健康・医療

足裏を見れば“体の不調”がわかる? 改善のカギとなる「筋肉ほぐし」や「足ツボ」のやり方を整体師が伝授

白い服を着た女性
足を温めることがさまざまな不調の改善につながると語る、整体師の吉田佳代さん
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足を温めることがさまざまな不調の改善につながると語るのは、のべ8万人の体を見てきた整体師の吉田佳代さん。その効果とケアの方法について、医学博士・医師の白澤卓二さん監修のもと上梓した『不調を解消する すごい足温め』(あさ出版)で紹介しています。足裏と脚を見れば健康状態がわかるという吉田さんに、その著書の中でも紹介している簡単セルフチェック法と不調への対策方法について教えていただきました。

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足を温めることは全身を温めること

なぜ吉田さんが足を温めることを推奨しているのかというと、体の土台である足が温まることで、全身の血流が温まり、内臓が働きやすい環境になるからとのこと。内臓の働きがよくなることで全身が活性化し、不調が改善し、心の調子までよくなることが期待できるのだそうです。

「ふくらはぎは筋肉の伸縮による筋ポンプ作用で血液を心臓へと押し戻すことから、『第二の心臓』と呼ばれています。また、足裏には無数の神経があり、その神経を通じて脳に情報が伝わるため『第二の脳』と表現されることもあります」(吉田さん・以下同)

さらに、「全身の土台」として体を支える足は、健康を維持する大きな役割を担っています。そう聞くと、疎かにしてはいけない部位だという気がしてきませんか?

「足をケアすることで健康な体を手に入れることができると言っても過言ではありません。その最たるものが『足を温めること』なのです」

そこで、吉田さんが教えるチェック方法を試して、自分自身にあった足の温め方を知りましょう。

足裏
足裏の色で、今の健康状態をチェック!(Ph/photoAC)
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赤色の足裏はエネルギー過剰のサイン

足裏が赤色のときは、イライラしたり、怒りっぽくなったりするなど、エネルギー過剰で興奮している状態。

「土踏まずが赤い場合は、胃腸が過活動ぎみで炎症を起こしている可能性があります」

足裏が赤色のときは半身浴で温める

このような状態のときは、湯船にみぞおちの下まで浸かる半身浴で足を温めるといいそうです。アロマなど、リラックスできる香りを取り入れて心を落ち着かせましょう。湯たんぽで温めるのもおすすめです。

「全身で肩まで浸かるより体がゆっくり温まるのでのぼせにくく、長めに入浴することができます。毛穴につまった老廃物を押し出して新陳代謝を促すので、肌がツルツルになります」

入浴中の女性
足裏が赤いときは半身浴がおすすめ(Ph/photoAC)
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半身浴のアドバイス

半身浴をする際は湯温を38〜40℃くらいのぬるめに設定し、へそから握りこぶし1つ分くらい上までの量のお湯に浸かります。冷えを防ぐために、上半身は濡らさないようにしましょう。

「汗のかきすぎは疲労や肌の乾燥の原因になるので、はじめのうちは、20分浸かることを目安にしましょう。20分経っていなくても汗ばんできたら、湯船から上がります」

逆に、20分を過ぎても汗をかかない場合も湯船から上がり、様子を見ながら浸かる時間を徐々に延ばしていくのがいいそうです。また、常温のミネラルウォーターか白湯を用意して、随時水分補給も忘れずに。

「血液をサラサラにして血流をよくして、代謝をあげるためにも、入浴の前・中・後に水分を補給しましょう。体形にもよりますが、人が一度に吸収できる水分量はコップ約1杯といわれています。一気に飲むのではなく、時間を空けて水分を少しずつ取るように心がけましょう」

水の入ったグラス
入浴の前・中・後には水分補給を(Ph/photoAC)
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紫色の足裏は血液とリンパの滞りのサイン

血液やリンパが滞って排泄不良の状態になっているときや、肺の働きが弱く、血液中の酸素が不足しているときは足裏が紫色になります。

足裏が紫色のときは呼吸に合わせ筋肉をほぐす

対策としては、深呼吸で酸素を取り込みながら筋肉をほぐし、血流を改善すること。そうすると肺も活発に活動しやすくなるのです。

「ふくらはぎや太ももなどの筋肉を呼吸に合わせて規則的に刺激することで、筋肉がほぐれ、血流がよくなります」

フットマッサージをする女性
足裏が紫のときは足の筋肉をほぐして(Ph/photoAC)
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筋肉ほぐしのやり方

ふくらはぎや太ももの筋肉は、適度に動かして血流を維持しないと硬くなって冷えを起こします。すると、血液の温度も低下し、不調につながってしまいます。また、筋肉をほぐすことで、溜まった老廃物によるコリで圧迫された血管が通常通りの働きを取り戻し、足温めの相乗効果が期待できるそうです。

「ほぐすタイミングは半身浴、足湯などで血液、体が温まっている状態で行うのがおすすめです」

ここでは一例として、手のひらで圧を加えて太ももの筋肉をほぐす方法を紹介します。

<太ももの筋肉ほぐし>

太ももの筋肉ほぐしのやり方1
太ももの筋肉ほぐしのやり方1(Ph/『不調を解消する すごい足温め』(あさ出版)より)
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【1】あぐらをかいた状態で、片方の内ももの付け根に両手のひらを並べて当てる

太ももの筋肉ほぐしのやり方2
太ももの筋肉ほぐしのやり方2(Ph/『不調を解消する すごい足温め』(あさ出版)より)
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【2】息を口からゆっくり吐きながら5秒かけて、上体を前に倒し、手のひらに体重をかけて押していく。そのあと、息を鼻から吸いながら5秒かけてゆっくり体勢を戻す。これを5回繰り返す

【3】両手のひらを少しずつひざの手前までずらしながら同様にほぐし、続けてももの付け根に向かって少しずつずらしながらほぐす。反対側の脚も同様に行う

黄色の足裏は疲れのサイン

肝臓と胆のうの機能が低下していると、足裏が黄色に。睡眠不足や過労などで体が疲れている状態です。

足裏が黄色のときは足湯で解毒

肝臓の働きをよくするには、足湯がいちばんだと吉田さん。

「足湯をしながら足指を動かすと、より代謝がアップして解毒がスムーズになり、疲労回復につながります」

足湯
足裏が黄色のときは足湯をしてみて(Ph/photoAC)
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足湯のポイント

足湯を行うときに桶に用意するお湯は、40℃ほど。足を入れて3分くらいを目安に皮膚が温度に慣れてきたら、差し湯をして温度を2〜3℃上げます。その後もお湯の温度を一定に保つために、差し湯をポットや水筒などに用意しておき、適宜足しましょう。ひざが冷えないように、足湯中に使うひざ掛けも忘れずに。

10分ほど足湯をしたら、左右の足裏の色をチェックします。左右の色が変わっていなければ、さらに10分足湯をして終了。左右の色が違う場合は、体のバランスが悪く血流に差があるということです。赤い方はタオルで拭いて靴下をはき、白い方は再び足湯をします。

「2〜3分後に再度、左右の足裏の色の違いをチェックします。これを繰り返し、同じ色になってから両足を桶に10分浸けましょう」

足湯のあとは、水分をタオルで拭き取り、すぐ靴下をはいて、温まった足が冷えないようにしてください。

白色の足裏は気力不足のサイン

足裏が白色のときは、一見きれいに見えても、エネルギー不足で気力が足りておらず、精神的に弱っている証拠。貧血や低血圧気味、胃が弱っている状態です。

足裏が白色のときは足つぼを刺激!

エネルギー不足を解消するには、血液の循環をよくして自然治癒力を高める効果が期待できる足ツボ刺激が有効。クリームやオイルを用意して、足裏のしこりをほぐして、ツボを刺激しましょう。

足の裏を触っている
足裏が白いときは足ツボが◎(Ph/photoAC)
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足ツボの効果的な押し方

足裏のゴリゴリとしたしこりは、老廃物が溜まっているということ。放置して不調を引き起こさないように、しっかりとほぐしましょう。

「足ツボを押すときは、両手の親指を重ねて押すと力が入りやすくなります。ゆっくり息を口から吐きながら少しずつ強めに押していき、そのあと息を鼻から吸いながら少しずつ力を抜いて戻しましょう」

しこりがあるところだけでなく、押して痛いところもしっかりほぐしていくのがおすすめだそうです。

◆教えてくれた人:吉田佳代さん

よしだ・かよ。株式会社カバーリング代表取締役。吉田佳代ボディケアビューティークリニック代表。ジャパンスタイルヘルスケア協会代表。日本手技療法士認定協会公認手技療法士、整体師、体幹ストレッチインストラクター、AIASオーストラリア国家資格ビューティーセラピストといった資格を取得。自然医学の理論と健康・美容技能の解析と応用を学び、骨・筋肉・経路・経穴・リンパのすべてからアプローチした独自の足ツボ療法および、全身オイル整体技術を開発する。延べ約8万人の施術および指導実績をもつ。https://www.kayoyoshida-beauty-clinic.com/

◆監修:医学博士・医師 白澤卓二さん

しらさわ・たくじ。医学博士・医師。白澤抗加齢医学研究所所長。お茶の水健康長寿クリニック院長。国際予防医学協会理事長 Residence of Hope館林代表。1982年、千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007年から8年間順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授を務める。著書・監修書に『すごい塩』『ボケないのはどっち?』(ともにあさ出版)など。

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