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浪費の原因は実はストレス?1000万円貯めた節約YouTuberが気づいた、お金が貯まらない理由と“貯金メンタル”を育てる方法

白いブラウス姿の女性
節約系YouTuberのふゆこさんが”貯金メンタル”について解説
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『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)の著者で、奨学金を返済しながら、20代で1000万円の資産を築いた節約オタクでYouTuberとしても活動するふゆこさんは、浪費の原因がストレスにあったと話します。ストレスが減ることで無駄な出費も減らすことができた自身の経験談を交えながら、ストレスとうまく付き合い「貯金メンタル」を育てるコツについて教えてもらいました。

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節約の敵はストレス

「本当に自分にとって必要なものか」をちゃんと考えて買い物をすることが、無駄遣いを減らすことにつながると気づいたふゆこさんでしたが、その思考の妨げとなっていたのが日常のストレスだったそうです。

ストレスの緩和を最優先に正当化してしまう心理

「今日は疲れたから」「いつも頑張っているから」などと言い訳をして、ちょっといい外食をしたり、自分へのご褒美を購入したりしていませんか?

それは、ストレスによってメンタルが疲弊すると「これ以上、悩みたくない」「考えたくない」という状態になり、一時の感情や欲望に飲み込まれてしまうからなのだそうです。

「『自分へのご褒美』も年に数回くらいであれば、やる気につながるよいことだと思いますが、それが日常になれば単なる浪費の言い訳です」(ふゆこさん)

ふゆこさん自身も、昼休みや帰り道にコンビニでお菓子を買うことをやめられなかったといいます。

コンビニスイーツ
自分へのご褒美を与えすぎていない?(Ph/photoAC)
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「コンビニの商品は決して安くありませんし、お菓子の食べ過ぎは太るだけなのに、『毎日200〜300円の出費で仕事を頑張れるならいいじゃないか』と正当化していたのです」

また、節約のためには水筒を持ち歩くのがいいとわかっていても「忙しくて時間もないし!」と、1日2〜3本の飲み物を自動販売機で購入していたそうです。これも、“頑張るための必要経費”として、“便利な正当化”をしていたとふゆこさんは語ります。

ストレスコーピングが浪費だと節約が苦痛に

ふゆこさんにとっての“頑張るための必要経費”は、1日あたり数百円でも、月に換算すると1万円〜1万5000円もの出費です。それに驚いたふゆこさんは少し我慢をすることにしたそうですが、今度は「買わないこと」にストレスを感じるようになったといいます。

そこで、本を読んで人間の心理や脳の仕組みについて勉強し、人間が「習慣化された行動をやめることに苦痛を感じる」ということを知ったふゆこさん。「イライラしたらお菓子を食べる」「ストレスが溜まったら缶コーヒーを飲む」といった自身の浪費習慣が、ストレスのはけ口(ストレスコーピング)になっていたことに気づきます。

「同じように、『週末にほしい服を買う』『高いコスメを買う』という行為も、興奮を伴って脳がドーパミン(快感をもたらす脳内ホルモン)を分泌させることでストレスコーピングになり、浪費が自分のメンタルを守る手段になっていました」

紙袋を持つ二人の女性
消費行動がストレス発散になっていると節約が苦痛に(Ph/photoAC)
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浪費習慣がストレスコーピングになっている場合、それを我慢することは溜まったストレスの行き場がなくなるということです。ストレスが溜まっている状態で節約のために無理をすれば、メンタルの不調にもつながりかねないとふゆこさんはいいます。

「これでは、『節約』という行為が『苦痛』なものだということを、自分の心と体に刻むばかりで、その先にある貯金やお金の不安解消にはたどり着けません」と話すふゆこさんが、最良の手段として提案するのは「日常的なストレスを、できる限りなくすこと」です。

転職がその一助となったというふゆこさんは「心に余裕ができればストレスコーピングの必要性は少なくなるので、浪費習慣をストップして節約生活をはじめても持続しやすいことを、身をもって経験することができました」と語ります。

浪費以外のストレスコーピング法を見つける

では、浪費行動以外でストレスコーピングをするにはどうしたらいいのでしょうか。ふゆこさんの場合は、転職後に始めたボルダリングだったそうです。

「ゲームでもストレッチでもウォーキングでも、あるいは読書や大好きな推しの動画を見ることでもなんでもいいので、なにか爽快感や開放感、一時的にでもストレスの原因を忘れられるような趣味や習慣を、節約と一緒にはじめるのがおすすめです」

スマートフォンを操作している
自分なりのストレス解消法を見つけることが大切(Ph/photoAC)
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さらに、ストレスの解消には、脳内ホルモンの働きを利用することも効果的。

「幸せの三大ホルモン」と呼ばれる、やる気ホルモンの「ドーパミン」、幸せホルモンの「セロトニン」、愛情ホルモンの「オキシトシン」が、ストレスの緩和に役立ちます。中でも、不安感を和らげ安心感をもたらし、メンタルを安定させるセロトニンは食事で増やすことができるのです。

セロトニンの材料となるトリプトファンを多く含む食材には、豆腐・納豆・みそ・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、ごまやピーナッツ、卵などがあります。

「まずは生活リズムや食生活を整え、セロトニンの分泌を促すことからはじめるとよさそうです」

大豆の食品
幸せホルモン「セロトニン」の材料を摂るには大豆製品も効果的(Ph/photoAC)
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