ライフ

《7月7日投開票》東京都知事選、石丸伸二氏は「異質」 YouTubeで石丸氏を1年前からウォッチしてき67歳オバ記者がそう評する理由

オバ記者
街頭演説を行う石丸伸二氏
写真11枚

7月7日の投開票を前に、大詰めに入った東京都知事選。最新の情勢調査では、前安芸高田市長の石丸伸二氏(41歳)が支持を伸ばしているという。小池百合子都知事(71才)、蓮舫前参議院議員(56才)との“対決”の行方はいったい――。以前から毎日のように安芸高田市の議会の様子をYouTubeでチェックしてきたオバ記者こと野原広子(67歳)が石丸氏を“異質”と評する理由とは?
* * *

「毎朝目が覚めるのが楽しくて仕方ない」都知事選

たったひとつの東京都知事の席に誰が座るのか。それを決めるのが4年に1度の東京都知事選挙だけど、いやいやいや、今回ほど熱が入った選挙って67歳の人生であったかしら。毎朝目が覚めるのが楽しくて仕方がないわよ。

今話題の石丸伸二さんとオバ記者
今話題の石丸伸二さんとオバ記者(撮影/楠聖子)
写真11枚
会いたいと思い続けていたあの人に会いに広島県へ行ってきたオバ記者
石丸伸二さんに会いに広島県まで出向いたオバ記者
写真11枚

そもそもの話をすればちょうど1年前のある暑い日、安芸高田市の市長だった彼が地元新聞社の若い記者とバトルをしているのをYouTubeで見て、「何この人?」と思ったのが出会い。7年前から衆議院議員会館でアルバイトをして、いろんなタイプの政治家を直に見てきたけど、石丸伸二さんは声の出し方から身のこなし方まで何もかもが異質だったのよ。

オバ記者
国会議事堂でバイトもしている
写真11枚

何がどう違うのか。“明日は安芸高田市の市長の退任式”という日に市長室でインタビューして、わかったようなつもりになったけれど、いまも最後の1ピースがハマらないんだよね。その1ピースを知りたくて6月16日の秋葉原駅前の街頭演説から始まって上野、錦糸町、東京駅丸の内北口など、時間があれば仕事そっちのけで足を運んで演説を聞いているんだわ。

5時間を超える長旅だけど鉄子の血が騒ぐ
5時間を超える長旅だった
写真11枚
オバ記者
帰宅時間にも関わらず多くの人が政策の話に耳を傾けていた(写真は東京駅)
写真11枚

“名前コール”をしない「石丸信者」

そうそう。異質といえば演説を聞いている人たちもそうよ。ずいぶん前、何の選挙だったか忘れたけどたまたま通りかかったところである候補者が演説をしていたのね。野次馬根性で立ち止まったら、聴衆が「よしっ、そうだ!」「その通り!」と抜群のタイミングで掛け声をかけて拍手をするんだわ。演説が終わった後の名前を連呼も完璧。で、私もそのウェーブにのせられて一瞬、心地よくなりかけたんだけど、なんか落ち着きが悪いんだよね。で、ポスターをよく見たら某団体が支持母体の候補者だったの。選挙はお手のものだったのよね。

ところが「石丸信者」と言われている人たちは、信者としての修行が足りないから? 広場いっぱいに人が溢れていて石丸さんの演説に身を乗り出して頷くけど、声が出ないんだわ。「がんばれ!」と誰かが言っても後が続かない。やっと名前コールが出たのはここ数日だもんね。その奥ゆかしさも「清き一票を私にください」なんて絶対に言わない石丸さんの信者らしくていいなぁと思ってたんだけどね。

オバ記者
演説中の声掛けはなく真摯に政策を聞くファンが多い
写真11枚

選挙は草の根運動が大事?

いやいや、選挙はそれじゃダメだって。ちゃんと草の根運動をしないとと思い立って、最近は顔見知りの若い人に「都知事選、誰に入れるか決めてる?」と声をかけだしたの。やってみてわかったんだけど人の反応ってわかんないね。「決めてません。誰かおすすめの人、いますか?」と逆に聞かれたんだよね。で、私が石丸さんの話をすると「わかりましたぁ。家族にも伝えまーす」とニッコリ。そんなもん?

それで思い出したのが2年前に93歳で亡くなった母親よ。ずっと投票していた町長がいたの。何の接点もなさそうなのになんで? 不思議に思って聞いたら大昔、選挙の時に「頼むな」と本人から声をかけられたんだって。「それまで誰にも頼まれたことがなかったから嬉しかったんだよ」と言うのよ。

オバ記者の母親
母ちゃんが同じ人にずっと投票してたのは本人から「頼むな」と言われたから
写真11枚

オールアンチの人は「理解できない」

無党派というとまったく政治に興味がない人と思われているけど、興味もなにも、その手がかりさえない人もいるんだよね。一方、私がわからないのが、オールアンチの人。政治とは誰かに噛みつくことと思っているのか、「石丸? ダメダメ、論外! 小池? ありえないよ。蓮舫? 投票する人の気がしれない」と、まぁ、口を極めてバッサバッサと切り捨てるんだわ。ふだんは物静かな人だからその豹変ぶりに驚いて後退りしたわよ。

オバ記者
7月7日は一体どんな結果になるのか!
写真11枚

でね、その時、ちょっとわかったんだわ。石丸さんの異質さは我欲を感じさせないことで、ついでに言えば男盛りなのに色気がない。できるビジネスマン半分、高僧半分の近未来人間みたいなんだよね。実は泣き虫というのでずいぶん救われるけど、未来の国から我らのためにやってきた?という感じ。

オバ記者
7月7日が今から楽しみ
写真11枚

アンチ伸二はこのあたりが落ち着かないのかもね。

とかなんとか、いつもの夏ではない、波風がたった夏も明日の夜には決着がつく。その時、私はどんな気持ちなのかしら。それを思うとああ、もう、いてもたってもいられない。てか、選挙はこうでなくっちゃね。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
写真11枚

1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

【407】《都知事選ルポ》67歳オバ記者が迫る“石丸伸二氏の人気” 街頭演説に集まる意外な人たちと彼が聴衆に向かって訴えていること

【406】《高齢者のリアル》67歳オバ記者が年を重ねて実感した大切な2つのこと「キョウヨウとキョウイク」、教養と教育ではなく何のこと?

→オバ記者の過去の連載はコチラ

関連キーワード