
関西では温泉リゾートとして有名な「和歌山・南紀白浜」。絶景に温泉、そしてパンダと旅の楽しみがぎゅっと詰まった白浜は、東京から飛行機で1時間10分。「大阪から電車よりも東京からのほうが早いのです」と旅行ジャーナリストの村田和子さん。「夏前がおすすめ」という南紀白浜の魅力をお届けします。
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和歌山県の南紀白浜といえば、関西で知らない人はいないメジャーな温泉リゾート。でも実は羽田空港から飛行機に乗れば1時間10分で和歌山の玄関口である南紀白浜空港へ到着します。あまり知られていませんが、首都圏からのアクセスがとってもいいんです。空港からは車で10分ほど走れば、白良浜沿いに宿が多くある中心地へ到着します。
そこで出会える海の青さは感動もの! 「まるでハワイ」です。他にも、パンダなど動物に癒される「アドベンチャーワールド」、ワイルドな地球のパワーを感じる「三段壁・千畳敷」なども。魅力が詰まった和歌山県にある南紀白浜の旅をレポートします。
夏前の今がチャンス!絶景ビーチをひとり占め
ため息がでるほど美しい、海外のリゾートのような白良浜(しららはま)は、白浜の名の由来にもなったという全長620mの白い砂浜。実はハワイのワイキキビーチと姉妹浜という関係で、本場ハワイのお墨付きなんです。
ただし夏になると様子は一変。「海水浴のパラソルや人で埋めつくされる」ため、この絶景を楽しむのなら今がチャンスです。

白良浜を一望する歴史ある「白良荘グランドホテル」美食と温泉と絶景を!
今回滞在したのは、そんな白良浜の浜辺から徒歩30秒に位置する、弧を描く真っ白なビーチを客室から望む「白良荘グランドホテル」。

創業は昭和4年で95年の歴史を刻んだホテルで、現在の建物は昭和43年12月に建てられたもの。白壁とオレンジのスペイン瓦がリゾート気分たっぷりです。

全ての客室から白良浜の絶景が楽しめますが、その中でも2013年にリニューアルした最上階のロイヤルフロアは、窓が大きく海に手が届きそうな見事なパノラマが広がります。

朝や夕刻にのんびりと浜を散歩するのもよし、チェアの貸し出しがあるので、ビーチの好きな場所を陣取り、音楽を聴いたり読書をしたりするのも贅沢なひと時です。まだ寒い日も多いですが、5月3日に海開きもして、泳ぐこともできます。



温泉大浴場は、男女入れ替え制で、2階の露天風呂は、潮風や波の音に癒されつつ、白良浜の絶景や遠くを行き交う船を見ながらリラックスできます。泉質は、神経痛、筋肉痛、関節痛や疲労回復などに良いとされるナトリウム塩化物泉です。

お食事は、海の幸を中心に紀州の季節の食材を頂け、宿泊費は手ごろなのにとっても豪華。お刺身はもちろん、ホテル特性の白良浜をイメージし、出汁に白みそや生クリームをあわせた白良鍋も美味。


朝食もご飯がすすむおかずに、紀州梅粥は酸味がほどよく身体が喜ぶ味です。(食事は、季節、仕入状況により料理内容が変わる場合があります)


アクティブ派には、海上釣り堀体験付き宿泊プランもおすすめです。旅先で釣りをして釣れたためしがない私ですが、なんと今回はマダイ(小鯛)がヒットしました! 釣れた魚は持ち帰りでき、ホテルに持ち込むと、シェフが調理をしてくださり夕食にいただくことができます。


自分で釣った魚の味は格別。お刺身だけではなく洋風のお料理などにもアレンジするそう。のんびり派もアクティブ派もお好みの過ごし方をして、夜は温泉と美食を楽しめば、リフレッシュすること間違いなしです。
■白良荘グランドホテル https://www.shiraraso.co.jp/
パンダだけではない!アドベンチャーワールドは大人の癒しに最適
「アドベンチャーワールドといえばパンダ」というイメージがあるかたが多いのでは? 間違いではないけれど、パンダだけではなく、子どもから大人まで楽しめる、特に大人は動物たちに日頃の疲れが癒されるテーマパークです。
まずはジャイアントパンダ。現在は4頭が飼育され、ゆっくりと見ることができます。


竹をムシャムシャと食べていたか と思ったら、おもむろに立ち上がり水辺で顔をのぞきこむ。遊び疲れたらパタンと横になってお昼寝。見た目の可愛さもさることながら、「この自由さ」は見ていて飽きず、そしてなんともうらやましい。パンダ愛が芽生えてしまいました。

さらにイチオシなのが、マリンワールドにあるビッグオーシャンで開催されるショー。会場からは本物の海が見えて風が気持ちいい~。

繰り広げられるショー「マリンライブ~Smiles(スマイルズ)」は、「ともに希望ある未来へ」がテーマ。迫力がありながら、特徴的なのが人とイルカやクジラがいっしょに創り上げるということ。絆が伝わるステージは胸が熱くなり感動もの。
さらにサファリワールドまであるんです。のんびりと自分のペースで歩いてまわるもよし、無料の「ケニア号」に乗れば、約20分で1周1500mのコースを楽々回れます。


アドベンチャーワールドは、東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンをしのぐ広さがあるとのこと。そのせいもあってかゆったりと楽しめ、動物たちものびのびとしています。比較的ゆったりと見学はできますが、やはり夏場は比較的混雑するとのことで、こちらも夏前がよさそうです。

他にもショーや動物と触れ合える体験など、子どもはもちろん、大人も童心にかえって1日楽しめます。
■アドベンチャーワールド https://www.aws-s.com/
足をのばしてジオパークの迫力を楽しむ!
白浜町は南紀熊野ジオパークの一部に含まれ、地球のエネルギーを感じる「三段壁」や「千畳敷」など迫力満点の自然の景観が広がります。天気のいい日はホテルから自転車でアクセスするもよし、バスもあるので、ぜひ足をのばしてみてはいかが?



いかがでしたか? 首都圏から1泊2日でも今回のような旅ができます。大阪からアクセスする場合は、特急くろしお号でJR新大阪駅から白浜駅まで約2時間半。時間を合わせて、ぜひキュートな「パンダくろしお」を狙ってみてくださいね。


■パンダくろしお(JR西日本)https://www.jr-odekake.net/railroad/kuroshio/pandakuroshio/
プライスレスな絶景が広がる和歌山・南紀白浜は、夏前の時期は大人の休日におすすめ。ビーチヨガなどもあるので、お好みも過ごし方でリフレッシュできますよ。賑わう夏のピークを外してぜひお出かけください。
■南紀白浜観光協会 https://www.nankishirahama.jp/
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを
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