
2024年6月15日、チャールズ国王の公式誕生日を祝うパレード、トゥルーピング・ザ・カラーが開催された。3月にがんであることを公表し、治療に専念するため約半年間、公の場に姿を見せていなかったウィリアム皇太子の妻、キャサリン皇太子妃が、今回のパレードに子供たちと参加した。
パレードの前日にSNSで参加を発表&現状報告
パレードの前日に、SNSでトゥルーピング・ザ・カラーに出席することを発表したキャサリン皇太子妃。公務復帰についてコメントも投稿され、「この数か月、たくさんの温かい応援や励ましのメッセージに感動しました。ウィリアム(皇太子)と私にとって、つらい時期を乗り越える助けとなりました」と感謝の言葉から始まった。

体調については、以下のように綴っている。
「順調に回復していますが、化学療法を受けている人なら誰でも知っているように、良い日と悪い日があります。悪い日には弱さや疲れを感じ、体を休めるしかありません。しかし、良い日には、体が強くなったと感じ、体調の良さを最大限に生かしたくなります。
私の治療は継続中で、あと数か月は続きます。体調が十分に良い日には、(子供の)学校生活に取り組んだり、エネルギーやポシティブさを与えてくれることに個人的な時間を使ったり、自宅で少し仕事を始めたりするのが喜びです」
今週末、家族と一緒にチャールズ国王の誕生日パレードに参加するのを楽しみにしています。夏の間に、いくつかの公的な行事に参加したいと思うと同時に、まだ森から出ていない(安心できない)こともわかっています」
SNSには、テキストと共に森のような自然な場所で、大きな木に寄りかかるキャサリン皇太子妃の画像が公開されたが、「森から出ていない」という表現でまだ困難な状況にいることを伝えたのは、2014年3月に公開した動画で「家族として今の私たちには、私が治療を終えるまで、時間、空間、プライバシーが必要であることを理解していただければ幸いです」と述べた時のように、これからも引き続き、そっとしてほしいというメッセージを伝えたかったのかもしれない。

約半年ぶりに公の場に姿を現れたキャサリン皇太子妃はモノクロコーデ
昨年12月以来、姿を見せていなかったが、ついに公務に復帰したキャサリン皇太子妃。子供たちと馬車に乗り、集まった人々に笑顔で手を振った。隣にはルイ王子が座り、向かいの席にジョージ王子とシャーロット王女が座っていた。

キャサリン皇太子妃は、黒と白のモノトーンコーデで登場。ホワイトのドレスは「ジェニー パッカム」のもので、映画『マイ・フェア・レディ』(1964年公開)でオードリー・ヘップバーンが着たドレスのように、白と黒の大きなリボンが首元についている。
腰にはウエストマークとなる黒いラインが入っているので、くびれが強調され、女性らしさを演出している。エレガントな帽子は、円形の黒を白で囲っているデザインで、ドレスと同じモノクロカラーをセレクトしていた。

シャーロット王女はネイビーのドレスを着ていたが、キャサリン皇太子妃と同じく、バイカラーコーデだった。そして、シャーロット王女のネイビーはジョージ王子とルイ王子のスーツとリンク。王子たちの鮮やかなブルーのネクタイは、ウィリアム皇太子の衣装とリンクしていた。
色を揃えるリンクコーデは、ウィリアム皇太子一家の定番ファッション。キャサリン皇太子妃が闘病する中でも、家族の“絆”が感じられるコーデだった。




イギリス王室は、2024年1月17日にキャサリン皇太子妃が腹部の手術を受けたと発表。当時、具体的な病名は本人の意向で非公表だったが、病名についてさまざまな臆測が飛び交う中、同年3月23日にインスタグラムやYouTubeなどのソーシャルメディアで動画を投稿し、キャサリン皇太子妃自ら、がんであることを公表した。1月に受けた手術の後、がんが発見され、予防的な化学療法を受け始めたところだという。
がん公表したチャールズ国王とランチも
動画で「みなさまから多くの素晴らしい応援メッセージとご理解をいただいたことに感謝しています。私たち家族全員にとって、この数カ月は信じられないほど大変な日々でしたが、素晴らしい医療チームが私のケアをしてくれました。本当に感謝しています」と、感謝のメッセージを述べた。
動画には「早い回復を祈ります」など、多くのコメントが寄せられ、バッキンガム宮殿も、義理の父であるチャールズ国王が「キャサリン皇太子妃の勇気ある発言をとても誇りに思っている」と声明文を発表した。
海外のメディアでは、今年2月にがんであることを公表したチャールズ国王と、キャサリン皇太子妃が2人でランチを共にしたと報じられている。ランチの際、ともにがんの治療を受ける2人は、健康面、闘病に関する経験や、これから発表するメッセージ動画の件についても話し合ったとみられている。


ケンジントン宮殿はキャサリン皇太子妃の1月に受けた手術に関する声明で、公務復帰はイースター礼拝(2024年は3月31日)以降になる見通しだと発表していたが、今年のイースター礼拝にウィリアム皇太子一家の姿はなかった。




不確かな情報で子供たちを巻き込むことを避けたか
気になるのは、ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子、3人の子供たちの様子だが、冒頭の動画ではキャサリン皇太子妃が子供たちへの配慮を見せていた。
「ウィリアムと私は、まだ幼い家族のため、密かにできることは全て対応しようとしてきました。ご想像の通り、手術から回復して治療を始めるまでにはとても時間がかかりました。でも一番大切なことはジョージ、シャーロット、ルイに適切な方法で全てを説明することで、私が大丈夫だと安心させることにも、とても時間がかかりました」
この発言からキャサリン皇太子妃が子供たちのことを第一に考えてきたことがうかがえる。


また、「子供たちにも伝えましたが、私は大丈夫です。体と心を癒すことに集中し、日々強くなっています。ウィリアムがそばにいてくれることも、大きな慰めと安心感の源になっています。多くの皆さんからの愛、支援、そして優しさも同じです。私たちには大きな意味があります」と感謝の気持ちを述べると共に、「家族として今の私たちには、私が治療を終えるまで、時間、空間、プライバシーが必要であることを理解していただければ幸いです」と家族のためにそっとしてほしいという願いを丁重に伝えている。
ウィリアム皇太子が当初、キャサリン皇太子妃が自身で説明することに反対していたと一部のメディアが報じている。がんを公表しない選択肢もあったはずだが、公表に踏み切ったのは、不確かな情報で子供たちを巻き込むことを避けたのだろう。
公表は勇気がいることだが、長い間、姿を見せずにいたことで多くの憶測を呼んでいた。さまざまな噂から子供たちを“守る”ことを選んだようだ。


動画の最後では「この病気(がん)に直面している人は、どのような形であれ、信念や希望を失わないでください。あなたは1人ではありません」と締めくくっている。「あなたは1人ではありません」(you are not alone)という言葉は、かつてエリザベス女王がクリスマスメッセージで国民を勇気付けた名言だ。国民に寄り添ったエリザベス女王のように、自身が闘病中でも、人々に寄り添うキャサリン皇太子妃。未来の王妃としての「矜持」、そして母親としての「強さ」を見せていた。
●ルイ王子6歳に!家族写真で振り返るキャサリン皇太子妃のファッション 計算されたリンクコーデやパンツの種類に合わせた着やせコーデも