チョコレートや小麦製品をはじめ、この8月の食品値上げは642品目にも及んだ。当たり前に買っていた必需品が“贅沢品”になってしまったいま、家計を守るためにできるのは、1円でも安いものを見つけること──「いつものスーパーで買っていいもの、悪いもの」を見極めよう。気をつけたいのは「何を買うか」ではなく「どこで買うか」なのだ。
スーパーに対抗して安くなるドラッグストアの食品も
本誌『女性セブン』がスーパー、ドラッグストア、コンビニ(いずれも東京都内)の食品と日用品50品目の実売価格を「現地調査」したところ、スーパーで購入すると損するかもしれない商品がわかった。損になりやすい代表的な食品は、卵、牛乳、パン、豆腐などの「白物」だ。消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが言う。
「誰もが一年中買うものなので、ドラッグストアはスーパーに対抗して価格を低くしていることが多い。反対に、白物が安いスーパーは良心的なので、ほかの商品も安い傾向にあります」(丸山さん)
事実、カップ麺やレトルト食品のほか、冷凍うどん、食パンといった白物は、ドラッグストアの方がスーパーより約10〜170円ほど安かった。
白物に限らず、食品は全体的にドラッグストアの方が安く、日用品は商品によって差はあるものの、歯磨き粉やシャンプーなどは、ドラッグストアの方がスーパーより値引率が高いものが目立つ結果に。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが言う。
「よく行くドラッグストアのアプリを入れておけば、割引やポイントアップの日が通知されるので、さらに効率よく、お得な買い物ができるはず」(横山さん)
調味料は全体的にスーパーの方がお得だが、メーカーにこだわりがなく少量でいい場合は、コンビニのプライベートブランド(PB)が狙い目のようだ。
「業務スーパーやコストコが近くにあるなら、調味料類はそこで揃えるのも手。ただし必要以上に買いすぎないよう、自分がどのくらいの量を消費できるかはしっかり見極めて」(丸山さん・以下同)
お菓子や飲み物、酒の価格にはばらつきがあり、スーパー、ドラッグストアの価格と比較するとコンビニが圧倒的に高い。だからといって、スーパーでそれらをまとめ買いするのはNG。
「お菓子や酒などの嗜好品は、家にあればあるだけ消費量が増え、結果的に出費もかさみます。かといって“飲みたくなるたびにコンビニに買いに行く”のでは1本あたりの単価が高くなる。1か月の予算を決めて、その範囲内で楽しむのがベストです。また、ネットは大いに活用しましょう。タイムセールなどで安くなっているものもあり、価格の比較もしやすい。いつものスーパーと比べて安ければ買いです」
割安な大物野菜、丸ごと買うのが本当にお得?
肉や魚、野菜といった生鮮食品についてはコンビニやドラッグストアでは取り扱いがない店舗も多く、スーパーで買うしかない。ただし、“少しでも安いものを”と選んだ、一見お得そうな商品にこそワナがある。
「キャベツ、レタス、白菜、かぼちゃなどの大物野菜は丸ごと買う方が割安ですが、1玉買ったところで持て余し、最悪の場合腐らせてしまいます」(横山さん)
同様に、見切り品なども「安いから」という理由で買って、結果的に食べずに損になることは少なくない。
「最近は、肉や魚の値段は動きが少ない一方で、野菜が値上がりしています。献立を決めるときは、まず野菜から選んで、それに肉や魚を合わせていく方が、食費を抑えやすくなります」(丸山さん)
いつもの買い物を少し変えれば、いずれ大きなプラスになるはず。
※女性セブン2024年9月5日号