夏ならではの味覚であるゴーヤ。その苦みは栄養素によるものだと、野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話す。「苦手な人も多いですが、ゴーヤの苦みには健胃や血糖値の低下に役立つので、旬の今こそ食べていただきたいです。ほかにもたくさんの栄養素があります」という福島さんに、詳しいゴーヤの栄養素とおすすめのレシピを教えてもらった。
* * *
ゴーヤの栄養素は健康にも美容にも効果的
ゴーヤの苦みには栄養素がたっぷり。さらに、強い紫外線を受ける夏の時期にうれしい、肌によい栄養素も含まれています。
ゴーヤの苦味成分となっている栄養素を解説
ゴーヤの苦みは、モモルデシンとチャランチンという栄養素によるもの。この苦味成分は機能性成分として注目されていて、モモルデシンには健胃作用、チャランチンには血糖値の低下作用が期待されています。
また、不溶性食物繊維もゴーヤに多く含まれます。腸を刺激し、排便を促す作用があるので、便秘予防に効果的です。腸内環境を整える作用があるので基礎代謝が上がりやすくなり、血糖値上昇の抑制やコレステロール濃度を下げる作用もあると言われています。
加熱してもOK!美肌に効果的なビタミンCも豊富
ゴーヤは美容にも効果的な栄養素がたっぷり。ビタミンCの含有量は野菜でもトップクラスで、紫外線の多い夏に傷んだ肌に効果的です。肌の弾力を保つコラーゲンの生成に関わるうえに、シミやくすみの元となるメラニン色素の沈着を防ぐため、日焼けでダメージを受けるこの季節こそ摂っておきたい栄養素です。
ちなみにゴーヤに含まれるビタミンCは、ほかの野菜と比べて熱に強いのが特徴。定番のゴーヤチャンプルーなど、炒め物にしてもたっぷりビタミンCが摂れるのが安心です。
ほかにも、むくみの予防に役立つカリウムや、貧血を予防する葉酸も多く含まれます。
おすすめレシピと苦みを和らげる下処理
最後に、ゴーヤの苦みを和らげる下ごしらえの方法と、おすすめのレシピを紹介します。意外かもしれませんが、ゴーヤは佃煮にしてもおいしいです。歯ごたえのあるゴーヤを甘じょっぱく煮れば、苦味もやさしく食感もよいのでおすすめ。冷凍もOKなので常備菜にもなりますよ。
ゴーヤの苦みを軽減する下ごしらえ
家族にゴーヤが苦手な人がいると、食卓になかなか出しにくいもの。苦みが苦手な場合は、下ごしらえをして軽減しましょう。
カットしたゴーヤの全体に塩をまぶし、10分置いてから水でゆすぎ、沸騰したお湯にさっとくぐらせれば、苦みが和らいで味がまろやかになります。
「ゴーヤの佃煮」のレシピ
《材料》(3人分)
ゴーヤ…1本(250g) 砂糖…大さじ3 酢…大さじ2 しょうゆ…大さじ1.5 かつお節…5g 白ごま…適宜
《作り方》
【1】ゴーヤを縦半分に切り、スプーンで種とわたを取り除いたら、2mm幅に切る。
【2】鍋に水を入れて沸騰したら、ゴーヤを入れて約1分茹で、水気を切っておく。
【3】フライパンに砂糖、酢、しょうゆを加えてよく混ぜ合わせ、茹でたゴーヤを加えて中火で味がなじむように煮る。
【4】汁けがなくなるまで煮込み、最後にかつお節と白ごまをふりかけて出来上がり。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ