
ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)。年を重ねて増えてきたのが、通院や身体のメンテナンス関係の用事だ。高齢者となった今、実感する日々の“リアル”とは?
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左肩に声をあげるほどの激痛
ああ、忙しい、忙しい。「年をとるとモノをいうのはキョウヨウとキョウイクよ」とひと回り年上の女友達から聞いたのはかれこれ10年も前のこと。このふたつがあると生活に張りが出るのだそうな。
「キョウヨウは教養ではなくて今日の用事。キョウイクは教育ではなくて、今日行くところ」というオチなんだけど、それが最近、いよいよ実感が湧いてきた感じ。
今日の用事のうち、仕事の打ち合わせや原稿書きもあるけれどそれより多くなってきたのが、通院ほか身体のメンテナンス関係でね。なんかパッとしない話だけど、まあ、聞いて。

朝、目が覚めたら左の肩がしびれてる。ネットで調べたら肩の異変は心臓病の症状かも、なんて怖いことが書いてある。不整脈や心房細動の持病がある私は穏やかじゃないわよ。さっそくかかりつけ医のT先生に訴えたらは「巻き肩ですね。左側を下にして寝ているでしょ? 気をつけて左肩を後ろにくるように、半うつ伏せにして寝るようにしてみてください」という。
で、その通りにしていたんだけど、1週間ほど前、ブラトップを脱ごうとしたらヒェーッと声をあげるほどの激痛がきた! 左肩、全部と腕の付け根にかけて今まで体験したことのない痛み。腕は前には上がるけれど、横から後ろにかけては半分くらいが限度。

その話を50代の仕事仲間、Mさんにしたら「それ、五十肩だよ。整形外科だね。気長に通って治すしかないよ」だって。で、3日前から近所の診療所に通い出したんだけど、ふと見たら財布は各種診察券でパンパンよ。
体が温まる感覚がクセになる「よもぎ蒸し」
かかりつけ医のT医院、軽い緑内障症の目薬を処方してくれる眼科医。それと歯のメンテナンスに歯科医。身体全部が不調の時に行く鍼灸院。20分600円のマッサージ機がある無人の店にも行く。さらに最近、人にすすめられて始めたのがよもぎ蒸し。こちらは定額通い放題だから時間が空くと行く。
「よもぎ蒸しってやったことある?」と聞くと半分以上の中高年女性から「あるある。あれ、気持ちいいよね」と返ってくる。私はつい最近、67歳にして初体験だけど、こんなに浸透してるものだったのね。

全裸になってマントをかぶり、下からよもぎを蒸した熱をあてて、じんわりと汗を出す。よもぎの成分が粘膜から入って体調を整えるというものなんだけどね。お風呂に入った時とは違う中から身体が温まる感覚がクセになるんだわ。
私の身体ってビンテージものの機械みたい
さらにさらに私の場合、キョウヨウの中で重要度ナンバーワンは大学病院の定期検診よ。2年前に卵巣と子宮の全摘手術をした後の経過観察に加えて、すい臓にのう胞があるので、ほぼ3か月に1度、大学病院の予約日が来るの。で、今回は女性外科で造影剤を注射してのCT検査だ。

CT検査を受けるには前日の夜を最後に、朝食抜きで来いと言われている。予約は午後1時。検査はバンザイして寝て丸いドームに吸い込まれたら後は2、3度、息を止めるだけだからなんてことはない。こういう検査って数やると要領を覚えてね。すらっとドームに入れるようにファスナーつきのパンツははいてこない。ジャージのワンピ、一択だよ。検査は10分くらいで終わり!

しかしそれにしても今の医療機器の技術ってすごいね。検査を終えて30分後には結果が出るんだもの。食堂で和定食をかっこんでいたら呼び出されて、「はい、大丈夫です。問題ありません」だって。あと一度、半年後に内診をうけて異状がなければ後は定期検診は年に一度で良くなるんだって。
細かいところでいろいろ不具合は出てきたけれど、これで大きな心配は消えたんだよね。思えば私の身体ってビンテージものの機械みたい。これからも油を差したり部品を手入れしたりして使いこなしていくんだね。「快調!」と喜べる日が増えるように、そうそう、キョウヨウとキョウイク、大事!
◆ライター・オバ記者(野原広子)

1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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