LEVEL3 研磨剤で汚れを削る!
クリームクレンザーはケイ酸鉱物などの研磨剤成分を含む洗剤。研磨剤の含有率は20~50%が多く、風呂場などの水回りやキッチンシンクなどの清掃に向く。
「クレンザーは研磨剤入りの洗剤。界面活性剤で汚れを浮かし、浮いた汚れを研磨剤で削って落とします」
ただし、曇り止め加工をした鏡、もしくはアルミミラーは傷がつく可能性が高いので、事前に確認すること。
今回使用したのはクリームタイプ。粉末と比べて粒子が細かく、デリケートなので鏡を磨くのに最適だ。
「クレンザーで着目すべきは、研磨剤の含有率です」
100円ショップで販売されているものは含有率5%程度が多い。『ジフ』は20%、『ホーミング』『ステンライトクリームクレンザー』は50%となっている。
「汚れのつき具合によりますが、蓄積したウロコ汚れを落とすには、研磨剤の含有率が5%では弱すぎる。ウロコ汚れで鏡面が真っ白になっているような場合は、含有率50%の商品を選ぶ手も。ただし、研磨剤が多いほど、汚れが落ちやすい半面、鏡が傷つきやすいリスクがあるので慎重に」
【1】40℃以上のシャワーをかける
【2】濡らしたスポンジに液を塗布する
スポンジに大きく3周、液を塗布する。
【3】スポンジが変形するぐらいの力でこする
3cmくらいの円を描きながら、力を入れてこする(サンポールのときの力を1としたら、3~4の力で)。こすった箇所を指先で触れ、ザラザラ感が残っていれば、そこだけ再度こする。
【4】40℃以上のシャワーで流す
【5】から拭きする
【Point】
研磨剤は蛇口などシルバー類への使用厳禁!クレンザーのついたスポンジでこすると鏡に傷がついたり、温度表示などの数字が削れるなどのリスクがある。研磨剤を塗布したスポンジは専用、もしくは使い捨てにしよう。肌の弱い人はゴム手袋を装着して行おう。
【ウロコ落ちた度90%】
ザラザラしている部分がまだあるが、頑張りすぎると表面を傷つけかねないため、やりすぎは厳禁。次のステップに進もう。
LEVEL4 ダイヤモンドパフ
ダイヤモンドパフはダイヤモンド粒子を模した微細な研磨剤を使用し、汚れや水アカなどを効果的に削り取る。「メラミンスポンジ」は主に食器や壁などの汚れ落としには有効だが、鏡には適さない。また、たわしや消しゴムは研磨剤ではないため、こちらも不向き。
【1】40℃以上の湯を流しながら軽くこする
模様がついている硬い面を汚れに当てる。鏡とパフが接する面にシャワーの湯を当て、水をクッションにしながら、小さく円を描いてこする。
力の加減はサンポール使用時の力を1としたら、3~5くらいの力で。クレンザーで取りきれなかったザラザラ部分のみをこする。ジャリッとした感触があれば、研磨できた証拠。指先で確認し、ツルツルしていたら終了。から拭きで仕上げる。
【ウロコ落ちた度100%】
鏡がピカピカになり、浴室全体の明るさが増した。むやみにこすってもウロコ汚れは落ちないが、汚れの本質を理解し正しい手順をふめば、頑固な汚れも退治できる!
※本特集は記者宅のウロコ汚れ落としをレポートしたもので、水アカ・ウロコ汚れの程度や各種洗剤による汚れの落ち具合は、各家庭によって異なる。実践する際は、それぞれの状況に応じて行う。いきなり効きめが強い洗剤や研磨剤を使うと材質を傷めかねないので、本特集のように落ち具合を見ながら掃除を進めること。
※本特集中の商品価格はいずれも編集部調べ。
◆教えてくれたのは:ベアーズ・久保田剛史さん
「ハウスクリーニング本部」所属。広範な知識を生かし、約150のフランチャイズ店舗を管理・指導するスーパーバイザー。
取材・文/藤岡加奈子 写真/浅野剛
※女性セブン2024年8月1日号