物価高の今、上手に中古品を活用して節約したいと考える人は多いだろう。しかし、中古品は同じ値段であっても物によって状態は異なり、きちんと選ばなければ損につながることもある。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、中古品で買ってもいいものや避けたほうがいいものなど、中古品との上手な付き合い方について指南してもらった。
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中古で買ってもいいものとは
中古で買ってもいいものとしては、昔から中古市場があるものが安心です。昔から中古市場があるものは、中古品に抵抗が少ない人が多いジャンルであるため、流通量も多く、値付けの相場も乱高下しにくいのが特徴。比較的きれいな品を探しやすいですし、自分が再度売る場合も取り扱ってもらいやすくなります。
中古で買ってもいいものの代表格は「本・CD・DVD・ゲーム」
昔から中古市場があり、多く流通しているものの代表格は「本・CD・DVD・ゲーム」です。本は汚れや傷みが気にならなければ問題ありませんし、CD、DVD、ゲームも正常に作動すれば楽しむことができます。
クオーレの調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000098.000079600.html)でも、「本・CD・DVD・ゲーム」は中古品を買ってよかったと感じる物ランキングの1位になっており、中古品を買っても失敗しにくいものと言えます。
状態をよくチェックして買うなら「衣服」もおすすめ
クオーレの調査で2位になっている「衣服」もおすすめです。「本・CD・DVD・ゲーム」に比べると、中古に抵抗がある人もいると思いますが、洗濯さえすれば気にならないという人も多いジャンルです。
実際に手にとって、においがついていないか、汚れやほつれなどがないかなどをしっかりとチェックすれば、中古品でも失敗することは少ないでしょう。ブランド品なども中古であれば安く手に入れることができます。
「家電」も比較的おすすめ
「家電」も比較的おすすめです。中古品はどのように使用されていたかが不明なため、衛生的に冷蔵庫や洗濯機はあまりおすすめしませんが、家電は数年前のモデルが半額近い金額で購入できることもあります。
特にロボット掃除機などの便利家電系は、買ってみたものの思ったより使わなかった、自分の家では使い勝手が悪かったなどの理由で手放されることも多く、新品に近い状態の物が安く売られていることがあります。そのため、手放した理由がわかるものが比較的安心です。
他にも、美容家電や生活家電などSNSで流行ったものが少し経つと、良い状態のものが中古で出回ることがあります。
「アウトドア用品も狙い目」
最近では、コロナ禍でアウトドアが注目され人気となったアウトドア用品が、アフターコロナで不要となり出品され、状態の良いものが安く中古市場に出回っているとの情報もあり、ねらい目と言えるでしょう。
買わないほうがいい中古品とは
一方で、買わないほうがいい物としては、買った後にすぐダメになりやすい物や買っても思ったより使わない可能性のある物などです。
例えば、衣類であってもネットで購入した場合は、見えないところにほつれがあって、すぐ着られなくなってしまったり、においが染みついていて着るのに抵抗があり、結局着ないまま捨ててしまったりということが考えられます。
中古品はできる限り直接見てから購入する
個人間フリマアプリや中古品を販売しているECサイトも充実しているため、ネットで中古品を購入する人も多いと思いますが、失敗を減らすためにはやはり直接見てから購入することが大切です。特に、写真上での入念なチェックがしづらい衣服や、動作時の挙動などを確認しておく必要がある家電などは、ネットでの中古品購入は避けたほうが無難です。
個人間でのフリマアプリでの購入は、ノークレームノーリターンであることが多いため、家電などは特にジャンク品でも問題ないと思えるもの以外は手を出さないようにしましょう。
中古品を購入する際は、安いからといって適当なチェックで済ませたりせず、事前に商品の状態をしっかりとチェックしましょう。
ネットならAmazonでも購入可能
店頭で購入する場合は、リサイクルショップのほか、本・CD・DVD・ゲームの中古品を中心に扱っているBOOKOFFも、大型店舗や系列店で衣服や小型家電などを取り扱っています。
また、本・CD・DVD・ゲームのように中古品購入で失敗しにくい物であれば、Amazonの利用もおすすめです。私自身も、中古ではないものの、外装の破れが原因で半額になっていた専門書を先日Amazonで購入しました。
中古品は失敗することもありますが、事前にしっかりとチェックをしておけば避けられる失敗も多くあります。価格に見合った状態のものかよく吟味したうえで購入するようにしましょう。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/新藤まつり