国産は春に旬を迎えるグレープフルーツ。輸入物と合わせて通年見かけるグレープフルーツには、体にも心にもよい栄養がたっぷり詰まっていると野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。詳しい栄養素とともに、加熱してもおいしいグレープフルーツのアレンジレシピを教えていただきました。
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心身にやさしい栄養たっぷりなグレープフルーツ
グレープフルーツは抗酸化作用のある栄養が豊富で、女性にうれしいアンチエイジング効果が期待できます。さらに、風邪予防や免疫力アップ効果など、体調を崩しやすい季節の変わり目にうれしい栄養素も含まれています。それぞれ詳しく解説します。
季節の変わり目に◎体を整える栄養素
グレープフルーツには、風邪の予防に欠かせないビタミンCがたっぷり。コラーゲンの合成に関わるビタミンで、ストレスから体を守る働きもあります。抗酸化作用による美肌効果も期待できます。
体内の余分な塩分を排出し、むくみの解消に役立つカリウムも豊富です。さらに、疲労回復効果のあるクエン酸も含んでいます。クエン酸には、殺菌効果や食欲を増進する効果もあると言われています。
爽やかな香り成分のリモネンも含まれていて、リラックス効果があるだけでなく、自律神経の交感神経を刺激して免疫力や血行促進を高める効果もあるので、食べるときは香りも楽しむのがおすすめです。
女性にうれしい老化予防&ダイエット効果のナリンギン
グレープフルーツの独特の苦みのもとは、ナリンギンというポリフェノールの一種によるもの。ハリ状になっている成分で、グレープフルーツを食べると舌がヒリヒリと感じるのも、ナリンギンの性質によるものです。
ナリンギンには強い抗酸化作用があり、アンチエイジングや生活習慣病の予防に効果的。食欲を抑える効果もあるといわれているので、ダイエット中にもうれしい栄養素です。
服薬中にグレープフルーツを避けるべき理由は?
薬を飲むときにグレープフルーツを避けるべきと言われたことはないでしょうか。これは、グレープフルーツの果肉に含まれるフラノクマリン類という成分が薬の代謝を阻害して、薬が効きすぎてしまうからです。
グレープフルーツジュースでもこの作用が起こることもあるといわれているので、特に高血圧の薬を飲んでいる人は、服用中はグレープフルーツの飲食を避けるようにしてください。
野菜ソムリエプロが教えるアレンジ加熱レシピ
生でいただくイメージのあるグレープフルーツですが、加熱してアレンジするのもおいしいです。ちなみに、房ごとに包丁を入れていくと、簡単にグレープフルーツが剥けますよ。
「グレープフルーツとブロッコリーのガーリックパスタ」のレシピ
《材量》(3人分)
グレープフルーツ(皮を剥き実を取り出す)…1個分、ブロッコリー(小房に分ける)…1房、玉ねぎ(たてスライス)…1/2個(75g)、薄切りロースの豚肉(1cm幅の細切り)…100g、にんにく(みじん切り)…1片、オリーブオイル…大さじ2、しょうゆ…大さじ1、塩・こしょう…少々、パスタ…250g
《作り方》
【1】鍋に湯を沸かし、沸騰したら塩を加え、表示時間より1分短くパスタを茹でる。
【2】フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくと玉ねぎ、塩・こしょうをふった豚肉を加え、肉に火が通るまで炒める。
【3】【2】にブロッコリーを加えて軽く炒めたら、パスタの茹で汁をお玉1杯分加えて、約1分蒸し茹でする。
【4】茹で上がったパスタを【3】に加えて味がなじんだら、グレープフルーツを加え、ふたをして約1分蒸し焼きする。しょうゆを鍋肌から回し入れたら、軽く混ぜて完成。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ