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鉄道・バスツアー・飛行機旅の達人が教える!“65才以上だからこそできる”旅のお得ワザ

伊豆国一宮の三嶋大社
伊豆国一宮の三嶋大社。バスツアーで訪れる人も
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リッチなのにリーズナブルな鉄道旅の方法をはじめ、65才以上が楽しめる旅を実現する交通手段はほかにもまだまだある。鉄道、バス、飛行機など、旅の達人がこっそり教えてくれるアドバイスを参考に、自分に合った旅を探してみよう。

65才からのお得な鉄道旅の“裏技”

よく耳にする「大人の休日倶楽部」だが、実はコレ、有効な範囲が東日本と北海道のみ。西日本やそれより南を旅する場合、別のサービスに入会する必要がある。

「JRは北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州と管轄が分かれているので、旅行先によってサービスを使い分ける必要があります」とは、JR全路線を乗りつくした文筆家・蜂谷あす美さんだ。65才からのお得なサービスはJR各社で行われているが、条件やルールが違うため、東日本から西日本など、区間をまたいで違う管轄の電車に乗ると、割引にならないことがある。

「気になった駅でふらっと下車できるのが鉄道旅の魅力ですが、65才以上のお得なサービスを活用したいなら、日程と旅の区間は事前に決めておくことが大切です」(蜂谷さん・以下同)

座席指定料プラスで特別感のある鉄旅に

新山口駅~津和野駅間を走る「SLやまぐち号」
新山口駅~津和野駅間を走る「SLやまぐち号」。座席指定料は1680円
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「リッチなのにリーズナブルな使い方としておすすめなのは、観光列車に乗ること。高額なイメージがありますが、実は乗車券に座席指定料を追加するだけで乗れる観光列車もあります」

乗車券は、下記囲みのサービスを活用すれば30%割引になるので、得した分で座席指定券を購入すればいい。
「これからの季節は、『富良野・美瑛ノロッコ号』や『リゾートしらかみ』『SLやまぐち号』がおすすめです」

座席指定料は列車によって異なるが1000円前後。新幹線や在来線だけでなく、観光列車を旅に組み合わせるだけで特別感が出る。

“鉄道ひとり旅デビュー”おすすめ旅程表(日帰りコース)

“鉄道ひとり旅デビュー”おすすめ旅程表(日帰りコース)の表
“鉄道ひとり旅デビュー”おすすめ旅程表(日帰りコース)
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【朝】
東京駅→甲府駅へ(JR中央本線)
甲府盆地の景色を楽しみながら列車の雰囲気も味わう

【昼】
甲府駅に到着後、昼食
地元の名物を食べる(ほうとうなど)

【夕方】
甲府駅→富士駅へ(特急)
富士山が見える絶景路線。車窓を満喫する
富士駅→東京駅へ(JR東海道本線に乗車)
※新幹線に乗り換えてもよい

乗れば乗るほどお得になる満65才以上限定JRお得サービス

65才以上の場合、各サービスへ入会すれば、全国のJR線のきっぷが年間20回まで最大30%割引やJR西日本線のきっぷがネット購入で何回でも30%割引となる「ジパング倶楽部」にも自動入会されるので覚えておこう。

特別列車の車内
65才以上の場合、各サービスへ入会すれば、お得が満載(Ph/イメージマート)
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【JR東日本・北海道】大人の休日倶楽部ジパング
片道・往復・連続する路線を201km以上利用で、JR東日本線・北海道線の乗車券・特急券が30%割引に。年3回発売される5日間乗り放題の「大人の休日倶楽部パス」のサービスも利用可(専用クレジットカードを取得・年会費4364円)。

【JR西日本】JR西日本ジパング倶楽部
JR西日本線のきっぷが201km以上利用の場合で、ネット購入に限り何回でも30%割引に。JR西日本「おとなび」のサービスも併せて受けられ、さまざまな会員限定きっぷが使える(年会費3840円)。

【JR四国】JR四国ジパング倶楽部 
「ジパング倶楽部」のサービスに加え、「四国エンジョイクラブ」にも同時入会できるため、JR四国線内またはJR四国線と土佐くろしお鉄道線を通算して片道71km以上往復利用する場合、何回でも30%割引になる(年会費3840円)。

【JR九州】JR九州ジパング倶楽
JR九州線を201km以上利用する場合、ネット購入限定で、何回でも30%割引に。また同線が3日間乗り放題になるパスが購入でき、九州新幹線・特急の普通車指定席が6回まで利用可(年会費3840円)。

65才からのお得なバスツアーの“裏技”

「バスツアーの参加年齢層は60才以上が75%超です。近年は、ひとりの時間を重視する傾向があり、おひとりさま参加のバスツアーも人気が高まっています」とは、クラブツーリズムライフデザイン旅行センターの延山順一さんだ。

これまで、ひとりでは参加しづらいと思われていたバスツアーだが、コロナ禍の影響で旅行に友達を誘いにくい状況となり、試しにひとりで参加したところ、思わぬ快適さを実感。リピーターが増えたのだという。女性からの人気が高まったことで、いまでは女性ひとり旅のためのバスツアーにも力を入れている。

「女性ひとりでは行きにくい場所や予約が取れない店に行けるのが人気のようです。全員がひとりでの参加なので、ツアーに参加した人同士で意気投合しやすいのも魅力です」(クラブツーリズム・鷲澤由佳さん)

ガイド付きツアーなら旅がもっと楽しくなる

「ひとり旅をさらに楽しみたいのなら、バスガイド付きのツアーもおすすめ」とは、はぴねす観光の佐藤奈美恵さんだ。

バスガイドの女性の顎から下の上半身
バスガイドが現地で案内をしてくれるので、自分で下調べをする必要がない(Ph/イメージマート)
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「バスガイドが現地で案内をしてくれるので、自分で下調べをする必要がありません。見過ごしがちな車窓の景色も、バスガイドがいれば詳しく解説をしてくれるので、より充実した旅になります」(佐藤さん)

三嶋大社を巡るおひとりさまツアーに参加したことがあるという、東京都在住の主婦Nさん(68才)は、「三嶋大社に行きたかったのですが、足が不自由なのでバスツアーにしました。最初は不安でしたが、皆ひとりで参加されているため、すぐに打ちとけられました。

神社ではガイドさんがいてくれたら助かるなと思ったので、次はガイド付きツアーにしようと思います」と語ってくれた。いまはひとり旅だからさびしいということはないようだ。

65才からのお得な飛行機旅の“裏技”

「飛行機のチケットをお得に取る方法は、大きく分けて2つあります」とは、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんだ。まずひとつ目はセール情報をチェックして安い時期に旅行する方法だという。

「期間限定が特に狙い目。出発日と目的地は限定されますが、安く旅をしたい人にはおすすめ。ANAやJALのメールマガジンに登録するとセール情報が受け取れるので、こまめに情報収集しましょう。格安航空会社(LCC)のセールも狙い目です」(鳥海さん・以下同)

シニア割より早割や旅行パックがお得

もうひとつは、目的地を決めてチケットを取る方法だ。その場合、目的地の空港ホームページにある「出発フライト一覧」からどんな路線があるかを確認。その上で安いチケットを調べて購入する。

「65才以上の場合、各航空会社がシニア割を行っています。これは、繁忙期や出発直前なら割安。しかしそうでない場合、航空券と宿泊予約がセットになったダイナミックパッケージや早割の方が安い場合があります。ですからシニア割にこだわる必要はありません。安さを考えるなら、航空会社だけでなく買い方も比較しましょう」

機内でリッチな気分を味わいたいなら、シートのグレードアップもおすすめ。JALなら、当日のフライト3時間前までアップグレードシート“クラスJ”に変更可能。距離によって変わるが1100~3000円の追加料金でゆったりとした時間を過ごせる。

「出発時刻までカードラウンジを利用するのもおすすめです。自分の持っているクレジットカードにサービスが付帯されていないか、調べてみましょう」

◆教えてくれたのは:文筆家・蜂谷あす美さん

2015年にJR全線を完乗。鉄道と旅のエッセイなどを執筆している。主な著書に『もっとお得にきっぷを買うアドバイス50』(イカロス出版)など。

◆教えてくれたのは:航空・旅行アナリスト・鳥海高太朗さん

年間のフライト数は100以上。旅の体験談などをYouTubeチャンネル「PTA鳥ちゃんねる」で発信中。主な著書に『コロナ後のエアライン』(宝島社)など。

取材・文/番匠郁

※女性セブン2024年7月25日号

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