野生パンダ保護の一環としてジャイアントパンダ繁殖を行っている上野動物園では、4頭のジャイアントパンダたちが生活している。春から、別々の飼育室で暮らしている双子パンダのシャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)や、その親にあたるリーリーとシンシンらの近況を紹介する。
暑さに負けずに過ごす双子パンダたち
高山動物であるパンダが苦手な暑い季節が始まりつつあるが、シャオシャオもレイレイも竹を豪快に食べるなど、元気な姿を見せている。
竹類や副食のパンダ団子とにんじん、りんごといった通常のえさに加えて、気温の上昇に際してジュースなどで作った氷を6月24日に与えたところ、2頭ともに良好な反応を見せていたそうだ。
シャオシャオが大幅に体重増加!
5月15日の測定で81.4kgだったシャオシャオは、6月15日には84.3kgを記録し、大幅に体重アップ。同日の測定で85.8kgだったレイレイに、もう少しで追いつけるかもしれない。
また、2頭を見分けるためにシャオシャオにつけられていた緑色の印は、徐々に消え始めているという。
トレーニングもステップアップ
2023年7月16日から開始した、動物の健康な飼育と人間の安全な作業のためのハズバンダリートレーニングは、5月に行っていた口を開けた状態で維持するマウスオープントレーニングからステップアップして、現在採血トレーニングを中心に行っているとのことだ。
6月3日と6月18日に飼育展示場所を交換し、シャオシャオは屋外放飼場Dと室内展示3号室で、レイレイは屋外放飼場Bと室内展示1号室で過ごしているので、上野動物園を訪れる際は飼育場所を確認して展示を見学しよう。
引き続き高血圧の改善を続ける親パンダたち
親パンダのリーリーとシンシンは、昨年から高血圧の状態が続いている。2頭ともに、定期的な血圧測定と薬の量の調整しながらの投薬を続けるなど、高血圧の改善に向けた取り組みが行われている。
検査のために4月に一部を刈ったリーリーの毛は、目立たないほどに伸びてきており、気にする様子は見られないという。
また、シンシンは気温が高い日が続いていることから、冷房の効いた非公開エリアの室内で過ごすことが多くなっているとのこと。展示室にシンシンの姿が見られないときもあるが、採食や行動は良好のため、心配は不要のようだ。