
汗ばむ日も増え春から夏へと変わろうとしている。皇后雅子さまは、バイカラーアイテムをよくお召しになるが、この時季にはネイビー×白など、コントラストの強いバイカラーコーディネートを披露されることも多い。先日の全国赤十字大会でもお召しだった。そこで、雅子さまのこの時季のバイカラーコーデをチェック。着こなしのポイントをスタイリストの横山麻里さんとともに振り返る。
暑くなってくる季節のバイカラーコーデは「白」を効かせるのがカギ!
汗ばむ季節は見た目にも涼しげなコーディネートが好まれる。そこで、夏のバイカラーファッションのコツを横山さんにうかがった。
「バイカラーコーディネートには白がキーカラー。これからの季節、白がはいるだけで涼しげな雰囲気を作りやすいのでおすすめです。一点投入ではなく、コーディネート全体に白を散りばめると、バランスがよくなります。特に顔周りに取り入れると、明るい印象になるので、アラフィフ世代には嬉しいお助けカラーと言えますね。白はどんなカラーとも相性がいいので、手持ちアイテムで、すぐに実践できます」(横山さん・以下同)
襟やカフスがネイビー配色のバイカラージャケットで顔映えよく
2024年5月15日、「全国赤十字大会」に名誉総裁として、皇后雅子さまがご出席。白地に襟やカフス部分がネイビーのデザインのジャケットをお召しだった。










「ネイビー×白のバイカラー配色は、ジャケットに白を用いることで、視線が上がり、顔周りも明るくなっています。これからの季節、ダークカラーの着こなしは重くなりがちですが、×白でバイカラー配色を取り入れるとコントラストがつき、爽やかな雰囲気になります。
白ジャケットは膨張しないように、襟や袖口のカフス部分がネイビーで引き締められているのもポイント。ジャケットだけでなく、ネイビーのリボンが太めに巻かれた帽子は、コーディネートのポイントになり、ネイビー×白のバイカラー配色を強調しています。アクセサリーでも白を散りばめ、全体のバイカラー配色がとてもまとまっています」
光沢感のあるグリーンのセットアップにバイカラーの帽子でおしゃれ度を底上げ
1999年5月の全国赤十字大会では、グリーンの光沢感のあるセットアップに白×グリーンのバイカラーの帽子をお召しになった雅子さま。



「光沢感のあるグリーンのセットアップは、この季節にぴったりなカラー。優しく穏やかさも感じられ、とても上品です。帽子やバッグ、靴、アクセサリーに白を散りばめた白×グリーンのバイカラー配色は、とても清らかな印象。ジャケットはノーカラーでVカットなので、抜け感が出ています。白のカラーだけで抜け感を作るのではなく、光沢感のある素材やジャケットのデザインでも抜け感が出ているコーディネートはおしゃれ感もひとしおです」
スーツの白の切り替えを小物にもリンクさせたツートーンコーデ
1994年5月、第24回戦没殉職船員追悼式にご出席の雅子さまは、白の切り替えデザインがポイントのネイビーのセットアップをセレクト。



「白の切り替えデザインがポイントのジャケットはIラインを強調するデザインで、シャープな印象を与えてくれます。靴も、同じネイビー×白のバイカラー配色を取り入れている点がおしゃれ度を高めています。帽子は白地に白のリボンが施されていることで、異素材による立体感も出ていますし、さまざまな素材感の白がアクセントとなり、ネイビー×白の落ち着いたバイカラー配色でも、シンプルになりすぎず、大人の着こなしになっています」
バイカラーのセットアップに小物もバイカラーでスタイリッシュに
1999年6月、ご夫婦で栃木県・日光市をご訪問。東武下今市駅に到着された雅子さまは、おしゃれなセットアップをお召しだった。



「白い大きな襟がポイントのセットアップは、カラーは落ち着いていますが、襟やカフスの白がインパクトのあるアクセントとなりスタイリッシュな印象です。ネイビー×白の靴とバッグがコーディネートになじみつつも、ネイビーのダークカラーが引き締めカラーとなって大人上品なまとまりに。大きな襟がレフ板効果を発揮し、顔周りを明るく見せ、視線を上げています。大きな襟のデザインが、アクセサリーの華やかさも兼ね備えているので、ネックレスがなくてもおしゃれな印象です」
ドット柄やバイカラーを取り入れた遊び心のあるモノトーンスタイル
2002年5月、生後5か月になったばかりの愛子さまを抱かれて、ご静養先へ向かう雅子さまを東京駅でキャッチ。



「モノトーンスタイルも、ジャケットを白にすることで、コーディネート全体が重くならず、軽やかな印象になっていますね。ドット柄というと大人女性にとっては、甘いテイストのイメージで嫌煙しがちですが、雅子さまがご着用のジャケットのように、ランダムなモノトーンのドット柄をセレクトすることで、大人っぽさをキープしています。
また、ボトムをタイトなシルエットにすることで、Iラインシルエットが作られメリハリ感も生まれます。小物もバイカラー配色を合わせられ、全体が統一感のある着こなしに。コーディネートの一部に白を取り入れるのではなく、いくつかの白を散りばめ、リンクさせることで抜け感のある洗練された雰囲気になっています」
ネイビーのパイピングがすっきりIラインを強調
2019年5月、全国赤十字大会にご出席の雅子さまは白地にネイビーのパイピングが施されたセットアップでお出ましに。



「白のスーツが気品漂う雰囲気。ネイビーの太めのパイピングがIラインを強調し、メリハリのあるスタイルになっています。イヤリングは大きめを合わせられ、太めのパイピングともマッチ。とても上品なマリンテイストにも感じられます。膨張してしまいそうと敬遠しがちな白コーデも、ダークカラーのネイビーを効かせたバイカラー配色にすることで、引き締まり、凛とした雰囲気になります。小物は白ではなく、ダークカラーを合わせることで、白とのコントラストがはっきりと出て、より引き締まって見えます」
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襟やカフスが透け感のあるネイビーチュールで涼しげ感ひとしお
2022年の全国赤十字大会では、2024年の同大会でお召しのスーツとデザインが似たセットアップでご出席。靴もバイカラーパンプスだった。


「ネイビー×白のバイカラー配色も、デザインや素材で印象が大きく変わります。襟やカフスに透け感のあるネイビーチュール素材が施されているジャケットは、とても女性らしい印象です。チュール素材なので、涼しげな雰囲気もプラス。トレンドの透け感のある素材も、部分使いならアラフィフ世代にとっても取り入れやすいですね。アクセサリーは大きめのパールを合わせることで、アクセントがついています。靴もバイカラー配色なので、重くなりすぎず、コーディネート全体がバランスよくまとまっています」
◆ファッション解説:スタイリスト・横山麻里さん
ほどよくフェミニンで上品なカジュアルスタイリングが参考になると、同世代の女性たちからの支持多数。大人女性のファッション誌を中心にカタログや広告で活躍中。
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