暑い季節に注意したい夏バテ。食事で体の内側からクールダウンするのが夏バテ対策にもなると話す、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。体のほてりには冬瓜となすがよい理由と、おすすめのレシピを教えてもらった。
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カリウム+水分で夏バテ予防!おすすめ野菜の栄養
冬瓜となすは水分が多く、なおかつ夏バテ対策に有効なカリウムが豊富です。カリウム以外にも、冬瓜となすに含まれる夏に摂りたい栄養素について解説します。
夏バテにカリウムが効果的な理由とは?
カリウムは体の調子を整えるミネラルの一種で、体内の浸透圧や水分を調節し、筋肉の収縮を正常に保つ働きにも関わります。利尿作用があり、熱を持った体を冷やしてくれる働きもあるため、体に熱がこもって体調を崩してしまう夏バテ対策に効果的なんです。
カリウム不足になると塩分調節ができなくなり、脱力感や食欲不振などの症状につながります。そこで、夏にはカリウムの多い野菜をとるのがおすすめです。
水分が多い夏野菜でこもった熱を逃がす
さらに、冬瓜となすには水分量が多いという共通点があります。カリウムと豊富な水分の相乗効果で利尿作用が働き、尿とともに体にこもった熱を排出するので、体をクールダウンできます。そのため、のぼせやほてりを感じる人や、夏バテで体が干上がっているような状態の人にぴったりです。
冬瓜、なすのそれぞれにプラスの効果
冬瓜はカリウムだけでなくビタミンCもたっぷり。ビタミンCは暑さや紫外線などによって消費が高まり、夏に不足しがちな栄養素の1つ。ビタミンCが生成に大きく関与しているコラーゲンには疲労回復などの効果もあることから、夏バテ予防に重要な栄養素です。
一方、なすにはポリフェノールが多く含まれます。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、生活習慣病を予防するだけでなく、体内の酸化ストレスを減らすことから、ビタミンCと同様に疲労回復に効果があります。
冬瓜となすを組み合わせたレシピ
それぞれ、夏バテ改善に有効な栄養素を多く含む、冬瓜となすを組み合わせたレシピを2つ紹介します。冷やして食べてもおいしい揚げ浸しや加熱不要で手軽なサラダは、暑い日にもおすすめです。
「冬瓜とナスの揚げびたし」のレシピ
《材量》(3人分)
冬瓜…1/4個(600g) なす…1個 片栗粉…大さじ3 めんつゆ…100ml(4倍希釈) 水…300ml 揚げ油…適量 しょうが(千切り)…少々
《作り方》
【1】冬瓜は種をスプーンで取り、皮をむき、一口大の乱切りに。ナスも同じ大きさに切る
【2】冬瓜とナスに片栗粉をまぶす
【3】ボウルにめんつゆと水を合わせておく
【4】揚げ油を180度に温め、なす、冬瓜の順に鍋に入れる。なすは柔らかくなり焦げ目が少しつくまで、冬瓜は表面がカラッとするまで揚げる
【5】【4】に浸していき、よく混ぜ合わせ、なじんだら器に盛る。しょうがを添えて完成
「冬瓜とナスのマヨサラダ」のレシピ
《材量》(2人分)
冬瓜…1/16(150g) なす…1本 大葉(手でちぎる)…2枚 マヨネーズ…大さじ1 塩…小さじ1/2 白ごま…適量
《作り方》
【1】冬瓜は種と皮を取り除く。冬瓜となすは1cmのさいの目切りにし、塩をふりかけ10分ほどおいておく。
【2】水分を切った【1】にマヨネーズと大葉、白ごまを加えてよくあえたら、皿に盛り付け完成。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ