健康・医療

「上半身をねじる」だけで体の不調が改善?パーソナルトレーナーが解説する背骨まわりの筋肉を動かすメリット

「なぜか不調まみれになる」の意外すぎる正体とは?

背骨まわりにある筋肉や筋膜が固まると、伸縮性のない生地のタイトなシャツを着たときのように体は動きにくくなります。すると体のどこかに余計な負担がかかって一部の筋肉だけが酷使され、痛みや不調を抱えやすい状態に。やがて肩や腰などに、こりや痛みが生じるようになります。

さらに、背骨まわりの筋肉や筋膜がうまく伸び縮みしなくなると、そのぶんだけ筋肉が担っている血液のポンプ作用が低下し、血液やリンパの流れも滞りがちに。これが、体が冷えたりむくんだりといった不調につながります。血流が悪いと体に溜まった疲労物質や発痛物質、老廃物なども排出されにくくなり、こりや痛みが消えないどころか悪化するという悪循環に。これが“年を取ると不調まみれに”の正体です。

私のジムのお客さまでも「やせる背骨しぼり」を始める前は日常生活に支障をきたすほど重度の肩こりや腰痛に悩まされていた、という方は少なくありません。

背骨は婦人科系の不調にも影響する?

この血行不良が生理痛や生理不順などの婦人科系の不調につながることも本当によくあり、私自身もPMS(月経前症候群)には長年悩まされていました。

腰を押さえる人
血行不良が生理痛や生理不順などの婦人科系の不調につながることも(Ph/Photo AC)
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じつは、これらの不調はすべて「やせる背骨しぼり」で緩和できます。背骨の動きが回復すると姿勢が整い、過度な負荷がかからなくなるからです。こりや痛みも解消され、筋肉のポンプ作用も復活して血液やリンパの流れも良好に。冷えやむくみも消え、疲労物質も血液とともに押し流されるため疲れを感じにくくなります。これが婦人科系の不調の解消にもつながっていくのです。

「何もかも嫌になる」もじつは背骨と関係が深い

背骨は神経の通り道なので、背骨まわりの筋肉や筋膜がこり固まっていると自律神経にも余計な負荷がかかります。特に胸からお腹にある背骨(胸椎)の動きが悪くなると、隣接する肋骨や筋肉、筋膜まで固まって浅い呼吸しかできない状態に。すると、つねに交感神経が優位になってリラックスできず、自律神経全体の働きも低下します。

さらに血管が収縮して血行不良を起こすことも。つまり、背骨まわりの動きが悪いと血行不良から頭痛や肩こり、冷えやしびれまで生じるほか、不眠、めまい、動悸など多種多様な不調につながるということです。

そして自律神経の乱れから不眠になる方も多いのですが、じつは睡眠はダイエットにおいても非常に重要な役割を担っています。まず交感神経ばかりが活発に働く、いわゆる過緊張の状態が続くと、眠りが浅くなって睡眠の質が下がります。

この睡眠不足や不眠が、ホルモンバランスを崩す要因に。たとえば脂肪がつきやすくなるホルモンのコルチゾールが分泌され続けたり、食欲をコントロールするレプチンの効きが悪くなったりして、暴飲暴食しやすくなるのです。

背骨はリバウンドのしやすさにも影響する?

自律神経の乱れが、不安やイライラ、気分の落ち込み、やる気や集中力の低下などの精神的な不調を引き起こすことは多々あります。「何もかもイヤになってリバウンド」というのは、じつはこうしたメンタルの不調から来ることが多いもの。これらすべてに効いたのが「やせる背骨しぼり」でした。

◆教えてくれたのは:パーソナルトレーナー・隅田咲さん

パーソナルトレーナー・隅田咲さん
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パーソナルトレーナー。バレエ×パーソナルトレーニングジム プリマ代表。3歳よりクラシック・バレエを始め、小学校高学年より国内コンクールで多数入賞。高校卒業後は、奨学金を獲得し、イタリアのミラノ・スカラ座バレエ学校に入学。そこで、バレエだけでなく、ピラティス、解剖学を学び、海外のコンクールでもファイナリストに。帰国後、ジムのインストラクターを経て2018 年「バレエ×パーソナルトレーニングジム プリマ名古屋」を開業。2020年、YouTubeチャンネル「SAKIエレコアメソッド」www.youtube.com/@saki5275をスタートさせる。2024年3月現在、YouTubeチャンネル登録者数22.6万人、Instagram フォロワー9.3万人。

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