【ハンバーグ定食VSチキンカツ定食】肉の脂肪は“太る素”!
ひき肉より鶏肉の方が太りにくいから、太りにくいのはチキンカツ定食? でも、油で揚げてあるチキンカツより焼いたハンバーグの方が太りにくそうだから、太りにくいのはハンバーグ定食? 結局どっち? ちなみにカロリーは、ハンバーグ定食は895kcalなのに対し、チキンカツ定食は735cal。ここは脂肪の量が決め手となり、太りにくいのはチキンカツ定食。
「油で揚げるチキンカツの方が太りそうですが、実は脂肪の多いひき肉を使ったハンバーグの方が太りやすい。ジュワっとあふれ出す肉汁こそが“太る素”! 肉汁には、うまみ成分とたっぷりの溶け出た脂肪が入っているので、肉汁の多さは脂肪の多さに直結します」
チキンカツは揚げ物としての脂肪はあるものの、低脂肪の鶏胸肉を使う傾向にあるので、全体の脂肪量としては少なめ。
「さらに、つけ合わせの野菜にも要注意。チキンカツにはキャベツのせん切りやトマトなどの生野菜がついていることが多い傾向にあり、脂肪とカロリーが抑えられています。一方、ハンバーグとセットになる確率が高いのがフライドポテト。フライドポテトは糖質と脂肪の塊ですから、食べれば食べただけ体につきます」
ハンバーグが食べたくなったら、シンプルなものを選ぶこと。特にチーズ入りはダイエット中ならアウト! 脂肪の多いハンバーグに、高脂肪のチーズの組み合わせは脂肪オーバーとなりそう。
【えび天そばVSざるそば】カロリーにこだわるべからず!
これまでの対決でも、“揚げ物を食べたからといって太るわけではない” 、と菊池さんは言っているが、そうは言っても今回はえび天そばとざるそば。えび天そばの方が太るはず…! えび天そばは459kcalなのに対し、ざるそばは284kcal。カロリーだけ見れば文句なしの、ざるそば優位だ。結果は、太りにくいのはえび天そば。なぜ!?
「ざるそばは低カロリーメニューの代表格。太りにくいメニューではあるのですが、食材としてはほぼ麺だけ。麺の糖質をエネルギーに分解してくれる具材が入っていないため、食べた糖質は脂肪に変換されてぜい肉になりやすい。また、糖質は消化がよく2時間半程度で消化されます。つまり、食後すぐに胃の中が空っぽになるため、小腹がすきやすく間食をしがちに」
一方、天ぷらの脂肪は消化が悪く、胃の中で4時間程度とどまるためお腹もすきづらい。
「ざるそばやかけそばよりも、食後のカロリーを体温として発散させることができるたんぱく質の具材と一緒に食べる方が太りにくい。えび天をはじめ鶏天、いか天、ちくわ天など魚介でも肉でもOKですが、気をつけたいのは野菜天。特に大葉や薄切りの野菜は吸油率が高いためダイエット効果は期待できません」
たんぱく質にはやせ効果のビタミンやミネラルも豊富に含まれる。魚介類にはミネラル類、肉類にはビタミン類が多く、両方の含有率が高いのが卵。
カロリー表示のあるお店も増えているが、カロリーだけに左右されることなく低脂肪高たんぱくのメニューを意識して選ぶことが、太らない体作りには不可欠のようだ。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん
1966年大阪府生まれ。管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。著書に、ベストセラーになった『食べても食べても太らない法』(以上、三笠書房《知的生きかた文庫》)がある。https://www.diet-class.com/