買った後で「意外と使いづらかった」などと後悔しないよう、次の注意点を踏まえて選びましょう。
買う前にレンタルサービスで試すのも手
「まず頭皮マッサージャーは、お風呂で使えるか、使えないかを確認するといいですね。
またEMSは刺激が強すぎて痛いと感じると、継続して使えない場合があります。EMSの中には、肌表面がピリピリ刺激されるタイプと、筋肉を動かすタイプがありますが、頭皮ケアでは筋肉もしっかり動かすタイプがおすすめです。高額のものを購入して続けられないのはもったいないですから、不安な場合はレンタルサービスで試してみるのもひとつの手です」
それでは、田中さんが今注目している髪のエイジングケア家電は? 次の2点です。
【1】パナソニック『バイタリフト ブラシ』
前頭筋や側頭筋など、自分では鍛えにくい「頭筋」の部分をEMSで刺激できるのが、『バイタリフト ブラシ』。
お風呂の中で頭筋をケアできるEMS機器
「頭の『頭筋』と顔の『表情筋』それぞれに独自開発した2種類のEMSを搭載。頭筋をケアするときは、32本の電極ブラシから出力される『スカルプダイナミックEMS』が、筋肉にしっかりとした刺激を与えます。表情筋をケアするときはフェイス用アタッチメントをつければ面でケアができ、同時に電気浸透流による保湿もできます。頭や顔だけでなく、首、デコルテまで使えて、使い方も簡単。使いやすい1台です」
頭皮をケアしたい時は、「スカルプモード」にして、髪の生え際からスカルプケアするようにブラシを動かして使います。「スカルプモード」は、頭皮を濡らした状態の方がEMSの刺激を感じやすいため、バスタイムでの使用が推奨されています。湯舟でリラックスしながらケアできると考えれば、継続して使えそうですね。