健康・医療

白内障・緑内障・加齢黄斑変性…加齢によりリスク高まる「目の病気」の症状と手術&予防法

女性の左目
目の病気の予防法を解説(Ph/photoAC)
写真8枚

加齢とともに発症リスクが上がる目の病気ですが、きちんと対策をしていれば発症や進行を遅らせられたり、早期治療で治したりすることもできます。『歳をとっても目が悪くならない人がやっていること』(アスコム)を眼科専門医・森下清文さん監修の元で上梓した、わかさ生活代表取締役社長の角谷建耀知さんに、目の病気を悪化させないための予防法を教えてもらいました。

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目の病気の代表格「白内障」とは

目の病気の多くは加齢が関係しており、その代表格ともいえる「白内障」。これは、カメラのレンズの役割をしている水晶体が、加齢とともに濁ってしまい、視力が低下する病気です。加齢以外でも、糖尿病やアトピー性皮膚炎、外傷などによって発症することもあります。

「水晶体の中の、核、皮質、水晶体嚢のうち、どの部分が濁るかによって症状は異なります。加齢によるもので多いのは『皮質白内障』と『核白内障』の混合型です」(角谷さん・以下同)

白内障は治療可能。セルフチェックで目の状態を確認

加齢によって発症しやすい白内障ですが、きちんと治療を受ければ治る病気です。いざ発症した際に慌てないよう、そして間違った対応をしないよう準備しておくことが大切です。そのためにまず、セルフチェックで自分の目の状態を、片目ずつ確認してみましょう。

《白内障セルフチェック【1】》
下記の項目で該当するものがあるかチェックしてください
・全体的にぼやけてみえる
・ものが二重、三重に見える
・視力が低下した
・明るいところで異常にまぶしく感じる
・薄暗いところで異常に見えにくい
・老眼鏡が不要になった
・青系の色が見えにくい
・ものの境界がはっきりしない
・薄い赤色やピンク色で書いた文字が読めない

《白内障セルフチェック【2】》

「あいうえお」と書かれた画像
セルフチェックで目の状態を確認(Ph/『歳をとっても目が悪くならない人がやっていること』(アスコム)より)
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上のイラストの5文字が読めるかチェックしてください。

白内障の治療法は点眼薬と手術

白内障の治療法は基本的に点眼薬と手術の2つ。見え方にそれほど支障を感じていない人は、初期の段階では点眼薬で様子見。これだけで水晶体の濁りがなくなるわけではなく、あくまでも進行を抑えるためのものですが、ほとんど自覚症状のない状態で進行を抑制できれば、手術が不要になることもあります。

複数個並んだ目薬
白内障の治療は点眼薬と手術(Ph/photoAC)
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一方、見え方に大きく支障が出ている場合は手術が必要です。

「手術は、水晶体嚢で包まれた濁った水晶体を超音波で砕いて取り除き、代わりに人口の眼内レンズを入れます。局所麻酔(目だけの麻酔)で行われる手術は、痛みを感じることはあまりなく、手術中も会話ができます」

日常に支障が出たら手術を

白内障は合併症を発症しない限り失明することはないため、日常に支障が出ていなければ手術を焦る必要はありません。支障が出ているかどうかの判断も人それぞれですが、「もっとよく見えるほうがいい」と感じたときが手術のタイミング。また、転ばぬ先の杖として手術を選択するのも1つの対策です。

「白内障が進行してしまうと、緑内障の原因になったり、手術自体が難しくなったりするリスクもあります。定期的に眼科医と相談して、むやみに進行させる前に手術をしておいたほうが安心でしょう」

手術を遅らせるためには酸化予防

厚生労働省のデータによると、80歳以上になるとほぼ100%の人が白内障を発症するとされており、誰もがいつかはなる病気です。手術で治る病気ではありますが、手術を遅らせたい場合は、水晶体の濁りの原因といわれる酸化から目を守るようにしましょう。

目のアップ
白内障の原因は水晶体の濁り(Ph/photoAC)
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「外に出るときはサングラスをかけ、食事では抗酸化作用のある成分が含まれる食べ物を積極的に摂るようにしましょう」

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