買い物に気をつけるなど、きちんと節約を意識しているつもりなのに、なかなかお金が貯まらない…。それはもしかしたら、節約を妨げる要因があるからかもしれません。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、節約のために捨てるべきものについて詳しく教えてもらいました。
* * *
所有するだけでお金がかかるものを把握する
維持経費が必要なものなど、所有しているだけでお金がかかるものや、さらなる支出につながりやすいものをもたないようにすることが出費を抑えることにつながります。
維持経費がかかる自家用車
維持経費が掛かるものの筆頭は自家用車。車がないと生活ができない地域にお住まいなら必要経費ですが、車がなくても公共交通機関などで生活ができるなら、手放すという選択肢もあります。
車があるから会社に行ける、仕事ができる、介護や育児ができる、といったように、維持経費をかけてもお金を生み出すものや、他の手段ではお金がかかりすぎるのであればいいのですが、そうでないなら節約の観点からは処分したほうがいいでしょう。
最近はカーシェアの使い勝手もよくなっているため、毎日乗るわけでないなら必ずしも所有する必要はありません。
年会費や月額費用の契約を見直す
一見お得に感じるサブスク系のサービスも注意が必要です。あまり使っていないのに契約したままでは結局損をしますし、オンライン系のサービスはとくに契約したことを忘れて年会費や月額費を払い続けているパターンも多くあります。
あまり使っていないクレジットカードから引き落とされていた…。なんてこともあるので、クレジットカードの利用状況をチェックして、身に覚えのない引き落としがないか、調べてみることをおすすめします。
また、月額レンタルのウォーターサーバーなども便利ではありますが、維持に必要な電気代やボトル代のコストは高くつくので、節約を優先するのであれば、思い切って解約するのも手です。
年会費のかかるクレジットカードなども注意しましょう。1年間使っていない場合は年会費が発生するカードなどもあるため、基本的に使わないカードは解約するのがおすすめです。このほか、銀行口座なども管理費用が発生することがあります。今すぐの損失にならなくても、何事も使わないものは解約するなど整理することが今後のためになるといえるでしょう。
クリーニング代がかかる洋服は避ける
お店での洋服のクリーニングも、節約の観点ではなるべく避けたほうがいいでしょう。クリーニング代の節約という点では洋服のサブスクサービスなどもありますが、今はホームクリーニングが可能な服も増えているため、家で洗濯できる洋服や性能のよい洗濯機を買ったほうがトータルコストは低くなります。
多すぎる収納ケースはさらなる支出につながる
収納ケースをまったく持たないというわけにはいきませんが、多すぎる場合は処分することをおすすめします。
収納ケースを持ち続けること自体に費用は発生しませんが、収納が多いと必然的に物が増え、同時に収納したまま使わないものも生まれやすくなります。物が多いと管理に手間や時間の無駄が生じたり、持っていることを忘れて同じようなものを買ってしまったりすることもあるため、収納を減らし、持ち物を把握することも節約につながります。
もの以外で節約のために捨てるべきもの
節約するために捨てるべきなのは形のある物だけではありません。思い込みや考え方、日々の行動の中にも捨てることで浪費を抑えることができることがあります。
高コストにつながる「見栄」
周りの人よりいいものを持ちたいから、自分をよりよく見せたいからと、「見栄」で買い物をしてしまう人もいますが、見栄は節約するために真っ先に捨てるべきものと言えるでしょう。
自分が本当に欲しい物や使いたい物でなければ結局使わなくなってしまうため、他と比べるのではなく、本当に自分が必要と思うものだけを買うように意識しましょう。
「過度な備蓄」や「変な先回り」
いつか使うかも、いつか食べるかもといった「変な先回り」も節約が遠のく行為です。安いタイミングでのまとめ買いは節約において大切ですが、食品であればまとめ買いもしすぎると賞味期限が切れてしまい、処分せざるを得なくなります。
必要なものを必要なだけ備蓄するということを意識し、すでにストックがたくさんある場合は、最低限残しておくべき量を決め、それまでは新しく買わないようにしましょう。
浪費につながる「無駄な時間」
なんとなくコンビニに寄る、通販番組を見る、通販サイトを見るといったような「無駄な時間」も節約を妨げる要因です。
コンビニや100円ショップに寄れば、ついつい何かしら買ってしまいがちですし、通販番組や通販サイトを見ると「限定価格」や「限定品」などの煽り文句につられて思わず何かを買ってしまいやすいもの。買い物に行ったり、通販サイトを見たりするのは買うべきものがあるときだけにし、浪費につながる「無駄な時間」をなくしていくことが大切です。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/新藤まつり
●物価高の今、低コストで楽しめる「趣味」 節約アドバイザーが「料理はおすすめできない」と語る理由
●浪費の原因は実はストレス?1000万円貯めた節約YouTuberが気づいた、お金が貯まらない理由と“貯金メンタル”を育てる方法